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『一番初めの願い事』
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天国はお昼すぎです。
今日も、明日生まれていく赤ちゃんになる天使達が、神様の前に並んでいます。くるくる巻き毛の頭を振り振り、難しいことを悩んでいるのか、眉を寄せて考え込んでしまった天使、何かを思いついて一安心、にっこり笑う天使もいます。
たかが願い事、と言っても、いい加減なことではいけません。神様はその『願い事』を聞いてから、どの天使をどこの世界へどこの家へ送り出そうか、いろいろ考えておいでなのです。
それら、多くのちびっ子天使の中に、ぶんた、と言う名前の天使がおりました。大層やんちゃで元気の良い天使で、度々神様や他の天使を困らせていたのですが、明日ぶんたも地上へ生まれることになっていたのです。だから、ぶんたは、神様から聞かれた時、すぐにはっきり答えました。
「ぶんた、お前の『一番初めの願い事』は何だね」
「はい、神様。ぼくの願い事は大きな家とたくさんのお金と食べきれないほどの食べ物です」
それを聞くと、神様は少し首を傾げて考えておられましたが、そのうちにっこり笑われると、
「じゃあ、行っておいで」
ぶんたを地上へと送り出されました。
さて、地上でぶんたは大金持ちの家の子どもに生まれました。使い切れないほどのお金と食べ切れないほどの食べ物を両手に、プール付きの広い家に住み、面白おかしく暮らして大きくなりました。
世の中でぶんたの思い通りにならないことはありません。「欲しい」と言えば、車も飛行機も、牧場も動物園も、大きなビルディングもぶんたのものになりました。側には美しい女の人が居て、あれやこれやと世話をしてくれます。
ぶんたは大満足でした。自分の『一番初めの願い事』は正しかったのだ。そう思って日々を遊び暮らしておりました。
けれどそのうち、ぶんたは病気になりました。医者を呼んだり薬を飲んだりしましたが、一向に良くなりません。だんだん体が弱ってきて、ついには寝たきりになってしまいました。
さあ、もう美味しい食べ物は食べられません。お金はあるけど使えません。遊ぶどころか足も自由に動かせません。
ぶんたはしみじみ考えました。
『一番初めの願い事』を間違ってしまった。健康こそ第一なのに、広い家やお金や遊びや食べ物のことしか願わなかった。失敗だ。失敗だ。
そのうちすうっと気が遠くなって、ぶんたは地上の体から出て、泣き泣き神様の元へ戻りました。
「神様、神様。ぼくは間違いました。やり直しをさせて下さい」
「どうしたのかね、ぶんた」
訳を聞かれて、ぶんたは神様に地上での出来事を一つ、また一つと細かくお話ししました。神様はうんうんと頷きながら聞いておられましたが、やがてぶんたに尋ねられました。
「それでは、ぶんた。『一番初めの願い事』はどうするかね」
「はい、神様。元気で健康な体を下さい」
それを聞かれて、神様はまたもや少し首を傾げられましたが、にっこり笑って再び仰いました。
「それでは行っておいで」
「はい」
ぶんたは意気揚々と頷きました。
ぶんたは元気な子犬に生まれました。
力一杯跳ね回り、風邪も引かず怪我もせず、すくすく育っていきました。ご主人様も優しくて、尻尾を振ってじゃれつけば、頭を撫ででもらえたり、美味しいご飯がもらえたりして、ぶんたは満足でした。
けれど、ご主人様は時々ぶんたの気持ちがわからなくなるようです。抱いて欲しくないのに無理やり抱き上げたり、欲しくないおやつを無理やり口に押し付けたりするからです。散歩に行きたいのに首に紐が巻きついていて、ぶんたはどれほどじれったかったか、わかりません。
ある日、ご主人様のお出かけの日に、ぶんたは紐を切って飛び出しました。広い通り、明るく晴れ上がった空、何もかもがきらきらと輝いて、宝石のようです。ぶんたは夢中で走り回りました。チョウチョと追っかけっこもしましたし、蛙を足で踏んづけたりもしてみました。もっともすぐに飽きたのですがね。
散々遊んでお腹が空いたので、ぶんたは家へ帰ることにしました。街の中をとっとことっとこ走っていると、どうしたことでしょう、いきなり二人の男に網で捕まえられ、箱の中へ閉じ込められました。
「えい、畜生、うるさい野良犬だ」
吠えるぶんたに男の一人が言いました。
野良犬じゃないよ。ご主人様! ご主人様!
ぶんたは叫びましたが、誰も助けに来てはくれません。ぶんたはそのまま保健所へ連れて行かれてしまいました。
またもや、ぶんたは神様の元へ帰って来ました。
「神様、ぼくの願いは間違っていました」
「どうしたのかね、ぶんた」
神様に、ぶんたは泣きながら辛かった事を話しました。丁寧に聞いてくださった神様は、やがて静かにお尋ねになりました。
「それではどうするかね」
「はい、神様。誰にも邪魔されない自由を下さい」
神様は、また心持ち首を傾げられましたが、
「それでは行っておいで」
ぶんたを送り出して下さいました。
ここは一体どこでしょう。
辺りはいやに真っ暗です。動いてみると、手足の先がカサコソ、微かな音を立てます。
ぶんたはそろそろと近くの壁をよじ登りました。真っ直ぐに切り立った壁なのに、カサコソ、カサコソ、ぶんたはどんどん登れるのです。
急に辺りが明るくなって、ぶんたはびっくりして止まりました。カサコソ、向きを変えると、目の前に銀色に光ったプールのような流しと大きな湖のような盥。大きなお茶碗にコップもあります。一体、ここはどこだろう。ぼんやりしているぶんたに、いきなりわんわん響く声が聞こえました。
「お母さんっ! ゴキブリ!」
ペシッ。痛っ。
ぶんたは叩かれて、壁から転げ落ち、慌てて物陰に隠れました。
ゴキブリだって? 心は、今聞いたことばに驚いて呆然としています。しばらくは叩かれた痛みもわかりません。やがて、そろそろと物陰から顔を出すと、シューッ、殺虫剤の雨が降って来ました。羽に当たってピリピリするような痛さが広がり、ぶんたは大急ぎで逃げ出しました。
「すばしこいんだから!」
苛立った女の子の声がします。
かなり長い間、息を潜めていた後、ぶんたはゆっくり顔を出しました。女の子は少し離れたところにいます。目鼻立ちのはっきりした、とても可愛い子です。一番目に地上に生まれた時に側に居た女の人のようでもあります。二番目にぶんたを可愛がってくれた、ご主人様のようにも見えます。
懐かしい思いがぶんたの胸を熱くしました。ついつい側へ近づいて行ってしまいます。見れば見るほど綺麗で可愛くて美しいように見えるのです。が、ぼんやり我を忘れた途端、
「お母さんっ! ゴキブリっ!」
ペシッ、シューッ。
これではどうにも敵いません。
側に行きたいのです。この気持ちを伝えたいのです。なのに、どれ一つとしてぶんたには叶いません。物陰から物陰へ、隠れ逃れて生き延びて、けれども遂にはゴキブリを捕まえるシートに張り付いて、ぶんたは一生を終えました。
天国へ戻って来たぶんたは、もはや泣いてはおりませんでした。神様の前へ出て、明日生まれるための『一番初めの願い事』を聞かれた時に、ぶんたは目を閉じて、低く小さく言いました。
「人を愛する心を下さい。その人と一緒に居られる時を下さい。その人に想いを伝える勇気を下さい。神様、ぼくはそれ以上、何も望みません」
が、神様は、初めて首を振られました。
「いいや、ぶんた、私はそれを上げることはできないよ」
「なぜでしょう」
「お前が既に得ているものを、どうして私から与えられようか」
神様はにっこり笑われて、ぶんたを地上へ送られました。そうして、ぶんたは、地上の、ただの小さな赤ん坊に生まれました。
だから、赤ん坊は誰に教えられなくとも、側に居てくれて嬉しい、と絶えず皆に笑いかけるものなのですよ。
終わり
今日も、明日生まれていく赤ちゃんになる天使達が、神様の前に並んでいます。くるくる巻き毛の頭を振り振り、難しいことを悩んでいるのか、眉を寄せて考え込んでしまった天使、何かを思いついて一安心、にっこり笑う天使もいます。
たかが願い事、と言っても、いい加減なことではいけません。神様はその『願い事』を聞いてから、どの天使をどこの世界へどこの家へ送り出そうか、いろいろ考えておいでなのです。
それら、多くのちびっ子天使の中に、ぶんた、と言う名前の天使がおりました。大層やんちゃで元気の良い天使で、度々神様や他の天使を困らせていたのですが、明日ぶんたも地上へ生まれることになっていたのです。だから、ぶんたは、神様から聞かれた時、すぐにはっきり答えました。
「ぶんた、お前の『一番初めの願い事』は何だね」
「はい、神様。ぼくの願い事は大きな家とたくさんのお金と食べきれないほどの食べ物です」
それを聞くと、神様は少し首を傾げて考えておられましたが、そのうちにっこり笑われると、
「じゃあ、行っておいで」
ぶんたを地上へと送り出されました。
さて、地上でぶんたは大金持ちの家の子どもに生まれました。使い切れないほどのお金と食べ切れないほどの食べ物を両手に、プール付きの広い家に住み、面白おかしく暮らして大きくなりました。
世の中でぶんたの思い通りにならないことはありません。「欲しい」と言えば、車も飛行機も、牧場も動物園も、大きなビルディングもぶんたのものになりました。側には美しい女の人が居て、あれやこれやと世話をしてくれます。
ぶんたは大満足でした。自分の『一番初めの願い事』は正しかったのだ。そう思って日々を遊び暮らしておりました。
けれどそのうち、ぶんたは病気になりました。医者を呼んだり薬を飲んだりしましたが、一向に良くなりません。だんだん体が弱ってきて、ついには寝たきりになってしまいました。
さあ、もう美味しい食べ物は食べられません。お金はあるけど使えません。遊ぶどころか足も自由に動かせません。
ぶんたはしみじみ考えました。
『一番初めの願い事』を間違ってしまった。健康こそ第一なのに、広い家やお金や遊びや食べ物のことしか願わなかった。失敗だ。失敗だ。
そのうちすうっと気が遠くなって、ぶんたは地上の体から出て、泣き泣き神様の元へ戻りました。
「神様、神様。ぼくは間違いました。やり直しをさせて下さい」
「どうしたのかね、ぶんた」
訳を聞かれて、ぶんたは神様に地上での出来事を一つ、また一つと細かくお話ししました。神様はうんうんと頷きながら聞いておられましたが、やがてぶんたに尋ねられました。
「それでは、ぶんた。『一番初めの願い事』はどうするかね」
「はい、神様。元気で健康な体を下さい」
それを聞かれて、神様はまたもや少し首を傾げられましたが、にっこり笑って再び仰いました。
「それでは行っておいで」
「はい」
ぶんたは意気揚々と頷きました。
ぶんたは元気な子犬に生まれました。
力一杯跳ね回り、風邪も引かず怪我もせず、すくすく育っていきました。ご主人様も優しくて、尻尾を振ってじゃれつけば、頭を撫ででもらえたり、美味しいご飯がもらえたりして、ぶんたは満足でした。
けれど、ご主人様は時々ぶんたの気持ちがわからなくなるようです。抱いて欲しくないのに無理やり抱き上げたり、欲しくないおやつを無理やり口に押し付けたりするからです。散歩に行きたいのに首に紐が巻きついていて、ぶんたはどれほどじれったかったか、わかりません。
ある日、ご主人様のお出かけの日に、ぶんたは紐を切って飛び出しました。広い通り、明るく晴れ上がった空、何もかもがきらきらと輝いて、宝石のようです。ぶんたは夢中で走り回りました。チョウチョと追っかけっこもしましたし、蛙を足で踏んづけたりもしてみました。もっともすぐに飽きたのですがね。
散々遊んでお腹が空いたので、ぶんたは家へ帰ることにしました。街の中をとっとことっとこ走っていると、どうしたことでしょう、いきなり二人の男に網で捕まえられ、箱の中へ閉じ込められました。
「えい、畜生、うるさい野良犬だ」
吠えるぶんたに男の一人が言いました。
野良犬じゃないよ。ご主人様! ご主人様!
ぶんたは叫びましたが、誰も助けに来てはくれません。ぶんたはそのまま保健所へ連れて行かれてしまいました。
またもや、ぶんたは神様の元へ帰って来ました。
「神様、ぼくの願いは間違っていました」
「どうしたのかね、ぶんた」
神様に、ぶんたは泣きながら辛かった事を話しました。丁寧に聞いてくださった神様は、やがて静かにお尋ねになりました。
「それではどうするかね」
「はい、神様。誰にも邪魔されない自由を下さい」
神様は、また心持ち首を傾げられましたが、
「それでは行っておいで」
ぶんたを送り出して下さいました。
ここは一体どこでしょう。
辺りはいやに真っ暗です。動いてみると、手足の先がカサコソ、微かな音を立てます。
ぶんたはそろそろと近くの壁をよじ登りました。真っ直ぐに切り立った壁なのに、カサコソ、カサコソ、ぶんたはどんどん登れるのです。
急に辺りが明るくなって、ぶんたはびっくりして止まりました。カサコソ、向きを変えると、目の前に銀色に光ったプールのような流しと大きな湖のような盥。大きなお茶碗にコップもあります。一体、ここはどこだろう。ぼんやりしているぶんたに、いきなりわんわん響く声が聞こえました。
「お母さんっ! ゴキブリ!」
ペシッ。痛っ。
ぶんたは叩かれて、壁から転げ落ち、慌てて物陰に隠れました。
ゴキブリだって? 心は、今聞いたことばに驚いて呆然としています。しばらくは叩かれた痛みもわかりません。やがて、そろそろと物陰から顔を出すと、シューッ、殺虫剤の雨が降って来ました。羽に当たってピリピリするような痛さが広がり、ぶんたは大急ぎで逃げ出しました。
「すばしこいんだから!」
苛立った女の子の声がします。
かなり長い間、息を潜めていた後、ぶんたはゆっくり顔を出しました。女の子は少し離れたところにいます。目鼻立ちのはっきりした、とても可愛い子です。一番目に地上に生まれた時に側に居た女の人のようでもあります。二番目にぶんたを可愛がってくれた、ご主人様のようにも見えます。
懐かしい思いがぶんたの胸を熱くしました。ついつい側へ近づいて行ってしまいます。見れば見るほど綺麗で可愛くて美しいように見えるのです。が、ぼんやり我を忘れた途端、
「お母さんっ! ゴキブリっ!」
ペシッ、シューッ。
これではどうにも敵いません。
側に行きたいのです。この気持ちを伝えたいのです。なのに、どれ一つとしてぶんたには叶いません。物陰から物陰へ、隠れ逃れて生き延びて、けれども遂にはゴキブリを捕まえるシートに張り付いて、ぶんたは一生を終えました。
天国へ戻って来たぶんたは、もはや泣いてはおりませんでした。神様の前へ出て、明日生まれるための『一番初めの願い事』を聞かれた時に、ぶんたは目を閉じて、低く小さく言いました。
「人を愛する心を下さい。その人と一緒に居られる時を下さい。その人に想いを伝える勇気を下さい。神様、ぼくはそれ以上、何も望みません」
が、神様は、初めて首を振られました。
「いいや、ぶんた、私はそれを上げることはできないよ」
「なぜでしょう」
「お前が既に得ているものを、どうして私から与えられようか」
神様はにっこり笑われて、ぶんたを地上へ送られました。そうして、ぶんたは、地上の、ただの小さな赤ん坊に生まれました。
だから、赤ん坊は誰に教えられなくとも、側に居てくれて嬉しい、と絶えず皆に笑いかけるものなのですよ。
終わり
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