『DRAGON NET』

segakiyui

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57.『命を弄ぶなかれ』(1)

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 道はいつの間にか暗く大きな空間のただ中に浮いてるようなものになっていた。
 輿の中で意識を失っている間に、カザルはあの夢の『華街』から連れ去られてきてしまったらしい。
 ぐったりした体を何とか起こして、紅の座席に座り直す。塗りの冷やかな肌触りがないと思って覗くと、ちょうど体のあたるあたりに艶やかな金糸まじりの布で小さな座ぶとんが設えてあり、それで輿の床にずり落ちなかったらしい。
 オウライカさん、探してくれてるかな。
 そう思い、でもこれって俺の夢の中なんじゃん、と思い直し、でも、凄い現実感だよねえ、ほら、触れるよ、と座ぶとんを撫でて唐突に自分のきわどい格好に気付いた。
 カザルは肌が白い方ではない。むしろ、ひょっとするとオウライカよりも浅黒いかもしれない、その肌の上に重なっているのは薄青に透ける衣一枚、腰を黒い帯でとめてはいるものの、眠る直前に口にした酒杯のせいか、その合わせ目を微かに持ち上げて存在を主張しているものがある。
 ごく、と唾を呑み込み、衣の上からそっと触れた。甘い感覚にずしりと腰が重くなる。俯いた視界を乱れ落ちた髪が遮り、それがまるで自分一人、この朱塗りの輿と白の薄ものに覆われた中に居るような感覚に陥らせる。
 ずっと触れてもらってない。
「…っ」
 撫で始めるとすぐに重みを増して熱くなってくる。ゆっくり仰け反って目を閉じて指を滑らせる。
「オウ…ライカ…さん……」
 抱かれたのは一度切り、あの時は容赦なく逃げようもなく貫かれて、けれど自分がなくなるほどに気持ちよくて。
 もうずいぶん前みたい。
 衣を掻き分け直接触れると、ぬるりとした感触に思わず握り込みながら喘いだ。
「っは…ぁ…んっ」
 オウライカさん、もっと。
 甘い声を上げながらもう片方の指で唇を撫でる。同じ速度で、同じように敏感なところに触れていると、だんだん頭が過熱してくる。自分でするのも久し振りだ、そう思っていた感覚がどんどん薄れて、舌を出して指を舐め、その指でまた唇に触れていくと、無意識に握り込む手に力が入る。
「っ…あ……ぁ…」
 これはオウライカさんの指。ほら、あの時みたいに、押し倒れてキスされて、俺の弱いところばっかり責めてきて。
「あ、む……んっ……ぅ」
 唇の指を思わずきつく吸いつくと、まるで自分のものではないように指が濡れた先を抉るように弄ってきて、思わず腰を引いた。
「ん…ぁ…っ」
 小さく呻いて唇から引き抜いた指を開いた両足の中へ差し込む。同時に駆け上がりかけて張り詰めたものの根元を強く握って引き上げた。自分ではない手に掴まれ持ち上げられて、もっと脆いところが晒される、そんな想像が頭の芯を赤く染め、思わず仰け反りながら自分の指をずぶりと突っ込む。
「ひ…っ」
『そうだ、もっと』
 遠い暗闇から低い声が命じた。

『もっと足を開いてみせろ、お前がどれほど欲しがってるか見せてやるんだ』
 嗤う声はブルームだ。
『我を失うには足りないなら、もっと打ってやるぞ』
 いや、と泣きながら呻いた。
 ラゴル13ー4がどんな薬なのか、『塔京』の下町で育てばよく知っている。非合法に出回っているものは最低最悪な質で、攫われたり襲われたりしたときにこれが使われるとまず正気に戻れない。カザルが見たのは薄暗い部屋の隅で憑かれたように自分の中に棒切れを突っ込みながらよがっている男で、勃ち上がったものからだらだらと色さえなくなったのを零しながら、まだ扱き続けていた。
 カークの殺人機械となって、ベッドでのあれこれを仕込むときにも、かなり薄められたそれが使われると知ったのは打たれてからのことだ。いきなり狂いそうなほどの興奮に襲われて、わけがわからぬまま何度か自分で慰めたけれど、全く落ち着かなくてパニックになったカザルに、ブルームが優しく自分で後ろをやってみろ、そう促した。
『ほら、足を開いて』
 もう触れるのさえ苦痛になっているものを片方の手で包み上げて。
『指を銜えて濡らすんだ、それでもいいぞ』
 べっとり溢れた液を震えながら指先で掬って、身体を丸める。
『そこだ、もうほら、物欲しげに口を開いてるそこに』
 あ、うううっ。
 ほんの少し指先を入れてみたとたん、すうっと近付いてきたブルームが腰を押さえてカザルの指を押し込んで、悲鳴を上げながら仰け反ったら、そのままぐちゅりとかき回されて。
『こうやって弱いところを探して』
 い、や、あっ。
『手を離すんじゃない、イくと辛いぞ』
 ひ…っんっ。
 ブルームの手が容赦なくカザルの指を中で動かして、必死に握り締めた部分ははち切れそうに痛くて。喘ぎながら口を開くとよだれが零れ落ちた。
『一本じゃ無理か、じゃあ』
 ぅああっっっ。
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