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65.『心配を増やすなかれ』
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その砂漠は広大だった。
眼を射る光に晒され灼かれて、乾き切って粉々になっている。
人の心の潤い一つなく、降り立ったオウライカをそっと受け止めるだけの平面、それはライヤーを拾った夜にオウライカの足下に跪いた瞳の底にあった。
『僕は何をすればいいんでしょう?』
食事を与えられ、風呂を使い、新しい衣服を着せられて、ライヤーは所在なげにオウライカの前に立ち竦んだ。
『あなたは何をお望みですか』
応えないオウライカに戸惑って跪き、這い寄るように足下から見上げる。
『僕を抱きますか? それとも僕が?』
表情には卑下も悲観もない。ただ事実を確認するだけの淡々とした顔、不安そうなのは自分の処遇ではなくて、今何を求められているのかわからないからだと察した。
『抱かなくていい。抱く気もない』
『では…』
訝しそうに眉を寄せ、ためらいながらシャツのボタンを外そうとする。
『他のこと、ですよね』
『他のこと?』
『……道具にも慣れていますけど』
『ああ』
『薬は効きが悪いと思います』
ライヤーは微かに笑った。
『ラゴル13-4という薬を御存じですか』
『……ああ』
『あれの最低レベルのものも知ってますから』
『……なるほど』
つまり、ライヤーは『塔京』の最下層に生きていて、散々弄ばれることも知っているし、生死を左右される扱いもされている、ということか、とオウライカは溜め息をついて立ち上がった。
『ボタンを外さなくていい』
『着たままだと……汚れてしまうと思います』
ライヤーがそっと進言するのに苦笑しながら、机にあった書類を掴んできて見せた。
『わかるか?』
『……これを?』
『ここから推察される状況を上げてみろ』
『……市場は混乱しています……見えているほどの利益は動いていませんし……新たな投資は意味がありません』
『それから』
『……こちらは……面白いですね』
ライヤーは興味を魅かれたようにオウライカの手から書類の束を受け取った。
『誰かが操作しています。ここからこちらの動きに移行するデータがない……こういう展開になるためには』
中身を繰って確認する。
『うん、こちらで連動してなくちゃいけないのに、そっちが止まってる……いや』
柔らかで曖昧だった眼に生き生きとした光が宿った。
『これは……違う…………待って下さい、これは』
床に座り込んで夢中になって書類を調べ、やがて紅潮した顔を上げた。
『これ、全部フェイクなんですね? こんな市場はありえない。この書類全部、現実のものじゃないんでしょう? これは……これは……』
ゆっくりと目を細める。
『僕を…試したんですね』
『合格だな』
『………なぜ』
こんな能力なんて、意味がないでしょう。
元の無表情な顔になって俯くライヤーに静かに命じた。
『私の影になってもらう』
ライヤーは同意しなかったが拒絶もしなかった。
それでもいつしか臍の横にオウライカの紋章を彫り込んだのは、何かの決意あってのことだったのだろう。
『叱るなら叱って下さい。御不快なら僕ごと裂いて下さい』
強がりながら唇を震わせたライヤーにオウライカは譲歩するしかなかった。
それからずっと、オウライカの影として仕え、影として生きてきた。
そのライヤーが今、かけがえのない相手を見つけて一人立ち上がろうとしている。
トラスフィは裏切ったと憤ったが、それは違うとオウライカは思う。
ライヤーはカークを守り切るだろう。『塔京』がたとえ崩壊しても、カーク一人を攫ってでも生き延びてくれるだろう。
それはオウライカにとって安心に他ならない。カークのことはライヤーに任せられる、そういう保証に過ぎない。
そして、カークの存在は、自分の命を物のように扱っていたライヤーにも救いとなるはずだ。カークの命が自分の手の中にある、それはライヤーに諦めを許さないことになる。
あの二人はお互いがお互いの糧となり支えとなり道となり世界になる、ということだ。
だから、これでオウライカも『斎京』に専念していける。カザルの未来に向き合うことができる。
そのどこに問題がある。
「……ん」
目を開けると、部屋の中は明るかった。
「よう、オウライカ」
心得たように襖を開けて入ってくるトラスフィに目を細めて体を起こすと、相手が複雑な顔になった。
「ほらよ」
「……何だ、これは」
渡されたのは黒い革でつくられた眼帯、少なからずどきりとしてオウライカはトラスフィを見上げる。
「左目、見えてねえだろ」
「……気付いてたのか」
思わず呟いた。
「まあな……伊達にあんたと付き合ってきたわけじゃねえから」
確かに目覚めてから左目の視界が戻っていない。内側の感覚を広げて補っているつもりなのだが、それを使うと見たくない紋章まで勝手に読み取ることになってしまって結構疲れる。すぐに眠くなってしまうのは、体力が戻ってないこともあるが、どちらかというとそちらの影響が大きい。
「しかし…」
「あてとけよ。で、リヤン達には片目を持ってかれたって言っとけばいい」
「トラスフィ」
「そうしとけば、あんちゃんが左半身空っぽになってるってのを覚られずに済むぜ。目が見えてねえ、ああ、そのせいで動きがおかしいんだな、ってことになる」
「っ」
茶碗一つが長時間支えられない。知らない間に左側を庇って動いているし、とっさに左手が上がってくれない。身動きする時に無意識に左手を抱え込み、左足を軽く引きずってしまう。
わかるか、と尋ねると、もろばれよ、と返されてうんざりした。
「私もまだまだ鍛練が足りない」
「そういう問題じゃねえだろ」
普通は半分の中身で平常に動くわきゃないんだからよ。
呆れ返りながらトラスフィが付け加える。
「それに、『夢喰い』とやりあって無傷でした、って方がおかしいだろ。左目持ってかれた、この方がいくらか筋が通る」
「そういうものか」
「そういうもんだ」
「……わかった」
トラスフィに渡された眼帯は縁に銀の縫い取りがある。紐につながる部分ではそこに蝶の紋様を入れ込んであると気付いて微笑んだ。
「レシンさんか」
「俺の買ったやつじゃ地味であんたに似合わねえとよ」
「……私は大人しいつもりだが」
ぼやきつつ左目にあてて紐を後ろで縛ると、確かに少し安定した感じがある。
「四六時中つけてろって言うんじゃねえ。外に出る時とか、他の人間に会う時につけてれば、余計な説明をしなくていいぜ」
「余計な心配もな」
いじっぱりだな、あんたも、と溜め息をつくトラスフィに気になっていたことを尋ねた。
「カザルはどこへ行った?」
「昼間だぞ、自重しろよ」
「そういう意味じゃない」
ここ数日ずっと側で寝起きしていたはずで、朝もこれほど早くから居なくなっていることはなかった。
「あいつだってそれなりに用もあっだろ。小間物町じゃねえのか」
「知らないのか」
「ああ」
きょとんとした顔でまっすぐ見返してくる相手にやれやれとオウライカは眉を上げた。
「一度言っておいたほうがいいかと思うんだが」
「なんだ?」
「嘘をつくとき、子どもみたいな顔して人見んのはやめろ」
「う」
「…危ないことをさせてるんじゃないだろうな」
「ま、たぶんな」
いつの間にそれほど仲が良くなったんだ、と突っ込むと、さっそく妬いてんのかよ、とトラスフィがからかってきて、オウライカはもう一度溜め息を重ねた。
眼を射る光に晒され灼かれて、乾き切って粉々になっている。
人の心の潤い一つなく、降り立ったオウライカをそっと受け止めるだけの平面、それはライヤーを拾った夜にオウライカの足下に跪いた瞳の底にあった。
『僕は何をすればいいんでしょう?』
食事を与えられ、風呂を使い、新しい衣服を着せられて、ライヤーは所在なげにオウライカの前に立ち竦んだ。
『あなたは何をお望みですか』
応えないオウライカに戸惑って跪き、這い寄るように足下から見上げる。
『僕を抱きますか? それとも僕が?』
表情には卑下も悲観もない。ただ事実を確認するだけの淡々とした顔、不安そうなのは自分の処遇ではなくて、今何を求められているのかわからないからだと察した。
『抱かなくていい。抱く気もない』
『では…』
訝しそうに眉を寄せ、ためらいながらシャツのボタンを外そうとする。
『他のこと、ですよね』
『他のこと?』
『……道具にも慣れていますけど』
『ああ』
『薬は効きが悪いと思います』
ライヤーは微かに笑った。
『ラゴル13-4という薬を御存じですか』
『……ああ』
『あれの最低レベルのものも知ってますから』
『……なるほど』
つまり、ライヤーは『塔京』の最下層に生きていて、散々弄ばれることも知っているし、生死を左右される扱いもされている、ということか、とオウライカは溜め息をついて立ち上がった。
『ボタンを外さなくていい』
『着たままだと……汚れてしまうと思います』
ライヤーがそっと進言するのに苦笑しながら、机にあった書類を掴んできて見せた。
『わかるか?』
『……これを?』
『ここから推察される状況を上げてみろ』
『……市場は混乱しています……見えているほどの利益は動いていませんし……新たな投資は意味がありません』
『それから』
『……こちらは……面白いですね』
ライヤーは興味を魅かれたようにオウライカの手から書類の束を受け取った。
『誰かが操作しています。ここからこちらの動きに移行するデータがない……こういう展開になるためには』
中身を繰って確認する。
『うん、こちらで連動してなくちゃいけないのに、そっちが止まってる……いや』
柔らかで曖昧だった眼に生き生きとした光が宿った。
『これは……違う…………待って下さい、これは』
床に座り込んで夢中になって書類を調べ、やがて紅潮した顔を上げた。
『これ、全部フェイクなんですね? こんな市場はありえない。この書類全部、現実のものじゃないんでしょう? これは……これは……』
ゆっくりと目を細める。
『僕を…試したんですね』
『合格だな』
『………なぜ』
こんな能力なんて、意味がないでしょう。
元の無表情な顔になって俯くライヤーに静かに命じた。
『私の影になってもらう』
ライヤーは同意しなかったが拒絶もしなかった。
それでもいつしか臍の横にオウライカの紋章を彫り込んだのは、何かの決意あってのことだったのだろう。
『叱るなら叱って下さい。御不快なら僕ごと裂いて下さい』
強がりながら唇を震わせたライヤーにオウライカは譲歩するしかなかった。
それからずっと、オウライカの影として仕え、影として生きてきた。
そのライヤーが今、かけがえのない相手を見つけて一人立ち上がろうとしている。
トラスフィは裏切ったと憤ったが、それは違うとオウライカは思う。
ライヤーはカークを守り切るだろう。『塔京』がたとえ崩壊しても、カーク一人を攫ってでも生き延びてくれるだろう。
それはオウライカにとって安心に他ならない。カークのことはライヤーに任せられる、そういう保証に過ぎない。
そして、カークの存在は、自分の命を物のように扱っていたライヤーにも救いとなるはずだ。カークの命が自分の手の中にある、それはライヤーに諦めを許さないことになる。
あの二人はお互いがお互いの糧となり支えとなり道となり世界になる、ということだ。
だから、これでオウライカも『斎京』に専念していける。カザルの未来に向き合うことができる。
そのどこに問題がある。
「……ん」
目を開けると、部屋の中は明るかった。
「よう、オウライカ」
心得たように襖を開けて入ってくるトラスフィに目を細めて体を起こすと、相手が複雑な顔になった。
「ほらよ」
「……何だ、これは」
渡されたのは黒い革でつくられた眼帯、少なからずどきりとしてオウライカはトラスフィを見上げる。
「左目、見えてねえだろ」
「……気付いてたのか」
思わず呟いた。
「まあな……伊達にあんたと付き合ってきたわけじゃねえから」
確かに目覚めてから左目の視界が戻っていない。内側の感覚を広げて補っているつもりなのだが、それを使うと見たくない紋章まで勝手に読み取ることになってしまって結構疲れる。すぐに眠くなってしまうのは、体力が戻ってないこともあるが、どちらかというとそちらの影響が大きい。
「しかし…」
「あてとけよ。で、リヤン達には片目を持ってかれたって言っとけばいい」
「トラスフィ」
「そうしとけば、あんちゃんが左半身空っぽになってるってのを覚られずに済むぜ。目が見えてねえ、ああ、そのせいで動きがおかしいんだな、ってことになる」
「っ」
茶碗一つが長時間支えられない。知らない間に左側を庇って動いているし、とっさに左手が上がってくれない。身動きする時に無意識に左手を抱え込み、左足を軽く引きずってしまう。
わかるか、と尋ねると、もろばれよ、と返されてうんざりした。
「私もまだまだ鍛練が足りない」
「そういう問題じゃねえだろ」
普通は半分の中身で平常に動くわきゃないんだからよ。
呆れ返りながらトラスフィが付け加える。
「それに、『夢喰い』とやりあって無傷でした、って方がおかしいだろ。左目持ってかれた、この方がいくらか筋が通る」
「そういうものか」
「そういうもんだ」
「……わかった」
トラスフィに渡された眼帯は縁に銀の縫い取りがある。紐につながる部分ではそこに蝶の紋様を入れ込んであると気付いて微笑んだ。
「レシンさんか」
「俺の買ったやつじゃ地味であんたに似合わねえとよ」
「……私は大人しいつもりだが」
ぼやきつつ左目にあてて紐を後ろで縛ると、確かに少し安定した感じがある。
「四六時中つけてろって言うんじゃねえ。外に出る時とか、他の人間に会う時につけてれば、余計な説明をしなくていいぜ」
「余計な心配もな」
いじっぱりだな、あんたも、と溜め息をつくトラスフィに気になっていたことを尋ねた。
「カザルはどこへ行った?」
「昼間だぞ、自重しろよ」
「そういう意味じゃない」
ここ数日ずっと側で寝起きしていたはずで、朝もこれほど早くから居なくなっていることはなかった。
「あいつだってそれなりに用もあっだろ。小間物町じゃねえのか」
「知らないのか」
「ああ」
きょとんとした顔でまっすぐ見返してくる相手にやれやれとオウライカは眉を上げた。
「一度言っておいたほうがいいかと思うんだが」
「なんだ?」
「嘘をつくとき、子どもみたいな顔して人見んのはやめろ」
「う」
「…危ないことをさせてるんじゃないだろうな」
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