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『僕を探して』(5)
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「……おはよ」
目覚めたのはベッド。
美並はいない。
そりゃ、そうだ、だって今日は。
枕元の携帯が鳴る、愛しい人の音色で。
「……おはよ?」
『起きてたの?』
「うん」
『今日ですね』
「今日だよ」
『……待ってます』
「……違うよ、美並」
微笑んで、髪の毛をかきあげた。
「待ってるのは僕」
『…え?』
「僕はずっと待ってるから」
どこへ行っても必ず帰ってきて。
囁いた瞬間、夢の中で感じた巨大な翼が音もなく開いて、自分と携帯で繋がった美並を全部包む込む。
『……きょう…すけ……』
「泣き虫、美並」
携帯の向こうで濡れた声に笑う。
『……きょう……』
「ずっと気づかなかったよ……ごめん」
だからもう。
「一人で泣かないで」
『……はい……』
途切れた電話。
応えない声。
いつかはその日が来るのだろう、それでも人は、誰かを必ず愛するのだから。
「美並」
携帯を握りしめて誓う。
「僕は手放さない」
目を閉じて祈る。
「僕は探し続ける」
目を開いて、光を見据える。
「君と歩く、僕の未来を」
だから。
どうか全部、そこで見ていて。
おわり
目覚めたのはベッド。
美並はいない。
そりゃ、そうだ、だって今日は。
枕元の携帯が鳴る、愛しい人の音色で。
「……おはよ?」
『起きてたの?』
「うん」
『今日ですね』
「今日だよ」
『……待ってます』
「……違うよ、美並」
微笑んで、髪の毛をかきあげた。
「待ってるのは僕」
『…え?』
「僕はずっと待ってるから」
どこへ行っても必ず帰ってきて。
囁いた瞬間、夢の中で感じた巨大な翼が音もなく開いて、自分と携帯で繋がった美並を全部包む込む。
『……きょう…すけ……』
「泣き虫、美並」
携帯の向こうで濡れた声に笑う。
『……きょう……』
「ずっと気づかなかったよ……ごめん」
だからもう。
「一人で泣かないで」
『……はい……』
途切れた電話。
応えない声。
いつかはその日が来るのだろう、それでも人は、誰かを必ず愛するのだから。
「美並」
携帯を握りしめて誓う。
「僕は手放さない」
目を閉じて祈る。
「僕は探し続ける」
目を開いて、光を見据える。
「君と歩く、僕の未来を」
だから。
どうか全部、そこで見ていて。
おわり
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