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『潮騒』
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知らない街を歩いてみない?
そう言い出したのは美並の方だ。
久しぶりに休みが重なって、京介も体を動かしたくなったから、二人で海沿いの街へ出かけた。
遠浅の海、秋だから、人影もまばらで。
「降りてみますか?」
美並が誘って、二人砂浜に降りる。
「何だか湿った感じ」
「夏に来ると違うかも知れませんね」
美並が笑って、じゃあ次は夏に来ようとすぐ決めた。
風が強くて、美並の髪が舞い上がる。
「ん、ん、ん」
少し眉を潜めて目を閉じた顔は切なげで、小さく唸る口元も危うげで。
「危ういのは僕なのかな」
「え?」
「何でもない」
首を振って手を伸ばす。指先に絡む熱を引き寄せる。
「美並、体が熱いけど」
「京介ほどじゃないですよ」
腕の中で見上げてくれる、瞳が甘くて誘われる。
「ん…」
唇を寄せていくと美並が小さく口を開いて迎えてくれた。
泣きそう、だめだよ美並、何て顔するの、その口に何を含ませたいかって、考えない男はいないでしょ。
合わせた口に潮の味がする。
抱き竦めて、それでも惑う。
このままここで暴かないのを褒めてほしい。
そう言い出したのは美並の方だ。
久しぶりに休みが重なって、京介も体を動かしたくなったから、二人で海沿いの街へ出かけた。
遠浅の海、秋だから、人影もまばらで。
「降りてみますか?」
美並が誘って、二人砂浜に降りる。
「何だか湿った感じ」
「夏に来ると違うかも知れませんね」
美並が笑って、じゃあ次は夏に来ようとすぐ決めた。
風が強くて、美並の髪が舞い上がる。
「ん、ん、ん」
少し眉を潜めて目を閉じた顔は切なげで、小さく唸る口元も危うげで。
「危ういのは僕なのかな」
「え?」
「何でもない」
首を振って手を伸ばす。指先に絡む熱を引き寄せる。
「美並、体が熱いけど」
「京介ほどじゃないですよ」
腕の中で見上げてくれる、瞳が甘くて誘われる。
「ん…」
唇を寄せていくと美並が小さく口を開いて迎えてくれた。
泣きそう、だめだよ美並、何て顔するの、その口に何を含ませたいかって、考えない男はいないでしょ。
合わせた口に潮の味がする。
抱き竦めて、それでも惑う。
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