『ラズーン』第五部

segakiyui

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4.『穴の老人』(ディスティヤト)(3)

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「……結局」
 その日の夜、ざわめく宿屋の食堂で遅い夕食を摂りながら、ユーノは溜め息をついた。
「たいしたことはわからなかったね」
「ああ」
 丸一日、アギャン分領地を歩き回ってみたものの、耳に入ってきたのは、アギャン公を最近見た者がほとんどいないこと、息子のグードスも『銅羽根』の長としてあちらこちらと動いており、領政に口を出すのは稀なこと、そして、どこから伝わってきたのか、ラズーンの崩壊が間近だとか、大きな戦が起こるかも知れないという不気味な噂。
 街が活気に溢れているように見えながら、その実、アギャン公分領地の辺境、灰色の泥土の地のように、どこか疲れたような倦怠と不安をたたえているのも、それらの落ち着かぬ噂のせいらしかった。
「でも」
 皿に盛られた湯気の上がる豆(イオプ)の煮物をスプーンで掬い上げ、口に運びながらユーノは眉を寄せた。
「それでもうんと賑やかだよね、宿に入るのもぎりぎりって感じだし」
「そう…ね。何かあるのかしら」
 アシャの口調が女言葉になったのに顔を上げると、いつの間にかすぐ側に宿の主人がやってきていた。小太りで人が良さそうな顔、茶色の短衣の上に白い上っ張りをつけ、頭頂部が薄くなった頭を振り振り,ユーノ達に交互に笑みかける。
「お酒は如何ですか。いい酒ですよ。家の年代物でね、特別にお分けしてもいい」
 上機嫌で話しかけてくる人なつこい表情、食堂の熱気のせいか、赤らんだ頬が余計に人が良さそうに見える。指先まで丸い手には、緑色の水差しが支えられている。片目をつぶって、
「ペスタ・コリカ・ネステート・ブルトンドの二樽目でね」
「もう結構」
 ユーノが応じるより早く、アシャが優雅に肩を竦めてみせる。
「すいぶん賑やかですのね」
 主人の視線を引きつけたまま、周囲の客を見回した。
「ああ……明後日が、アギャン公のお世継ぎ、カルキュイ様の即位式だからね。…式を見物にいらしたのではない?」
「もちろん、そのために参りましたの」
 意外そうな主人に頷き、アシャは卒なく笑み返す。
「けれど、私どもの家では日にちを誤って聞いていましたわ。明日と聞いていたものだから」
「最初の触れはそうだったね」
 主人は明るく笑った。
「カルキュイ様のお衣装が少し揃わなかったらしいよ。まあ、そんなに大きな問題でもなくて、明日にはきちんと揃うらしい」
「それはよかった…楽しみですわ。ところで、あの」
 アシャはほ、と小さく吐息をついた。
「街の賑わいに当てられたのか、疲れてしまいましたわ。そろそろ部屋で休みたいのですけど」
「はいはい、準備ならもう出来てるはずですよ。確かめておきましょう」
 主人は丸い体をぴょこぴょこと揺らせながら遠ざかる。
「……アシャってほんと詐欺師もやれるなあ」
「おい」
「褒めてるんだよ、うん、ほんと」
 じろりとこちらを睨んだ目にユーノは首を竦める。
「でも、世継ぎって言ったよね? アギャン公の息子って、グードス一人じゃなかったの?」
「それなんだが」
 わいわいと騒ぐ声や食器の触れ合う喧噪に消えないように、だが目立たぬように、アシャは眉をしかめて低く続けた。
「俺はカルキュイなんて聞いたことがないし、アギャン公が代を譲る話も聞かされていない」
「え?」
「妙なことになってきたな」
「……そうだね」
 ラズーンの外壁を守り内側を統べる四大公が、その統轄たる『太皇(スーグ)』に知らせずに代替わりをするなどあり得ないだろう。分領地の境を見張っている兵士のことを考えると、それはより一層物騒な意味を含んでいる。
「誰かが、この分領地を手に入れようとしている…?」
 呟くユーノの頭に消えたモス兵士が浮かぶ。
「何のために、は考えるまでもない、か」
 アシャの皮肉な微笑は赤い唇に殺気を漂わせる。
 正面切ってはやり合えない。だが、内側から一人また一人と大公を突き崩していけば、外壁は敵を弾き返す盾ではなく、援軍を求める味方を圧殺する囲いとなる。
「もうちょっと確実な証拠が欲しいな」
「アギャン公の屋敷そのものに潜入するか、それとも…」
「はい、お待ちどうさま!」
 大皿を掲げて側を通り過ぎた女に口を噤んだアシャに、ユーノは話題を変える。
「さっきはどうして、お酒を断ったの、姉さん」
「ああ、そうね」
 アシャが別口のうんざりした顔になった。
「ペスタ・コリカというのは『媚薬』の意味よ。ネステートは上流、ブルトンドはリュガの干物。平たく言えば、リュガの干物を香料と一緒に漬けたお酒ね。恋のまじないによく使うわよ」
「恋のまじない…」
「ったく、何を考えてるんだか」
 呆れたようなアシャの声に被せるように、
「お二方、もし、お二方!」
 飛び交う会話を擦り抜けて、主人が声をかけながら近づいてきた。
「お部屋のご用意が整いました!」
「じゃあ、休ませて頂きましょう」
「はい、姉さん」
 こちらです、となぜかさっきにも増してにこやかな主人が食堂横の階段を上り、二階の部屋へと二人を促す。やがて、
「さあどうぞ」
「ありがと……え…?」
 お礼をいいかけてユーノは固まった。
 示された部屋は思った以上に小綺麗に整えられている。正面に表の通りに面した窓、その右には書き物机と灯、小さな椅子が一脚。木の床にはざっくりと編まれた敷物が敷かれ、壁には同じような風合いの、ただしこちらは樹木の図柄を編み込んだ布が吊り下げられ、部屋を明るく見せている。
 だが、問題は左の壁に寄せておかれたベッドにあった。
「ベッドが一つっ?」
 思わず素っ頓狂な声を上げたユーノに、主人はにこにこと笑う。
「何しろ、お客が詰まっているものでね。ご姉妹なんだし、たまには一緒に眠られるのも風情がありますよ」
「一緒にって、ここで?」
 ユーノは改めてまじまじとベッドを見つめる。頑丈そうな木組みのベッド、確かにやや大きめで載せられたマットも二枚の上掛けも、こんな宿屋にしては十分ふっくらとして余裕がある。だが、いくら大きめとは言え、ユーノとアシャならどうしてもぴったりくっついて眠るしかないだろうし、シーツと同じく荒いざらしたカバーのかかった枕が二つ、無理矢理に並べられているのを見ると、ユーノは居たたまれなくなった。思わず顔を背けて、主人を振り向く。
「だってこれじゃ!」
「大丈夫、しっかりぎゅっとね、それで何とかなります、じゃあね、じゃあね」
 慌てて文句を言い立てようとしたユーノを有無を言わさず笑顔で封じ、主人は素早く部屋を滑り出て消えていってしまった。
「ちっ」
 アシャが忌々しげに舌打ちする。
「さっきの意趣返しか」
 とんだ喰わせ者だな。
 つまりは遠回しに今夜どうだいと誘いをかけた女が、すげなくさらりと断ったので、本当ならば二つベッドでそれぞれに休めるところを、理由をつけてベッド一つで窮屈に寝させよう、ということらしい。
「私、何とかもう一部屋、ううんっ、もう一ベッド頼んでみるっ」
「やめとけ」
 アシャが溜め息まじりにベッドに腰を落とした。
「もう一つベッドが欲しいなら自分のところにあるとか何とか、妙な誘いにすり替えるに決まってる。それに、あんまり騒いで怪しまれるのもまずい。目立つとこの後が動きにくくなるだろ」
「でも…」
「俺が床に寝る」
 言うが早いか、アシャは立ち上がって上掛けを一枚引きはがし、敷物の上へ投げ出した。
「でも、アシャ!」
 ユーノは慌てて首を振った。
「そんなの、疲れが取れないよ」
「俺のことより、自分の肩を気にしろ」
 有無を言わせぬ口調で返された。
「今夜だけでもいい、ちゃんとベッドに寝ておけ。俺はここで」
「もし」
「っ!」
 唐突に扉が開いて、ユーノとアシャは思わずことばを呑み込んだ。灯皿を手にした主人が部屋を覗き込み、訝しげに眉をひそめる。
「新しい灯皿を……おや……そんなところに上掛けが落ちてましたか?」
「え、いや、その…」
「汚れてしまったかな。ああいや、大丈夫そうだ、敷物の上でよかった」
 アシャが放り出した上掛けを拾い上げ、ことさら丁寧に見える仕草で埃を叩き落とし、ばさばさと振ってベッドに戻す。
「誠に相済みません、しかし、掛け物ももう予備がなくてね、申し訳ないがこれでお許しを。何なら宿代を少しお安くさせて頂きますから。それじゃあ、ごゆっくりお休み下さい」
 愛想良く笑って、何も気づかぬ顔で主人はとことこと部屋を出て行った。扉が閉まり、なおも待って、階段を下りる音がし始めてから、アシャがようよう溜め息を吐く。
「やれやれ」
 遠回しな嫌みたっぷりだな。
「だね。けど、とにかくアシャはこっちで寝てよ」
 今度はユーノが先に掛け物を剥ぎ取った。勢いよく床に放り出しながら、
「でないと、私が落ち着かないし、それに私はレノとかの背中で寝てたろ、どうせならこういうふかふかベッドよりは、いっそ床の方がいいんだって」
「待てよ、それなら」
「もしもし」
「!!」「っっ」
 今度は確かに、音もたてずにこっそりと開けられた扉から、あまりにも白々しい声と一緒に興味津々の主人の顔が突き出された。
「失礼しました、さっきの灯皿の横に……おや、また何か?」
 床に放り出された掛け物を間に睨み合うような二人を交互に眺める。
「どうしました、また掛け物が落ちてましたかな」
「え、いや」
「それが虫が」
 アシャがにっこりと笑って掛け物を拾い上げ、不安そうに掲げてみせる。
「妹が眠ろうとしたら、急に黒いものが走ったように見えて、ねえ?」
「そ、そうです、ええ」
 振り返るアシャにユーノも急いで頷く。
「虫かな、何か不気味な影が」
「ほう不気味な影」
「この子はこう見えても臆病で」
「さっき落ちた時に何かついたのかも知れませんな。階段のあたりで払ってきましょうか」
「いえ、もう大丈夫でしょう。お騒がせいたしました」
 警戒した顔で掛け物に手を伸ばそうとする主人に首を振り、アシャがしとやかに笑い返す。
「ところでご主人の方の御用は」
「いや、私としたことが、灯芯の予備をこちらに忘れていないかと思いましてね。ああどうやらここにはないようですね。失礼しました、どうぞごゆっくりお休み下さい、今度こそ、ごゆっくりね」
 頬笑み返した主人の目の奥に、今度は確実に疑いの光が浮かんだ。扉を閉め際にちらりとこちらへ視線を投げてくる目は、もう笑っていないようだ。遠ざかっていく足音、やがてさっきと同じく階段を一段また一段と降りて行く。
「まずいな」
 アシャが低く唸った。
「疑われたな」
「うん…」
 ベッドの上に投げ出された上掛けに、ユーノは渋々頷く。
「あの分じゃ、何やかやと理由をつけて、もう一回確かめに来かねない」
「そうだね」
「………仕方ない」
 吹っ切るように嘆息一つ、アシャは緩やかに瞳を動かし、ユーノを捉えた。
「一緒に寝るか」
「う…ん」
「先に入るぞ」
 ふ、と灯皿の明かりを吹き消したアシャの影が、外の宵闇に満ちる街の明かりに浮かぶ。さりげなく上着を脱いでベッドへ潜り込む姿にどきりとする。
 アシャの言い分はもっともだ。これ以上不審な動きをしては目立つし、一日あちこち聞き回って疲れてもいる。しっかり休んで力を蓄えておかなくてはならないだろう。
 しかたない。
 小さく溜め息をついて、ユーノもとりあえず上着を脱いだ。入り込んで身動きしないアシャの隣、掛け物を捲ってそっと滑り込む。
 入ってみるとベッドは予想以上に狭かった。上掛けこそ二枚あって取り合う必要はないが、体を触れ合うまいとすると、ベッドの端のぎりぎりのところで引っ掛かるように横になるしかない。
 すぐ側に柔らかな熱気を感じる。怪我をした時や身動き取れない時以外で、これほど近くに寄り添ったことは滅多にない。汗や埃ではなくて、どこか甘い温もりの匂いに無意識に引き寄せられそうになって、慌てて体を端へ引き寄せた瞬間、
「っ」
 失敗した。治り切っていない左肩をまともに圧迫するような形になって、痛みがみるみる広がってくる。
「ユーノ?」
「…」
「ばか、怪我を下にする奴があるか」
 体を竦めたユーノに気づいたアシャが、低い声で叱りながら手を伸ばしてユーノを抱き取った。くるりと向きを変えさせられる。まるで小さな子どものように、アシャの腕の中で一回転して、そのままアシャの胸に静かに深く抱き締められる。
「!」
 目を閉じた。ベッドの端で身を竦めて痛みを堪えて横になっているしかないと覚悟したのに、柔らかく温かく抱きとめられ受け止められる。瞬間どきりと弾けた鼓動が、そのまま走り出していくのかと思ったが。
「……」
 すう、と静かな吐息が髪をくすぐって、ユーノはおそるおそる目を開けた。向きを変えさせた瞬間は、ユーノをしっかり抱いていた腕が緩み、見上げるとアシャは目を閉じて安らかな寝息を立て始めている。
「…………」
 しばらく待ったが、アシャが目を覚ます気配はなかった。穏やかで優しい吐息がゆっくりとただ繰り返される。
「……なんだよ…」
 思わず小さく呟いてしまう。
「ばかはどっちだ」
(私がどんな気持ちかも知らないで)
 この一瞬に何を期待したか、きっとアシャは考えもつかないだろう。
 ずきりと痛んだのはきっと肩よりも心の方だ。この腕を求めてはいけない。この温もりを望んではいけない。ずっとそう言い聞かせて堪えてきた。それが目の前に差し出されても、やっぱりそこには何も無いのだ。
(姉さまのものなんだ)
 目を閉じ、深く胸の底にことばを吐く。
(この腕は、私のものじゃない。ただ今ちょっと借りているだけ、なんだ)
 それでも、いつの間にか左肩の痛みが消えていた。不安定で落ち着かなかった気持ちが静かに納まっていた。触れ合った部分は衣服を隔てていても、その内側の熱を伝えてくれる。きっと、互いに。
 けれど。
(アシャ…残酷だ)
 眉を寄せて唇を噛んだ。
 互いに熱を伝えていても、アシャは目覚めない。アシャからどんな動きがあるわけでもない。それはたった一つの厳しい現実を伝えてくる。
(こんなに温かくても、あなたは姉さまのものなんだね)
 優しいから、温かいから、錯覚してしまう、ユーノにも何か近づける術があるかのように。たくさんの可愛らしい少女には及ばなくとも、それでも自分に一瞬向けられる想いがあるのではないかと。
 アシャの寝息は乱れない。熱が籠ることもなく、心の揺らぎに速まることもない。
(こんな想いをするぐらいなら、やっぱり男に生まれた方がよかったな)
 かすかに微笑んだ。
(男なら、ずっとアシャについていける。姉さま達も護れる。きっとこんな想いもしなくて済む……どうして女になんか生まれちゃったのかな)
 男まさりの娘は幾人も居る。けれど、それらのどれほど勝ち気な娘でも備えている、最後の一線では心を震わせ手を伸ばし、庇いたくなるような何か、それを自分は失っている。ずっとそう思ってきた。
(慣れてるのにな……こんな想い…慣れているはずなのに)
 それでも時々、心の奥からこんな時に甦って、嵐のように魂を揺さぶり、胸を切なく苦く滲ませる。
(できそこない、なんだ……きっと)
 いつも必死に頑張っている。出来る事を出来る限り、伸ばせる限りの手を伸ばし。なのに、いつも何かが根本的に決定的に足りなくて、最後の瞬間、こうやって指の間から擦り抜け落ちる砂のように、願いがただの一粒も引き止め切れずに落ちていくのを、唇を噛んで見守っている。
(だって他にどうすれば良かった? 何ができた?)
 ユーノだって助かりたかった。救われたかった。
(けど……誰もいなかったんだ…)
 自分の他に、誰も。
 強く固く歯を噛み締めて丸くなったその瞬間、ふ、と再びアシャの寝息が髪を掠めた。
(アシャ…)
 繰り返し、吐息が髪に触れ続ける。ぼんやりとそれを感じているうちに、きりきりと捩じれていっていた心がゆっくりと緩むのを感じた。
(左肩は…痛くない……)
 体も寒くない。
 呼吸もできる。
「ふ…」
 空腹でもない。喉も乾いていない。周囲に刃があるわけでなく、今ユーノに望まれ求められているのは眠ることだけだ。
(あたたかい…)
 ほう、と息を吐いた。体から力が抜ける。
 アシャの腕に身を委ね、アシャの熱を受け入れ目を閉じていると、このままどこへとも知らぬ、けれどこのうえもなく優しい闇に溶けていきそうだ。
(うん……あたたかい)
 ユーノはその感覚を抱き締め味わった。
 四肢の先が熱にゆっくりと蕩けて、体の内へ内へと流れ込んでくる。やがて心の芯まで蕩けていって、うっとりと温かくどこか甘酸っぱい流れに変わっていく。
 それは今まで味わったことのない不思議な感覚だった。
 自分が、アシャが、ではなく、自分とアシャの境が薄まり消え去り解け合っていく。狭苦しいベッドに二人居るはずなのに、なぜだろう、体が自分の境界を越えてどんどん緩んでいくようだ。
 広がる。静かに穏やかに。
(きもち…いいな……)
 ユーノはいつの間にか深い眠りに誘い込まれていった。
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