【完結】異世界で子作りしないで帰る方法〈加筆修正版〉

夜霞

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働きたいです!・2

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「ユズ、あの……」 
「アズールスさん、すみません! 今は話したくないんです!」
柚子が部屋にこもってしばらくすると、アズールスがおずおずと声を掛けてきた。
けれども、ソファーで膝を抱えて泣いていた柚子は、鼻声になりながらアズールスを追い払ったのだった。
「ユズ、すまなかった。そういうつもりで言った訳じゃ無かったんだ」
「すみません。一人にして下さい……」
それでもアズールスは何か言っていたが、やがて諦めたように扉の前から立ち去ったのだった。

思い上がりだってわかってた。
勝手にアズールス達の一員になったつもりになっただけだって。
けれども、アズールスは柚子の事を「他人」として扱った。
「我が家」と柚子を切り離して話した。
アズールスの言う「我が家」の中に、柚子は入っていなかった。
それが柚子には思いの外、ショックだった。
(気持ちが通じ合ったと思ったのに……)
あの桃色の月の夜に、ようやくアズールスと気持ちを通わせられたと思った。
アズールスが守る「我が家」の一員になれたと思っていたのに……。

「はあ……」
すると、扉が音も無く控え目に開けられた。
恐る恐る顔を覗かせたのは、ファミリアだった。
「ユズ様、大丈夫? おばあちゃんが様子を見て来てって……」
「ファミリアちゃん……」
柚子が手招くと、ファミリアは恐る恐る入って来たのだった。
「おばあちゃんが心配してたよ。旦那様と喧嘩をしたのかって」
ファミリアは柚子が膝を抱えていたソファーまでやって来ると、心配そうに見つめてきた。
「ううん。大丈夫だよ。大した事じゃないの……」
「本当?」
「本当だよ。さあ、昨日の続きをやろうか?」
「うん!」
嬉しそうなファミリアに続きながら、柚子は部屋を出たのだった。

最近、柚子はファミリアの勉強を見てあげるようにしていた。
学校に通っていないファミリアだが、マルゲリタから簡単な読み書きは教わっていたらしい。
けれども、計算はあまり得意じゃないようで、紙に書いても間違えてしまう事が多々あった。
マルゲリタも、ファミリアにおつかいを頼むと、お釣りが合わない事が多々あると困っていた。
それで柚子はせめてもの恩返しとして、ファミリアの勉強を見てあげるようにしたのだった。
そうは言っても、柚子もあまり計算は得意ではないが。
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