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※初夜・1
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(どうしよう……緊張する……)
彼と真の夫婦となった日。
寝間着姿のアリーシャは、オルキデアの部屋のベットの上でじっと正座をしていた。
部屋の主はシャワーを浴びに、アリーシャと入れ違いに備え付けの浴室の中に消えて行った。
アリーシャは部屋の主に勧められるままに先にシャワーを浴びていたので、髪を乾かすと他にやることもなく、一足先に寝室で待っていたのだった。
「待っている間、好きに寛いでいていい」と言われたが、これまでと違ってそんなに悠長に寛ぐ余裕も無かった。
これから待ち受ける「コト」を考えると、緊張で心臓がバクバクと大きな音を立てていた。
(変な声を出して、粗相をしたらどうしよう……。嫌われちゃうかな……)
結婚した男女が何をするのかはーーいや、結婚しなくても、寝所で男女が何をするのかはアリーシャだって知っている。
こう見えて、娼婦街育ちで、子供の頃から娼館だって出入りしていたのだ。
母が死んで、父の遣いが迎えに来るまで、大人になったら、自分も娼婦になると思っていた。
自分より年上の娼婦街のお姉さんたちから、娼婦や娼館の話も聞いていたのだ。娼館に出入りする男性客たちと娼婦である母たちが、夜な夜な「ナニ」をしているのかも。
今更、緊張をするのもおかしいーー。
「ここに居たのか」
そう考えている間に、部屋の主であるオルキデアが戻ってきた。
いつになく整った様に見えるダークブラウン色の長めの髪と目鼻立ちの整った顔立ち。寝間着のシャツから僅かに見える胸元からは色気を発している様な気さえした。
これまで何度も見ているはずなのにいつも以上にオルキデアを意識してしまう。アリーシャは緊張から目を伏せてしまう。
「もう少し寛いでいるのかと思っていたが……」
「じゅ、充分、寛いでいます!」
声が裏返ってしまったが、オルキデアは「そうか」と納得しているようなので、気にしないことにした。
「始めるが、いいか?」
アリーシャがこくりと頷くと、オルキデアは室内の明かりを消す。
部屋履きを脱いだオルキデアが膝からベットに乗ると、ベットがギシッと音を立てる。その音に胸が大きな音を立てて、声を上げそうになってしまう。
外からの明かりを頼りに正座をしていたアリーシャの元までやって来たオルキデアだったが、アリーシャを見るとフッと口角を緩めたようだった。
「緊張しているのか?」
「はい……」
恥ずかしそうに頷くと、「俺もだ」と意外な答えが返ってくる。
「改めて、お前を前にして、柄にもなく緊張しているらしい」
「そうなんですか……? オルキデア様は慣れているとばかり思っていました」
「慣れている……誰から聞いた?」
「以前、上官さんがいらした時に、そんな話をされていましたよね。部屋まで聞こえていました」
先日、オルキデアの上官であるプロキオンが結婚祝いを持ってきた時に、二人がそんな話をしていたような気がした。
屋敷の中に居たアリーシャは途切れ途切れにしか聞いていなかったが、プロキオンがそんな事を話していた覚えがある。
「一夜以上の関係を持つ女性を見つけて良かったって、安心されていましたよね」
「そうだな……あの人の声は大きいから……」
小さく笑うアリーシャにオルキデアは呆れた様子を見せたが、すぐに何かを閃いたように口元を緩める。
「そんな悪いことを言う口には、お仕置きしないといけないな」
「おしお……」
「き?」と言う前に、アリーシャの口は塞がれていた。
両肩を掴まれて、オルキデアの唇に塞がれた状態で、何度も瞬きを繰り返す。
「ん……」
口の中にオルキデアの舌が入ってくる。
舌を絡め取られて交わっている内に、頭の中がぼうっとしてくる。
やがて息苦しくなってきて相手の胸元を軽く叩いて、離して欲しいと訴えるが、気づいているのかいないのか、真の夫となった愛する人はなかなか離してくれなかった。
「……っは!」
ようやく唇が離れたと思って小さく吐息を零すが、すぐに襟元を掴まれて、今度は寝間着のボタンを外されていく。
「ん? この下着は何だ?」
オルキデアの声でアリーシャも自分の身体を見下ろすと、寝間着の下から見えたのは、黒地に黒いレースと飾りに赤いリボンが付いた下着だった。
「いつもこんな派手な下着を着ていたのか?」
「いいえ。今日は『最初』なので」
膝下まで丈があるスカート状の寝間着を脱がされると、アリーシャは揃いの下着を身につけただけの姿となった。
「『最初』か」
「女性の『最初』って、特別な意味を持つんですよね? 娼婦街に住んでいた頃、娼婦のお姉さんたちが言っていました」
娼婦として、お客を迎える最初の夜。
娼婦デビューを飾る日に、自分の『最初』がいかに高く売れるかで、今後の娼婦としての人生が変わる。
女性の『最初』だけを好む客もいるようで、
それを買い漁るお客もいるそうだ。
彼女たちも『最初』を買ってくれた客には、派手な下着やサービスをすると聞いたことがあった。
彼と真の夫婦となった日。
寝間着姿のアリーシャは、オルキデアの部屋のベットの上でじっと正座をしていた。
部屋の主はシャワーを浴びに、アリーシャと入れ違いに備え付けの浴室の中に消えて行った。
アリーシャは部屋の主に勧められるままに先にシャワーを浴びていたので、髪を乾かすと他にやることもなく、一足先に寝室で待っていたのだった。
「待っている間、好きに寛いでいていい」と言われたが、これまでと違ってそんなに悠長に寛ぐ余裕も無かった。
これから待ち受ける「コト」を考えると、緊張で心臓がバクバクと大きな音を立てていた。
(変な声を出して、粗相をしたらどうしよう……。嫌われちゃうかな……)
結婚した男女が何をするのかはーーいや、結婚しなくても、寝所で男女が何をするのかはアリーシャだって知っている。
こう見えて、娼婦街育ちで、子供の頃から娼館だって出入りしていたのだ。
母が死んで、父の遣いが迎えに来るまで、大人になったら、自分も娼婦になると思っていた。
自分より年上の娼婦街のお姉さんたちから、娼婦や娼館の話も聞いていたのだ。娼館に出入りする男性客たちと娼婦である母たちが、夜な夜な「ナニ」をしているのかも。
今更、緊張をするのもおかしいーー。
「ここに居たのか」
そう考えている間に、部屋の主であるオルキデアが戻ってきた。
いつになく整った様に見えるダークブラウン色の長めの髪と目鼻立ちの整った顔立ち。寝間着のシャツから僅かに見える胸元からは色気を発している様な気さえした。
これまで何度も見ているはずなのにいつも以上にオルキデアを意識してしまう。アリーシャは緊張から目を伏せてしまう。
「もう少し寛いでいるのかと思っていたが……」
「じゅ、充分、寛いでいます!」
声が裏返ってしまったが、オルキデアは「そうか」と納得しているようなので、気にしないことにした。
「始めるが、いいか?」
アリーシャがこくりと頷くと、オルキデアは室内の明かりを消す。
部屋履きを脱いだオルキデアが膝からベットに乗ると、ベットがギシッと音を立てる。その音に胸が大きな音を立てて、声を上げそうになってしまう。
外からの明かりを頼りに正座をしていたアリーシャの元までやって来たオルキデアだったが、アリーシャを見るとフッと口角を緩めたようだった。
「緊張しているのか?」
「はい……」
恥ずかしそうに頷くと、「俺もだ」と意外な答えが返ってくる。
「改めて、お前を前にして、柄にもなく緊張しているらしい」
「そうなんですか……? オルキデア様は慣れているとばかり思っていました」
「慣れている……誰から聞いた?」
「以前、上官さんがいらした時に、そんな話をされていましたよね。部屋まで聞こえていました」
先日、オルキデアの上官であるプロキオンが結婚祝いを持ってきた時に、二人がそんな話をしていたような気がした。
屋敷の中に居たアリーシャは途切れ途切れにしか聞いていなかったが、プロキオンがそんな事を話していた覚えがある。
「一夜以上の関係を持つ女性を見つけて良かったって、安心されていましたよね」
「そうだな……あの人の声は大きいから……」
小さく笑うアリーシャにオルキデアは呆れた様子を見せたが、すぐに何かを閃いたように口元を緩める。
「そんな悪いことを言う口には、お仕置きしないといけないな」
「おしお……」
「き?」と言う前に、アリーシャの口は塞がれていた。
両肩を掴まれて、オルキデアの唇に塞がれた状態で、何度も瞬きを繰り返す。
「ん……」
口の中にオルキデアの舌が入ってくる。
舌を絡め取られて交わっている内に、頭の中がぼうっとしてくる。
やがて息苦しくなってきて相手の胸元を軽く叩いて、離して欲しいと訴えるが、気づいているのかいないのか、真の夫となった愛する人はなかなか離してくれなかった。
「……っは!」
ようやく唇が離れたと思って小さく吐息を零すが、すぐに襟元を掴まれて、今度は寝間着のボタンを外されていく。
「ん? この下着は何だ?」
オルキデアの声でアリーシャも自分の身体を見下ろすと、寝間着の下から見えたのは、黒地に黒いレースと飾りに赤いリボンが付いた下着だった。
「いつもこんな派手な下着を着ていたのか?」
「いいえ。今日は『最初』なので」
膝下まで丈があるスカート状の寝間着を脱がされると、アリーシャは揃いの下着を身につけただけの姿となった。
「『最初』か」
「女性の『最初』って、特別な意味を持つんですよね? 娼婦街に住んでいた頃、娼婦のお姉さんたちが言っていました」
娼婦として、お客を迎える最初の夜。
娼婦デビューを飾る日に、自分の『最初』がいかに高く売れるかで、今後の娼婦としての人生が変わる。
女性の『最初』だけを好む客もいるようで、
それを買い漁るお客もいるそうだ。
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