289 / 357
※爪の間・2
しおりを挟む
「ほら。服も脱いだだろう。先に入れ。雨も降って来たから、早くしないと風邪引くぞ」
そうして、オルキデアはアリーシャの髪を掻き分けると、首筋に口づけを落としてきた。
「ああっ!」
唇が触れた時に、アリーシャの身体がびくりと跳ねてしまう。
「なんだ。これだけで気持ちいいのか」
「く、くすぐったいだけです」
本当はほんの僅かに気持ち良くなってしまったのだが、恥ずかしさからそれを話すことも出来ず、アリーシャは内股になって、顔を真っ赤にすることしか出来なかった。
そんなアリーシャの様子から、オルキデアは気づいてしまったのか、満足そうに小さく笑い声を上げると、アリーシャの肩にタオルを掛けてくれた。
「まあ、いいさ。またすぐに気持ち良くなるだろう。俺もすぐ入る」
そうして、脱衣所を出て行ったのだった。
「んもぅ……!」
アリーシャは自分の顔が赤面していくのを感じながら、口づけられたところを押さえる。
(もう、オルキデア様ってば……!)
日に日に甘くなっていく夫が、嬉しいような、こそばゆいような気持ちになる。
そんなことを考えていると、雨が強くなったのか、脱衣所まで雨音が聞こえてきた。
心なしか、脱衣所の温度まで下がった気がして、アリーシャは身震いをした。
アリーシャは藤色の髪を纏めると、浴室に入ったのだった。
蛇口を捻り、壁に掛かっていたシャワーから熱い湯が出てくると、アリーシャはそれを持ち上げようとする。
けれども、シャワーを持ち上げたところで、手が滑ってしまい、音を立てて床に落ちたのだった。
「きゃ!」
床に落ちたシャワーから放水される湯が、壁に当たってアリーシャの顔に跳ねた。
手探りでシャワーを拾ったところで、慌てたように脱衣所からオルキデアが顔を覗かせたのだった。
「どうした!?」
シャツを脱いでいるところだったのか、ボタンは全て外され、中の素肌が見えていた。
アリーシャは瞬きを繰り返すと、首を振ったのだった。
「大丈夫です。シャワーを床に落としてしまっただけで……」
「そ、そうか。それなら良かった……」
どうして慌てているのか分からないまま、オルキデアは顔を引っ込めると、浴室の扉を閉めた。脱衣所からは服を脱いでいるのか、微かに衣擦れの音が聞こえてきた。
(シャワーを落としただけなのに、どうしたんだろう……?)
海から帰って来た時はいつも通りだった。気づかない内に何かしただろうか。
そんなことを考えていると、再び浴室の扉が開いて、腰にタオルを巻いたオルキデアが入ってきた。
オルキデアはアリーシャが持っていたシャワーを取り上げると、アリーシャの頭からシャワーを掛けてきたのだった。
「あっ!」
シャワーの衝撃で纏めていた髪が解けて、背中に落ちた。
ようやくシャワーが離れたと思うと、オルキデアは腰のタオルを外して、自分の頭と身体にシャワーを傾けると、湯を掛けていたのだった。
「もう、せっかく乾かしたばかりなのに……」
アリーシャが不満を漏らしながら、髪を絞って水気を払っていると、オルキデアに肩を掴まれた。
オルキデアはシャワーを壁に掛けると、アリーシャを抱きしめてきたのだった。
「あの……」
オルキデアの大きな胸板が顔に当たり、背中にはシャワーから放たれる湯が絶え間なく掛かっていた。
顔を上げると、彼の身体や髪から落ちてきた雫が、雨の様にアリーシャの頬や髪に降り注いできたのだった。
「急にどうしたんですか?」
いつになく不安そうなオルキデアに、アリーシャが恐る恐る尋ねると、腰と後頭部を押さえつけられた。
「……いや、なんでもない」
そう言いつつも、どこか覇気のない声に不安になる。
「でも……」
そう言ったところで、腰に回していたオルキデアの手が下へと降りていった。
尻に触れたかと思うと、愛撫されたのだった。
そうして、オルキデアはアリーシャの髪を掻き分けると、首筋に口づけを落としてきた。
「ああっ!」
唇が触れた時に、アリーシャの身体がびくりと跳ねてしまう。
「なんだ。これだけで気持ちいいのか」
「く、くすぐったいだけです」
本当はほんの僅かに気持ち良くなってしまったのだが、恥ずかしさからそれを話すことも出来ず、アリーシャは内股になって、顔を真っ赤にすることしか出来なかった。
そんなアリーシャの様子から、オルキデアは気づいてしまったのか、満足そうに小さく笑い声を上げると、アリーシャの肩にタオルを掛けてくれた。
「まあ、いいさ。またすぐに気持ち良くなるだろう。俺もすぐ入る」
そうして、脱衣所を出て行ったのだった。
「んもぅ……!」
アリーシャは自分の顔が赤面していくのを感じながら、口づけられたところを押さえる。
(もう、オルキデア様ってば……!)
日に日に甘くなっていく夫が、嬉しいような、こそばゆいような気持ちになる。
そんなことを考えていると、雨が強くなったのか、脱衣所まで雨音が聞こえてきた。
心なしか、脱衣所の温度まで下がった気がして、アリーシャは身震いをした。
アリーシャは藤色の髪を纏めると、浴室に入ったのだった。
蛇口を捻り、壁に掛かっていたシャワーから熱い湯が出てくると、アリーシャはそれを持ち上げようとする。
けれども、シャワーを持ち上げたところで、手が滑ってしまい、音を立てて床に落ちたのだった。
「きゃ!」
床に落ちたシャワーから放水される湯が、壁に当たってアリーシャの顔に跳ねた。
手探りでシャワーを拾ったところで、慌てたように脱衣所からオルキデアが顔を覗かせたのだった。
「どうした!?」
シャツを脱いでいるところだったのか、ボタンは全て外され、中の素肌が見えていた。
アリーシャは瞬きを繰り返すと、首を振ったのだった。
「大丈夫です。シャワーを床に落としてしまっただけで……」
「そ、そうか。それなら良かった……」
どうして慌てているのか分からないまま、オルキデアは顔を引っ込めると、浴室の扉を閉めた。脱衣所からは服を脱いでいるのか、微かに衣擦れの音が聞こえてきた。
(シャワーを落としただけなのに、どうしたんだろう……?)
海から帰って来た時はいつも通りだった。気づかない内に何かしただろうか。
そんなことを考えていると、再び浴室の扉が開いて、腰にタオルを巻いたオルキデアが入ってきた。
オルキデアはアリーシャが持っていたシャワーを取り上げると、アリーシャの頭からシャワーを掛けてきたのだった。
「あっ!」
シャワーの衝撃で纏めていた髪が解けて、背中に落ちた。
ようやくシャワーが離れたと思うと、オルキデアは腰のタオルを外して、自分の頭と身体にシャワーを傾けると、湯を掛けていたのだった。
「もう、せっかく乾かしたばかりなのに……」
アリーシャが不満を漏らしながら、髪を絞って水気を払っていると、オルキデアに肩を掴まれた。
オルキデアはシャワーを壁に掛けると、アリーシャを抱きしめてきたのだった。
「あの……」
オルキデアの大きな胸板が顔に当たり、背中にはシャワーから放たれる湯が絶え間なく掛かっていた。
顔を上げると、彼の身体や髪から落ちてきた雫が、雨の様にアリーシャの頬や髪に降り注いできたのだった。
「急にどうしたんですか?」
いつになく不安そうなオルキデアに、アリーシャが恐る恐る尋ねると、腰と後頭部を押さえつけられた。
「……いや、なんでもない」
そう言いつつも、どこか覇気のない声に不安になる。
「でも……」
そう言ったところで、腰に回していたオルキデアの手が下へと降りていった。
尻に触れたかと思うと、愛撫されたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる