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決意・2
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やり残した屋敷のことーー主に掃除と洗濯物の取り込みだった。をやろうとするも、先程のアリーシャの顔が頭から離れなかった。
辛そうな様子を見せながらも、オルキデアに心配を掛けないように小さく微笑んでいた。
そんな顔をさせるために、結婚した訳ではないのにーー。
ようやく国や家から解放されて、本来の彼女らしさを取り戻してきたところだった。
そんな彼女に惹かれて好きになったからこそ、結婚を申し込んだ。
この国で、自分の近くで、今度こそ彼女らしく生きて欲しかった。
大輪の花の様な微笑みを見せて、オルキデアを魅了して欲しかった。
そうならなかったのも、それもこれも全てーー。
(俺が悪いのか)
洗濯物を取り込みに屋敷の裏に行こうと、籠を持った状態でオルキデアは足を止めてしまう。
自分がありもしない自供をしないから、アリーシャが狙われている。
そうなったのも、母のティシュトリアが関係を持っていた敵国の元高級士官のせい。
もしかしたら、オルキデアがティシュトリアの情状酌量を申し出たのが不服だったのかもしれない。
オルキデアの早すぎる昇進に嫉妬した者が、この気に乗じて貶めようとしている可能性もある。
(俺と一緒に居るから、アリーシャは傷つくのか)
そんなはずはない。そんなはずはーーと考えて、また歩き出す。
けれども、その考えはすぐに打ち砕かれることとなる。
屋敷裏に足を踏み入れたオルキデアは驚愕して立ち止める。
籠を落とすと、干していたはずの洗濯物に駆け寄ったのだった。
「これは……どういうことだ!?」
アリーシャが干したはずの洗濯物は全て汚されて、地面に落ちていた。
その周辺にはアリーシャが話していた生ゴミを始めとする可燃ゴミや煙草の吸い殻が散らばっていたのだった。
「いったいどこから……!?」
辺りを見渡すと、屋敷裏の側にある道路に面した裏門の鍵が壊されていた。この屋敷に住み始めた頃に、鍵を最新式の物に替えたばかりだったので老朽化が原因ではない。犯人たちが壊したのだろう。
おそらくここから敷地内に侵入して、洗濯物を汚して、ゴミを投げ入れた。窓ガラスを割ったという投石もここからしたに違いない。
洗濯物を集めたオルキデアは、次いでゴミを集めようとしたが、箒とちりとりが見当たらなかった。
先程、銃声を聞きつけたアリーシャが持っており、そのまま屋敷の玄関前に置いたままだったと思い出す。
屋敷の玄関前に向かうと、オルキデアたちが目を離した隙に、犯人たちによって箒とちりとりは倒されて、中に入れていたゴミが庭に撒かれていた。
更には、庭の花壇は荒らされており、メイソンだけではなく、アリーシャが大切に育てていた花々やハーブ類の植木鉢までひっくり返されていた。
そんな無残に散らされた草花を前に、オルキデアは怒りと悲しみが混ざり合った感情になったのだった。
(こんな惨状を知ったら、アリーシャは……!)
心優しい彼女のことだ。大切に育てていた花々やハーブが荒らされている様子を見て、ますます心を痛めるに違いない。
こうなってしまったのも、全ては――。
(やはり、俺のせいなのか)
顔を歪めて、唇を引き結ぶ。今が夕闇に包まれていて良かった。
これなら、明日の朝、アリーシャが起き出す前に全て片付けられるだろう。
先程、汚されていた洗濯物をもう一度洗濯機に突っ込むと、その間に庭を片付けてしまう。
懐中電灯の明かりを頼りに割れた植木鉢と散らされた花を集めてゴミ袋に入れる。
その間も虚しさは消えることはなく、ただただ苦い思いだけが胸の中に沈殿していった。
片付けが終わったのは、夜半も過ぎた頃。
その頃には、オルキデアも覚悟を決めたのだった。
辛そうな様子を見せながらも、オルキデアに心配を掛けないように小さく微笑んでいた。
そんな顔をさせるために、結婚した訳ではないのにーー。
ようやく国や家から解放されて、本来の彼女らしさを取り戻してきたところだった。
そんな彼女に惹かれて好きになったからこそ、結婚を申し込んだ。
この国で、自分の近くで、今度こそ彼女らしく生きて欲しかった。
大輪の花の様な微笑みを見せて、オルキデアを魅了して欲しかった。
そうならなかったのも、それもこれも全てーー。
(俺が悪いのか)
洗濯物を取り込みに屋敷の裏に行こうと、籠を持った状態でオルキデアは足を止めてしまう。
自分がありもしない自供をしないから、アリーシャが狙われている。
そうなったのも、母のティシュトリアが関係を持っていた敵国の元高級士官のせい。
もしかしたら、オルキデアがティシュトリアの情状酌量を申し出たのが不服だったのかもしれない。
オルキデアの早すぎる昇進に嫉妬した者が、この気に乗じて貶めようとしている可能性もある。
(俺と一緒に居るから、アリーシャは傷つくのか)
そんなはずはない。そんなはずはーーと考えて、また歩き出す。
けれども、その考えはすぐに打ち砕かれることとなる。
屋敷裏に足を踏み入れたオルキデアは驚愕して立ち止める。
籠を落とすと、干していたはずの洗濯物に駆け寄ったのだった。
「これは……どういうことだ!?」
アリーシャが干したはずの洗濯物は全て汚されて、地面に落ちていた。
その周辺にはアリーシャが話していた生ゴミを始めとする可燃ゴミや煙草の吸い殻が散らばっていたのだった。
「いったいどこから……!?」
辺りを見渡すと、屋敷裏の側にある道路に面した裏門の鍵が壊されていた。この屋敷に住み始めた頃に、鍵を最新式の物に替えたばかりだったので老朽化が原因ではない。犯人たちが壊したのだろう。
おそらくここから敷地内に侵入して、洗濯物を汚して、ゴミを投げ入れた。窓ガラスを割ったという投石もここからしたに違いない。
洗濯物を集めたオルキデアは、次いでゴミを集めようとしたが、箒とちりとりが見当たらなかった。
先程、銃声を聞きつけたアリーシャが持っており、そのまま屋敷の玄関前に置いたままだったと思い出す。
屋敷の玄関前に向かうと、オルキデアたちが目を離した隙に、犯人たちによって箒とちりとりは倒されて、中に入れていたゴミが庭に撒かれていた。
更には、庭の花壇は荒らされており、メイソンだけではなく、アリーシャが大切に育てていた花々やハーブ類の植木鉢までひっくり返されていた。
そんな無残に散らされた草花を前に、オルキデアは怒りと悲しみが混ざり合った感情になったのだった。
(こんな惨状を知ったら、アリーシャは……!)
心優しい彼女のことだ。大切に育てていた花々やハーブが荒らされている様子を見て、ますます心を痛めるに違いない。
こうなってしまったのも、全ては――。
(やはり、俺のせいなのか)
顔を歪めて、唇を引き結ぶ。今が夕闇に包まれていて良かった。
これなら、明日の朝、アリーシャが起き出す前に全て片付けられるだろう。
先程、汚されていた洗濯物をもう一度洗濯機に突っ込むと、その間に庭を片付けてしまう。
懐中電灯の明かりを頼りに割れた植木鉢と散らされた花を集めてゴミ袋に入れる。
その間も虚しさは消えることはなく、ただただ苦い思いだけが胸の中に沈殿していった。
片付けが終わったのは、夜半も過ぎた頃。
その頃には、オルキデアも覚悟を決めたのだった。
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