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第一部
甘く輝く・下【4】
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モニカがそう言うと、すぐにマキウスはネックレスを手に取って店員に渡したのだった。
「これを購入します」
店員は受け取ると、「ありがとうございます」とレジに向かって行った。
その後に続こうとするマキウスの腕をモニカは引いた。
「マキウス様、あの、お金は……?」
「持っています」
マキウスはズボンのポケットから、財布を取り出した。どこかで見たことのある様な、黒い革の長財布であった。
少しして、それが御國だった頃にマキウスと同年代くらいの職場の男性が使っていたものと同じものだと気づく。
「先程、モニカが支払いをしている間に、持っていることに気付いたんです」
「どうして、急に……」
「私が欲しいと願ったからでしょうか。好きな女性に支払ってもらうなど、男として恥ずかしいので」
そうして、マキウスは「勿論、中身も確認済みです」と付け加えると、店員が待つレジに向かったのだった。
(好きな女性って……)
気のせいだろうか。
夢の中のマキウスは、普段よりも饒舌だった。
何度もモニカを「好き」と言い、紅茶の苦味が苦手だと自身の話をしてくれた。
さらに、モニカが欲しいと言ったプレゼントまで購入してくれた。
もしかしたら、あのマキウスは、モニカの理想の夫の姿なのだろうか。
優しく、頼りになり、甘い言葉を囁き、贈り物をしてくれる。
いつもなら、ニコラにしか向けない満面の笑みまで向けてくれた。
夢の中だけにきっと夢を見ているのだと、そう自分に言い聞かせる。
マキウス本人は「夢じゃない」と言っていたが、マキウスがあんなに甘く、年相応な顔を見せる訳がない。
結婚だって、レコウユスとガランツスの両国の為であって、モニカが好きだから結婚してくれた訳じゃない。
ニコラが生まれたから、その責任を取る為というのもあるのかもしれない。
マキウスによると、マキウス自身に一因があるらしい。
姉弟が和解した日、モニカに「好き」と言ってくれたのも、先に「好き」と言ったモニカに付き合ってくれただけ。
夢から覚めたら、いつものマキウスに戻る。付かず離れずの夫婦関係に戻るのだ。
何も期待してはいけない。何もーー。
そう考えていると、レジに向かったはずのマキウスが慌てて戻ってきた。
どうしたのだろうと思っていると、モニカの前で立ち止まったマキウスは、膝を曲げて、身を屈めた。
そうして、モニカの耳元で囁いたのだった。
「モニカ、どの紙幣を出したらいいのでしょうか……? 何種類かあるので、どれを出したらいいかわかりません……」
マキウスの財布を見せてもらうと、千円札から一万円札まで数枚の紙幣が入っていた。
「あ、それなら、この一万円札を出せば大丈夫です。お釣りが出るはずなので……」
「私では分かりかねます。貴女も一緒に来て下さい」
マキウスに腕を引かれたモニカは、その後に続いてレジに向かうことしか出来なかったのだった
「これを購入します」
店員は受け取ると、「ありがとうございます」とレジに向かって行った。
その後に続こうとするマキウスの腕をモニカは引いた。
「マキウス様、あの、お金は……?」
「持っています」
マキウスはズボンのポケットから、財布を取り出した。どこかで見たことのある様な、黒い革の長財布であった。
少しして、それが御國だった頃にマキウスと同年代くらいの職場の男性が使っていたものと同じものだと気づく。
「先程、モニカが支払いをしている間に、持っていることに気付いたんです」
「どうして、急に……」
「私が欲しいと願ったからでしょうか。好きな女性に支払ってもらうなど、男として恥ずかしいので」
そうして、マキウスは「勿論、中身も確認済みです」と付け加えると、店員が待つレジに向かったのだった。
(好きな女性って……)
気のせいだろうか。
夢の中のマキウスは、普段よりも饒舌だった。
何度もモニカを「好き」と言い、紅茶の苦味が苦手だと自身の話をしてくれた。
さらに、モニカが欲しいと言ったプレゼントまで購入してくれた。
もしかしたら、あのマキウスは、モニカの理想の夫の姿なのだろうか。
優しく、頼りになり、甘い言葉を囁き、贈り物をしてくれる。
いつもなら、ニコラにしか向けない満面の笑みまで向けてくれた。
夢の中だけにきっと夢を見ているのだと、そう自分に言い聞かせる。
マキウス本人は「夢じゃない」と言っていたが、マキウスがあんなに甘く、年相応な顔を見せる訳がない。
結婚だって、レコウユスとガランツスの両国の為であって、モニカが好きだから結婚してくれた訳じゃない。
ニコラが生まれたから、その責任を取る為というのもあるのかもしれない。
マキウスによると、マキウス自身に一因があるらしい。
姉弟が和解した日、モニカに「好き」と言ってくれたのも、先に「好き」と言ったモニカに付き合ってくれただけ。
夢から覚めたら、いつものマキウスに戻る。付かず離れずの夫婦関係に戻るのだ。
何も期待してはいけない。何もーー。
そう考えていると、レジに向かったはずのマキウスが慌てて戻ってきた。
どうしたのだろうと思っていると、モニカの前で立ち止まったマキウスは、膝を曲げて、身を屈めた。
そうして、モニカの耳元で囁いたのだった。
「モニカ、どの紙幣を出したらいいのでしょうか……? 何種類かあるので、どれを出したらいいかわかりません……」
マキウスの財布を見せてもらうと、千円札から一万円札まで数枚の紙幣が入っていた。
「あ、それなら、この一万円札を出せば大丈夫です。お釣りが出るはずなので……」
「私では分かりかねます。貴女も一緒に来て下さい」
マキウスに腕を引かれたモニカは、その後に続いてレジに向かうことしか出来なかったのだった
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