【第一部完結・改稿版】ハージェント家の天使

夜霞

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第一部

★流星群と明かされた過去・下【8】

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「あの、何を……?」
「こうなるとコルセットが邪魔ですね」

 マキウスはドレスの肩の辺りを掴むと、そっと下に引っ張る。ボタンを外されたドレスは、呆気なくモニカの肩から落ちていき、白い肩とコルセットを剥き出しにした。

「マキウス様……?」

 外気にさらされた肩を両腕で抱きしめていると、マキウスが身を寄せてくる。
 モニカに抱きつくようにして、背中に腕を回したマキウスは、時折、背中を覗き込みながら、慣れた手つきでコルセットの紐を解いていく。
 そこでようやく何をされるのか気づいたモニカは、顔を赤面させたのだった。

「ま、まさか……ここでやるんですか!?」
「今度からコルセットは身に付けさせないように使用人たちに言いましょう。子供の頃、姉上にコルセットの紐を外す様に度々きょうはーー頼まれたことが多々あったので脱がし方は知っていましたが、こういう時は時間が惜しく感じられます。ニコラに乳を与える時、着脱が大変ではないですか?」
「外出すると聞いたので紐型のコルセットにしましたが、普段は着脱しやすいボタン型のコルセットを身に付けているので……って。そうじゃなくて、誰が見ているかわからないのに外でやるんですか……!?」
「私たち以外誰もいないので気にすることはないでしょう。貴女は初めての様なので、手加減はするつもりです」

 あまりきつくコルセットの紐を結んでしまうと、乳腺の発達や血流を悪くするとアマンテに教わってからは、モニカだけでなく、着替えを手伝ってくれるティカたちも、紐型コルセットの紐は緩く結ぶようになった。
 そんな緩く結ばれていたコルセットの紐がマキウスの手で解かれると、そっと脱がされてモニカの傍らに置かれた。
 そして剥き出しになった豊満なモニカの胸の頂に、マキウスはそっと舌を這わせたのだった。

「ひゃ!?」

 ニコラに授乳している時とはまた違う感触に声を漏らしてしまう。

「これなら、あの下衆に触られた感触を消せるでしょう」
「あ……そういうことだったんですね……」

 どうやらモニカが男子学生に触れられた後、血が出るまでタオルで擦った話を気にしてくれていたらしい。
 それが嬉しい様な、恥ずかしい様な、複雑な気持ちになる。

「また下衆に触られた時を思い出して胸を擦りたくならない様に、私が上書きしましょう。これからは私が触れた感触だけを覚えていて下さい」
「マキウス様に触れられた感触だけ……」
「と、格好をつけて言いましたが、本当はニコラが羨ましかっただけなんです。本当は私もこうして貴女の胸を味わってみたかっただけです」
「娘に嫉妬しないで下さい……」

 モニカが言っている間も、マキウスは順繰りに両方の胸の頂に舌を這わせた。
 男子学生に揉まれたことを忘れてしまうくらいに、マキウスが這わせた舌の感触が忘れられなかった。
 マキウスは頂を口に含めると、飴を舐める様に舌を使って口の中で舐め出した。
 クチュと音を立てて舐められている内に、やがて頭の中が惚けてきた。
 これを快楽というのだろうか。モニカには初めての経験であった。

「モニカ、大丈夫ですか?」
「は、はい……。すみません。初めてのことだったので、どうしていいか分からなくて……」

 モニカが呆然としていたからだろうか。
 胸の頂から口を離したマキウスが心配そうに、顔を覗き込んできた。

「そうでしたね。これ以上はまたいずれやりましょう。またいずれ、近いうちにでも……」

 まだ頭がぼうっとしているモニカに代わって、マキウスは元通りにコルセットを付けてくれると、手を貸してドレスを着せてくれた。
 そうしてモニカの手を引っ張ると、身体を起こしてくれたのだった。

 その間も星屑を散りばめた空を絶え間なく流星群が流れていたが、モニカの目には金の髪についた草を払ってくれるマキウスの姿しか写っていなかった。

 それに気づいたモニカは「フフフ」と笑ったのだった。

「私たち流星群を見に来たのに、何をしているのでしょうか?」

 モニカの言葉に髪から手を離したマキウスも頷いた。

「そうですね。流星群を見るどころか、すっかり話し込んでしまいました。続きは屋敷に戻って見ますか?」
「はい!」
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