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第一部
★介添え【10】
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浴室から出ると、二人分の新しいバスタオルと共に白いバスローブが二着用意されていた。
沐浴をしている間に、使用人が用意してくれたのだろうか。
(バスローブなんて、これまで着たことないから着方が分からない……)
バスタオルを肩に掛けた後に、ふと気になって辺りを探す。
いつもなら、替えの下着とネグリジェが用意されているが、今日はそれが見当たらなかった。
念のため、先程まで着ていたドレスや下着を入れていた籠も確認したが、そちらは既に回収していったのか、籠の中は空っぽであった。
ドレスを脱いでいる時は、替えの下着とネグリジェが置いてあったが、脱いだ服と一緒に間違えて回収されてしまったのだろうか。
「下着も沐浴に入る前は、置いてあったのにどうして……?」
モニカが呟いた時、浴室の扉が開いて、腰にタオルを巻いたマキウスが出て来た。
モニカが肩にバスタオルを掛けた状態で立ち尽くしているのを見ると、マキウスは目を剥いて近寄って来たのだった。
「風邪を引きますよ。早く身体を拭いて下さい」
自分も濡れている中、マキウスはもう一枚のバスタオルでモニカの髪を拭いて、身体を拭いてくれる。
力強く拭いてくれるマキウスに負けないように、モニカは声を張り上げたのだった。
「替えの下着とネグリジェが見当たらないんです。バスローブも着たことがないから、着方が分からなくて……」
「私を待っていてくれた訳じゃないんですね……」
マキウスは不服そうに口を尖らせたようだが、モニカの身体を拭きながら説明してくれた。
「替えの服なら、使用人に命じて下げさせました。今夜は必要ないので」
「必要ないって、どういうことですか?」
「沐浴の前にも話した通り、私の愛おしい『天使』を目の前にして、気持ちを止められそうにありません。今夜から少しずつ慣れていきましょう」
肩に掛けていたバスタオルを外し、バスローブを着せてくれながら「私に触れられるのは平気なんですよね?」と再確認される。
モニカが頷くと、マキウスは満足そうな笑みを浮かべたのだった。
「だからって、今日からやるんですか……」
「なんでも早い方がいいんです。私も身体を拭くので、少しだけ待って下さい」
手早く自分の身体と髪を拭いたマキウスだったが、白に近い灰色の長い髪からは、絶えなく雫が落ちていた。
バスローブを着ている間に、モニカは自分が使っていたバスタオルを持つと、邪魔にならないように、そっと灰色の髪を拭いたのだった。
「モニカ?」
不思議そうに振り返ったマキウスに、モニカは小さく微笑む。
「マキウス様も風邪を引きますよ」
「全く……」
どこか照れているように見えたのは気のせいだろうか。何も言わなかったので、そのままマキウスの長い髪を拭き続ける。
さすがに身長差があるので頭には手が届かなかったが、マキウスが背を向けてバスローブを着ている間、毛先を中心に拭いていったのだった。
沐浴をしている間に、使用人が用意してくれたのだろうか。
(バスローブなんて、これまで着たことないから着方が分からない……)
バスタオルを肩に掛けた後に、ふと気になって辺りを探す。
いつもなら、替えの下着とネグリジェが用意されているが、今日はそれが見当たらなかった。
念のため、先程まで着ていたドレスや下着を入れていた籠も確認したが、そちらは既に回収していったのか、籠の中は空っぽであった。
ドレスを脱いでいる時は、替えの下着とネグリジェが置いてあったが、脱いだ服と一緒に間違えて回収されてしまったのだろうか。
「下着も沐浴に入る前は、置いてあったのにどうして……?」
モニカが呟いた時、浴室の扉が開いて、腰にタオルを巻いたマキウスが出て来た。
モニカが肩にバスタオルを掛けた状態で立ち尽くしているのを見ると、マキウスは目を剥いて近寄って来たのだった。
「風邪を引きますよ。早く身体を拭いて下さい」
自分も濡れている中、マキウスはもう一枚のバスタオルでモニカの髪を拭いて、身体を拭いてくれる。
力強く拭いてくれるマキウスに負けないように、モニカは声を張り上げたのだった。
「替えの下着とネグリジェが見当たらないんです。バスローブも着たことがないから、着方が分からなくて……」
「私を待っていてくれた訳じゃないんですね……」
マキウスは不服そうに口を尖らせたようだが、モニカの身体を拭きながら説明してくれた。
「替えの服なら、使用人に命じて下げさせました。今夜は必要ないので」
「必要ないって、どういうことですか?」
「沐浴の前にも話した通り、私の愛おしい『天使』を目の前にして、気持ちを止められそうにありません。今夜から少しずつ慣れていきましょう」
肩に掛けていたバスタオルを外し、バスローブを着せてくれながら「私に触れられるのは平気なんですよね?」と再確認される。
モニカが頷くと、マキウスは満足そうな笑みを浮かべたのだった。
「だからって、今日からやるんですか……」
「なんでも早い方がいいんです。私も身体を拭くので、少しだけ待って下さい」
手早く自分の身体と髪を拭いたマキウスだったが、白に近い灰色の長い髪からは、絶えなく雫が落ちていた。
バスローブを着ている間に、モニカは自分が使っていたバスタオルを持つと、邪魔にならないように、そっと灰色の髪を拭いたのだった。
「モニカ?」
不思議そうに振り返ったマキウスに、モニカは小さく微笑む。
「マキウス様も風邪を引きますよ」
「全く……」
どこか照れているように見えたのは気のせいだろうか。何も言わなかったので、そのままマキウスの長い髪を拭き続ける。
さすがに身長差があるので頭には手が届かなかったが、マキウスが背を向けてバスローブを着ている間、毛先を中心に拭いていったのだった。
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