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第一部
★一線を越えて【1】
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寝室に入ると、マキウスはそっとモニカをベッドの上に降ろしてくれた。
モニカがベッドの上で身を起している間に、マキウスは明かりを点けてくれたのだった。
部屋の中が明るくなると、 寝室のソファー近くに布が掛かった見慣れぬ縦長の置物が増えていた。
先程、執事とマキウスが「手配していたものを運び込んだ」と言っていたが、これのことだったのだろうか。
ベッドから降りて近づいていくと、それに気づいたマキウスが教えてくれたのだった。
「以前から、ペルラを通じてティカに言われていたものです。貴女が昼間使っている部屋にも、同じものを置いたので使って下さい」
「一体、何を……」
「それより先に髪を乾かしてしまいましょう。さあ、こっちに来て下さい」
モニカがソファーに座ると、マキウスは用意されていたタオルーーおそらく、二人で沐浴している間にティカが用意してくれたのだろう。で丁寧に髪を拭いてくれた。
その丁寧な手つきが、まるで母親に髪を拭かれている時と同じ安心感を与えてくれるようで、マキウスにされるがままになっていた。
髪を拭き終わり、マキウスがまとめていた自分の髪を解いて、白に近い灰色の髪を拭いている間に、モニカは先程から気になっていた布が掛かった置物に近づいて行ったのだった。
(何を用意してくれたんだろう……)
ティカが希望したらしいが、特にモニカは不足している物があるとは思っていなかった。
普段、モニカが使っている部屋には大概の物が揃っており、日用品も足りなければティカたちが用意してくれた。
だからこそ、改めて用意してもらう物はないと思っていたが……。
モニカが置物に掛けられていた布を捲ると、表面がキラリと光り、そこに人影が映っていた。
「あっ……」
思わず、持っていた布を落としてしまう。
そこには白いバスローブを身に纏い、金の髪を背中に垂らしたモニカの全身が映っていた。
鏡の中のモニカは青い目を大きく見開いていたのだった。
モニカがベッドの上で身を起している間に、マキウスは明かりを点けてくれたのだった。
部屋の中が明るくなると、 寝室のソファー近くに布が掛かった見慣れぬ縦長の置物が増えていた。
先程、執事とマキウスが「手配していたものを運び込んだ」と言っていたが、これのことだったのだろうか。
ベッドから降りて近づいていくと、それに気づいたマキウスが教えてくれたのだった。
「以前から、ペルラを通じてティカに言われていたものです。貴女が昼間使っている部屋にも、同じものを置いたので使って下さい」
「一体、何を……」
「それより先に髪を乾かしてしまいましょう。さあ、こっちに来て下さい」
モニカがソファーに座ると、マキウスは用意されていたタオルーーおそらく、二人で沐浴している間にティカが用意してくれたのだろう。で丁寧に髪を拭いてくれた。
その丁寧な手つきが、まるで母親に髪を拭かれている時と同じ安心感を与えてくれるようで、マキウスにされるがままになっていた。
髪を拭き終わり、マキウスがまとめていた自分の髪を解いて、白に近い灰色の髪を拭いている間に、モニカは先程から気になっていた布が掛かった置物に近づいて行ったのだった。
(何を用意してくれたんだろう……)
ティカが希望したらしいが、特にモニカは不足している物があるとは思っていなかった。
普段、モニカが使っている部屋には大概の物が揃っており、日用品も足りなければティカたちが用意してくれた。
だからこそ、改めて用意してもらう物はないと思っていたが……。
モニカが置物に掛けられていた布を捲ると、表面がキラリと光り、そこに人影が映っていた。
「あっ……」
思わず、持っていた布を落としてしまう。
そこには白いバスローブを身に纏い、金の髪を背中に垂らしたモニカの全身が映っていた。
鏡の中のモニカは青い目を大きく見開いていたのだった。
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