【第一部完結・改稿版】ハージェント家の天使

夜霞

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おまけ

ブーゲンビリア侯爵と姉弟ー過去ー【2】

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 二人が屋敷の庭に出ると、外の暖かい陽気に照らされて花壇に咲く色とりどりの花が輝いていた。

「何をして遊ぶの?」
「そうね……。かくれんぼでもする?」

 二人がいるブーゲンビリア侯爵家の屋敷の庭は、結構な広さがあった。
 晴れた日に四人で遊ぶ時は、庭で追いかけっこやかくれんぼをすることもあるが、今日はマキウスしかいないので追いかけるのも、隠れる側も、隠れたのを探す側もつまらないだろう。

「それとも、花かんむりを作る?」

 ディアやアガタもいる時は女子三人になるので、どうしても花を使った遊びや、家族になりきったごっこ遊び、それぞれ人形を持ち寄って行う人形遊びが多くなる。
 いずれも、唯一の男子であるマキウスは退屈そうにしているので、本人には悪いが。

「え~。お花で遊ぶの~」
「じゃあ、マキウスは何がしたいの?」

 マキウスは眉間に皺を寄せて考えていたが、やがて何かを思い出したのか閃いたようだった。

「そうだ! お庭の木に鳥の巣があるって、ペルラに教えてもらったんだ!」
「鳥の巣?」

 マキウスの話によると、昨晩、ペルラがマキウスを寝かしつける際に、庭の木に鳥が巣を作っており、卵が孵って雛が鳴いていたという話をしてくれたらしい。

「どこの木かわかるの?」
「わかんない……でも、どこかの木にあるはずだよ! 今日は鳥を観察したい!」
「まあ、いいけど……」
「じゃあ、早く探そうよ!」

 誘った時とは違い、楽しそうな笑みを浮かべるマキウスの後を追いかけるように、ヴィオーラも続いたのだった。

 二人で木を見上げながら歩いていると、マキウスとヴィオーラの部屋の中間辺りに生えている木に鳥の巣があった。

「あったよ! お姉ちゃん!」

 顔を輝かせて木の下に駆けていくマキウスを、ヴィオーラは追いかけた。
 木の中程、太めの枝の上に鳥の巣があった。
 鳥の巣からは「ピー」や「ピチュピチュ」と愛らしい雛の鳴き声が聞こえてきたのだった。

「本当ね。こんなところに巣があったなんて、気づかなかったわ……」
「最近、ペルラたちの間でも話題になっているんだって!」

 マキウスの元に足繁く通っていたヴィオーラだったが、鳥の巣の存在に全く気づいていなかった。
 今度からは、もっと外の様子も見てみよう。
 そんなことを考えながら雛の鳴き声を聞いていると、鳥の巣に近づいてくる影があった。

「あれは、親鳥かしら?」
「でも、大きいよ……色もちがう……」

 鳥の巣に近づいてきたのは、黒々とした羽根を持った大きな鳥だった。
 マキウスの言う通り、巣の中で泣いている雛は薄茶色のフワフワの毛で覆われており、飛んできた鳥とは似ても似つかなかった。
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