ひこうき雲

みどり

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円天③

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トミは食卓の端の椅子に座って静かにお茶を飲みながら

子どもたちの様子を見ていた。


“あいちゃんは前からよく食べる子だったけど

今日もよく食べるわねぇ。今度すっごく堅いおせんべい

用意してみようかしら?ふふ。“


「で、あいちゃんはどうなのよ!ゆいちゃんがあんな目にあって平気なの!」

カエデは怒っている。


”カエデちゃんも相変わらず脳みそと口が直結してるわね。

あんな喜怒哀楽激しい毎日送ってたら私なら疲れちゃうわ。ふふふ。“


「平気なわけないでしょ!ズタズタのギッタギタにして海の藻屑にしてやりたいわよ!」


「え~それであいちゃんが警察に捕まったらオレ嫌だよ。ゆいはきっと大丈夫だよ。

 かわいそうだと思うけど。辛いことの後にはきっと良いことがある!

 去る者追わず、だよ。」


”平次さんとカイとレンは私の育て方が悪いんじゃないわ。

杏があんな風なのも、カエデちゃんの育て方じゃないもの。“


みちよ 「ゆいちゃんは今年中に大手航空会社を退職するんですか?」


あい  「退職してしまうわけではないのよ。まだ未定かしらね。」


レン  「まだ時間はたっぷりあるんだ。ゆいがよく考えて決めればいいことだよ。」


あい  「そうね。あの子は私たちに十分夢を見させてくれたもの。私はあの子を見守るわ。」


”みっちゃんはピンチをチャンスに変えようとする。そういうとこ好きよ。“



 

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