食堂のおばあちゃん物語

みどり

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鮫肌シップ

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とある会社のお掃除スタッフじぃじは


ギックリ腰になって2週間ほど仕事を休みました。


復帰した時に同僚が優しい言葉をかけてくれました。


「じぃじ無理しないでね。クセになるといけないから。」


他の人たちからも声をかけられたじぃじは

皆が気にかけてくれていることが嬉しくなりました。


「久しぶりの食堂のメシは美味いな。」


お腹も心も満たされた頃


マツおばあちゃんがテーブルに近づいて来ました。


「これ。」


テーブルの上に置かれたのは1箱のシップでした。


「何だよ?」


じぃじはマツおばあちゃんのことがあまり好きではないので

冷たい態度をとってしまうのでした。


「鮫がトレードマークの会社の肌シップさ。関西では有名なんだよ。」


数年前まではマツおばあちゃんの家族は関西に住んでいました。


「お互い頑張ろうね。」


じぃじは素直にありがとうが言えませんでした。


いつの間にかふたりの側に

ナミおばあちゃんとはなおばあちゃんがいました。


ナミ「私たちは時々休みながら、でも、前進していかないとね。」


はな「動き続けるという意味では鮫みたいなものですね。」


ナミ「お姉さんは貪欲過ぎるのがたまにキズだけど。」


マツ「貼ったところから鮫のエキスが注入されて強くなるよ。」


じぃじ「へぇ。そんなシップ高かったろ?ありがと。」


マツ「ま、ウソだけどね。」


おばあちゃんたちは厨房に戻って行きました。


じぃじ「やっぱり俺アイツ嫌いだ。」



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