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目の上のタンコブ
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「そろそろ仕事切り上げて帰りなさいよ。」
ハッとしたトワがオフィスの壁掛け時計を見ると
22時を過ぎていた。
「すみません。気づかなくて。」
「いいのよ。っていうか、私も今気づいたの。ごめんなさいね。
こんな時間まで仕事をさせてしまって。」
上司でここのトップのサエコはそう言うとパソコンの電源を落とした。
オフィスの鍵を閉めた後
車で帰るサエコと別れたトワは散歩がてら近くのコンビニへと向かった。
トワはオフィスの敷地内にある社員寮に住んでいた。
アイスクリームが食べたくなると時々コンビニに歩いて行っている。
今宵もそんな感じだった。
満月で明るい夜。
トワは新商品のアイスクリームを買ってみた。
社員寮とコンビニの間には公園がある。
誰もいない夜の公園。
今まで全く気にならなかったが、今夜は遊具も照らされていた。
トワはちょっと寄ってみた。
ジャングルジムのテッペンに登って月を見る。
この月夜は自分だけのもの
そんな不思議な気分になる。
なんだか楽しくなって
滑り台にも行ってみる。
小さい頃を思い出す。
「あいたっ!」
遊具にオデコをぶつけた。
目から火花が散るとはこのことか!
と実感する。
誰にも見られてなかったのが不幸中の幸いだ。
思えば、自分は運動神経が良くなかった。
トワは何事もなかったかのように
公園を後にした。
帰宅後、シャワーを浴びて
アイスクリームを食べ、就寝した。
翌朝
オデコがジンジンする。
鏡を見るとタンコブができている。
痛いはずだ。
前髪を下ろして出勤する。
職場では赤ちゃんが泣いていた。
スタッフのともかの赤ちゃんだ。
ともかは子連れ出勤していた。
サエコが赤ちゃんを抱く。
赤ちゃんは皆の癒しとなっていた。
赤ちゃんを抱くとなんとも言えない幸せな気持ちになる。
トワのオデコには皆直ぐに気づく。
「トワどうしたの?」
サエコが問う。
「いや、何でもないです。」
トワはオデコに触れて欲しくない。
「目の上のタンコブだね。」
ともかが言う。
「ともちゃん、その言葉よく知ってるわね。」
「だって、こういう状態でしょう?」
オフィスの皆が笑う。
トワは面白くない。
「トワ、ちょっと赤ちゃん抱いてみ。」
サエコが赤ちゃんを抱かそうとする。
「無理ですよ!赤ちゃんなんて抱いたことないのに!」
「大丈夫だから。この子はみんなに抱かれ慣れてるから。」
サエコはトワに赤ちゃんを抱かそうとする。
「いいよ。トワ抱いても。」
ともかも言う。
トワは赤ちゃんを抱っこしてみた。
思っていたより重たい。
「わ。わっ。」
「落ち着きなさいよ。」
サエコの言葉にしっかりと抱きとめる、トワ。
赤ちゃんの顔を覗き込みながらサエコは言う。
「ほぉら、パパですよ。」
「ちょっと、赤ちゃんが信じたらどうするんですか?」
トワは焦る。
赤ちゃんは声を出して笑う。
「パパっていうニックネームよ。深く考えなくていいんじゃない?」
サエコは笑った。
赤ちゃんも不思議と泣き止んで笑っていた。
ハッとしたトワがオフィスの壁掛け時計を見ると
22時を過ぎていた。
「すみません。気づかなくて。」
「いいのよ。っていうか、私も今気づいたの。ごめんなさいね。
こんな時間まで仕事をさせてしまって。」
上司でここのトップのサエコはそう言うとパソコンの電源を落とした。
オフィスの鍵を閉めた後
車で帰るサエコと別れたトワは散歩がてら近くのコンビニへと向かった。
トワはオフィスの敷地内にある社員寮に住んでいた。
アイスクリームが食べたくなると時々コンビニに歩いて行っている。
今宵もそんな感じだった。
満月で明るい夜。
トワは新商品のアイスクリームを買ってみた。
社員寮とコンビニの間には公園がある。
誰もいない夜の公園。
今まで全く気にならなかったが、今夜は遊具も照らされていた。
トワはちょっと寄ってみた。
ジャングルジムのテッペンに登って月を見る。
この月夜は自分だけのもの
そんな不思議な気分になる。
なんだか楽しくなって
滑り台にも行ってみる。
小さい頃を思い出す。
「あいたっ!」
遊具にオデコをぶつけた。
目から火花が散るとはこのことか!
と実感する。
誰にも見られてなかったのが不幸中の幸いだ。
思えば、自分は運動神経が良くなかった。
トワは何事もなかったかのように
公園を後にした。
帰宅後、シャワーを浴びて
アイスクリームを食べ、就寝した。
翌朝
オデコがジンジンする。
鏡を見るとタンコブができている。
痛いはずだ。
前髪を下ろして出勤する。
職場では赤ちゃんが泣いていた。
スタッフのともかの赤ちゃんだ。
ともかは子連れ出勤していた。
サエコが赤ちゃんを抱く。
赤ちゃんは皆の癒しとなっていた。
赤ちゃんを抱くとなんとも言えない幸せな気持ちになる。
トワのオデコには皆直ぐに気づく。
「トワどうしたの?」
サエコが問う。
「いや、何でもないです。」
トワはオデコに触れて欲しくない。
「目の上のタンコブだね。」
ともかが言う。
「ともちゃん、その言葉よく知ってるわね。」
「だって、こういう状態でしょう?」
オフィスの皆が笑う。
トワは面白くない。
「トワ、ちょっと赤ちゃん抱いてみ。」
サエコが赤ちゃんを抱かそうとする。
「無理ですよ!赤ちゃんなんて抱いたことないのに!」
「大丈夫だから。この子はみんなに抱かれ慣れてるから。」
サエコはトワに赤ちゃんを抱かそうとする。
「いいよ。トワ抱いても。」
ともかも言う。
トワは赤ちゃんを抱っこしてみた。
思っていたより重たい。
「わ。わっ。」
「落ち着きなさいよ。」
サエコの言葉にしっかりと抱きとめる、トワ。
赤ちゃんの顔を覗き込みながらサエコは言う。
「ほぉら、パパですよ。」
「ちょっと、赤ちゃんが信じたらどうするんですか?」
トワは焦る。
赤ちゃんは声を出して笑う。
「パパっていうニックネームよ。深く考えなくていいんじゃない?」
サエコは笑った。
赤ちゃんも不思議と泣き止んで笑っていた。
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