星の王子様についての考察

わっしー

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考察

・初めに
最初にこれは種本(「星の王子さま」事典 三野博司)を元に書かれている。したがって「この本」=「種本」と考えていただきたい。

・星の王子様とは?名前の由来
この物語のキーワードは、「子ども」と「大人」だ。物語の中で王子は様々な大人を見ていく。そして、物語に出てくるのは大人の滑稽な一面が描かれていると考えられる。
 「星の王子さま」という作品は、五十の言語に翻略されており、様々なメディア(オペラ・演劇・アニメ・最近では漫画や映画にもなっている)によって今日まで伝えられてきた。
 まずは、題名について説明すると「星の王子さま」という題は、日本の初訳者である「内藤濯」の卓抜な発想によって付けられた題名で、原題は、「Le Petit Prince」で略すと、「小さな王子」又は「小さな君主」という風になる。
「星の王子さま」を略した池澤夏樹はあとがきにこう記している。

「ぼくの訳でも内藤櫂氏が作った「星の王子さま」というタイトルをそのまま使うことになった。この邦題は優れている。実際の話、これ以上の題は考えられない。
これには日本語の根幹にかかわる理由がある。
原題を直訳すれば、「小さな王子さま」ということになるだろうけれど、元のpetitに込められた親愛の感じはそのままでは伝わらない。タイトルなのだからもう1つ、主人公を特定する形容が欲しい。
そして、こういう時に日本では古来、その人が住むところの名を冠した。「桐壺の更衣」も「清水の次郎長」もこのゆかしい原理から生まれた呼び名であり、「星の王子さま」もこの原理に沿った命名だからこそ、定訳となったのだ。」

「Le Petit Prince」はフランス語で細かく分けると「Le」という定冠詞の後に形容詞である「Petit」(小さな)の後に「Prince」(王子・君主・大公)が続いている。
 そして、作品を見る限り「小さな王子」と略すのではなく「小さな君主」と解釈するほうが良い。理由としては、主人公は一人で小さな星を治めている。しかし、もし彼が「王子」だとするならば父である王又は母である王妃が登場しなくてはならない。もし、王位を継承しているのなら「王子」ではなく「王」になっており、題名も「小さな王」になっていると思う。しかし、この作品にはそういった人物が登場していないため、彼は「王子」ではなく「君主」だと考えられる。

つまりは、普通に訳すと、「小さな王子様」となるがそれじゃあ、あまりにも味気ないから題名を訳した人は王子様が住んでいた「星」に注目して「星の王子様」と訳したんだと思う。

・誰のための物語?
「星の王子さま」は、作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが行方不明になる前に発表された作品だ。この物語は、一見、子供の童話のように思われるが、実は、彼の親友であるレオン・ウェルトに捧げられた物語だ。物語が始まる前のページにこのような文章が書いてある。

「レオン・ウェルトに
  この本を一人の大人に捧げることを許してほしい、とぼくは子供たちにお願いする。大事な理由があるのだ。まず、その大人はぼくにとって世界一の親友だから。もう一つの理由は、その大人は子供のための本でもちゃんとわかる人だから。三番目の理由は、その大人は寒さと飢えのフランスに住んでいるから。慰めを必要としているから。これだけの理由を挙げて足りないようなら、ぼくはこの本をやがて彼になるはずの子供に捧げる事にする。大人は誰でも元は子供だった(そのことを覚えている人は少ないのだけれど)。だから、ぼくはこの献辞をこう書き換えよう―
 小さな男の子だった時の
 レオン・ウェルトに」


この文では「子どもたちには許してほしい」という文面がある。そこには三つの言い訳を作者は書いている。
 一つ目は、ウェルトは作者にとって最良の友人であること。二つ目は、彼は子どもの本を理解できる人だということ。三つ目は、彼は今飢えや寒さで苦しんでおり慰めが必要であること。
 さらにこれでも足りないのならと次には「小さな少年だった頃のレオン・ウェルトヘ」と書き改めている。
 それによってこの作品を読んでいる大人の読者は、子どもだった時の自分にこの本が差し向けられていると思う事になる。
 この段階で、「子ども」と「大人」という二語が何度か用いられ基本的に対立を示している。そして、この二語の対立は今後物語の中でも繰り返し表れることになる。
 ここで語られている「レオン・ウェルト」は、一八七八年二月一七日にフランスの北東部のヴォージェ県にあるルミルモンで小ブルジョワの家庭で生まれた。学校は中退し、自由思想家への道を歩む。彼が書いていたのはエッセイ・時評・小説など多岐に渡るものだ。しかし、彼はあまり有名ではなかった。あと、彼はユダヤ人でありそれによる苦労もあった。
 サン=テグジュペリとレオン・ウェルトが出会ったのは一九三一年に「ラントランシジャン」誌の編集長であったルネ・ドランジュの仲介によって知り合ったといわれているが、詳しい事は分かっていない。しかし、その五年前にサン=テグジュペリは友人であるイヴァンヌ・ド・レトランジュに宛てた手紙の中で、彼はウェルトの著作を称賛していた。このことからサン=テグジュペリはすでにレオン・ウェルトのことを知っていたということがわかる。
 サン=テグジュペリは自分の本を友人達に献呈する習慣があった。「星の王子さま」はレオン・ウェルトに捧げられた作品である。しかし、同じ頃に書いていた作品に「ある人質への手紙」という作品がある。これも本当はレオン・ウェルトに捧げた作品であったが、ヴェルト本人への賛辞は削除されている。なぜかというと、この頃は世界では第二次世界大戦の末期でユダヤ人であるレオン・ヴェルトは身を隠して生きていた。そんな友人に対して危害が及ぶ事を恐れたサン=テグジュペリは「レオン・ウェルト」にではなく「フランス国民」という不特定多数にこの作品を捧げたのだと考えられる。
 サン=テグジュペリがアメリカに出発するともう二人は二度と会う事は無かった。彼の死を聞いたヴェルトは深く悲しんだ。彼は一九四八年に「私が知っているままのサン=テグジュペリ」という本を発表している。

つまりは、これはサン=テグジュペリがレオン・ウォルトに宛てた物語という面もあるということ。世界はこのころは第2次世界大戦時だった。世界は不安・恐怖・憎しみ・悲しみにあふれていたと思う。何かの作品で、物語は心を豊かにしてくれるといった言葉があった。自分としては、彼は、そんな世界に安らぎを与えたかったのではないだろうか?そして、それは、現代でも同じだと思う。マンガでもアニメでもドラマ・映画何でもいい。物語は心を豊かにしてくれる。たとえ、ホラーだろうがバッドエンドだろうがそれを見てある人は2次創作や妄想で喜劇やハッピーエンドを想像したり作り共有すると思う。そんな力が物語にはあり、サン=テグジュペリはそれを知っていたんだと僕は想像する。

・登場人物のグループと語り手
さて、「星の王子さま」の登場人物は三つのグループに分けることが出来る。一つ目のグループは王子さまと語り手(パイロット)の物語の中心人物。二つ目は、バラ・キツネ・ヘビの王子様に助言や行動目的を与えるキーパーソン。その他の十数名に及ぶ多くの脇役たちの三つである。
 さらに分けると、旅の途中に出会う脇役達も分ける事が出来る。一つは王子様が自分の星を出発してから訪れた六つの惑星の住人たち(王様・うぬぼれ屋・呑んべえ・ビジネスマン・点灯夫・地理学者)。二つ目は地球に到着してから出会う者たち(ヘビや五千本のバラなど)。この本ではこの二つだけだが、私はさらに、もう一つ付け加えると、語り手(パイロット)の友人達や子ども時代に出会った大人たちの三つに分ける事が出来る。
 最初に語り手について説明する。定義としての語り手とは、作者と語り手は別で、語り手は登場人物ではあるが、空気と同じ存在で読者が物語に同化するためのパイプのような存在。
 「星の王子さま」では、語り手は「僕」という一人称単数で現れるが、これは内実を持たない空気のような存在である。
語り手は、物語を語る時はなぜ語るのかを明らかにすることが多い。これは読者に対して語り手としての自己正当化であると同時に、読者に向かって物語に対しての説得力を高める有効な手段だった。
「星の王子さま」の語り手も第四章で語り手としての自己規定をおこない、なぜ語るのかというその理由を明らかにしている。
さて、「星の王子さま」の語り手であるパイロットとは、多くの評論家や本では語り手(パイロット)=「サン=テグジュペリ」だといわれている。
理由としては、第二章の冒頭で語り手は、六年前にサハラ砂漠に不時着したと語っている。ここで物語の時(六年前)と場所(サハラ砂漠)が提示されている。作者のサン=テグジュペリが「星の王子さま」を描いた一九四二年であるから、その六年前は一九三六年にあたる。その前年末一九三五年一二月三〇日、サン=テグジュペリは、パリからサイゴンへの飛行途中、リビア国境の東、エジプト領内の砂漠に墜落した。彼は、同乗していた機関士プレヴォーとともに、咽の渇きに苦しみながら、砂漠を四日間さ迷い歩いた後「ベドウィン人」に出会って救出された。このリビア砂漠における四日間の体験が「星の王子さま」の元になっていると考えられている。そのため私を含めた多くの読者は「語り手=作者」と考えてしまう。

つまりは、自分はサン=テグジュペリ=パイロットと思っている。話はそれるが映画ではおじいさんがそのパイロットなのだが・・・。それも、元はサン=テグジュペリが元になっていると思う。そして、女の子つまりはその映画を見た、本を読んだ視聴者と読者が新たな語り手になっていると自分は考える。つまり、物語が古い世代から新しい世代に受け継がれていったということだと思う。
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