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5話 無能としての日々
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召喚されて1ヶ月。僕の兄妹達は精力的に働いている。
あの兄妹会議の後、兄さんが王様に僕の扱いについて説明をした。王様は僕が決めたことならと了承をしてくれ何かあればすぐに相談するように言ってくれた。
この国での僕の扱いは、勇者たちの兄妹で何の力を持たない存在だが勇者たちにとっては大切な存在のため人質の価値があるというものだ。
そのため、結構丁重に扱われている。
「ふう・・・。こんなもんかな?」
「ショウマ様!なぜ貴方様が部屋の掃除をしているのですか!?」
「いや・・・暇だったから。」
「そんなことをされたら私共の仕事がなくなります。ショウマ様はお部屋でゆっくりとしていてください!」
「いや・・・でも・・・。」
「いいから!!」
そう言って僕は侍女さんに部屋を追い出される。僕が掃除していたのは他の兄妹の部屋だった。
「はあ・・・。本当に暇だな・・・。」
「おい・・・。アレを見ろよ・・・。」
「うわ・・・。他の兄妹が働いているのにのんきな奴だな・・・。」
「本当に無能ね・・・。」
その方向を見ると貴族と思われる男女だった。その目は軽蔑の目をしている。
(まあ、この一ヶ月で慣れたな・・・。)
こんな風に陰口をたたかれるのは今日に限ったことではない。大体ほぼ毎日だ。
(まあ、そのおかげでこの平和が保たれるならそれは良いことだよな・・・。)
そう思いながら僕は自分の部屋に帰るのだった。
そんな僕の最近の日課は王国の近くの森に行くことだ。
「おーい!」
僕がそう叫ぶと森に住んでいる魔物が集まってきた。彼らは僕のこの世界の友人たちだ。
『あ、ショウマだ。』
『今日もあそぼ!』
そう言って小さな魔物たちが僕に群がる。
表舞台に出ないからって何もしないのはいざという時に困ると思い森に来たのが始まりだった。
そこで、怪我をしていた魔物に遭遇したので手当てをしたところ懐かれてしまった。
「今日もよろしくお願いね。」
『わかった!』
そう言って僕は構えを取る。魔物たちを傷つけるのは嫌なので剣などは持たずに格闘術を学ぶことにした。
『行くよ!』
そう言って魔物、個体名は「ブラッド・バット」たちは僕に突っ込んでくる。
「はあ!」
僕は突っ込んでくるブラッド・バット達をいなす。一匹一匹怪我を負わせないように優しく触れて軌道をそらす。
『もう一回行くよ!』
「うん!」
第二波が押し寄せてくる。今度は左右に展開して挟撃の形だ。
「ふん!」
僕はそれをしゃがんで避ける。そして一塊になった所を叩く。ブラッド・バットたちは僕の一撃で地面に叩き落とされる。
「ふう・・・。良い運動になったよ。」
そう言いながら僕はブラッド・バットたちに近づく。
『あ~あ・・・負けちゃった。』
『今度は勝てると思ったのに・・・。』
ブラッド・バットたちは口々に言う。
「はは・・・僕も日々成長しているんだよ!」
胸を張って言うとそこに一匹の狼が近づいてきた。
『私の目から見たらまだまだよ。』
「あ、シルビア。」
彼女は「シルバーウルフ」のシルビア。彼女はこの森の長で僕が手当てをした魔物だ。
『でも、確実に成長しているのは感じるわ。よく頑張っているわね。』
「ありがとう。君達のお陰で安全に訓練が出来るよ。」
『いいのよ。貴方が来てからは森もにぎやかになったしね・・・。』
シルビアは嬉しそうに言う。
『でも、不思議ね。貴方は他の人間のように危険な臭いがしない。だからかしらね、この森の魔物たちは貴方を受け入れているのは・・・。』
「そうなんだね・・・。」
『さて、訓練はこれくらいにして今日はお帰り。あまり長い時間城から離れていると貴方の兄妹が心配するわ。』
「うん、ありがとう。」
『またね~!』
『今度は負けないからね!』
僕は魔物たちに見送られて森を後にした。
あの兄妹会議の後、兄さんが王様に僕の扱いについて説明をした。王様は僕が決めたことならと了承をしてくれ何かあればすぐに相談するように言ってくれた。
この国での僕の扱いは、勇者たちの兄妹で何の力を持たない存在だが勇者たちにとっては大切な存在のため人質の価値があるというものだ。
そのため、結構丁重に扱われている。
「ふう・・・。こんなもんかな?」
「ショウマ様!なぜ貴方様が部屋の掃除をしているのですか!?」
「いや・・・暇だったから。」
「そんなことをされたら私共の仕事がなくなります。ショウマ様はお部屋でゆっくりとしていてください!」
「いや・・・でも・・・。」
「いいから!!」
そう言って僕は侍女さんに部屋を追い出される。僕が掃除していたのは他の兄妹の部屋だった。
「はあ・・・。本当に暇だな・・・。」
「おい・・・。アレを見ろよ・・・。」
「うわ・・・。他の兄妹が働いているのにのんきな奴だな・・・。」
「本当に無能ね・・・。」
その方向を見ると貴族と思われる男女だった。その目は軽蔑の目をしている。
(まあ、この一ヶ月で慣れたな・・・。)
こんな風に陰口をたたかれるのは今日に限ったことではない。大体ほぼ毎日だ。
(まあ、そのおかげでこの平和が保たれるならそれは良いことだよな・・・。)
そう思いながら僕は自分の部屋に帰るのだった。
そんな僕の最近の日課は王国の近くの森に行くことだ。
「おーい!」
僕がそう叫ぶと森に住んでいる魔物が集まってきた。彼らは僕のこの世界の友人たちだ。
『あ、ショウマだ。』
『今日もあそぼ!』
そう言って小さな魔物たちが僕に群がる。
表舞台に出ないからって何もしないのはいざという時に困ると思い森に来たのが始まりだった。
そこで、怪我をしていた魔物に遭遇したので手当てをしたところ懐かれてしまった。
「今日もよろしくお願いね。」
『わかった!』
そう言って僕は構えを取る。魔物たちを傷つけるのは嫌なので剣などは持たずに格闘術を学ぶことにした。
『行くよ!』
そう言って魔物、個体名は「ブラッド・バット」たちは僕に突っ込んでくる。
「はあ!」
僕は突っ込んでくるブラッド・バット達をいなす。一匹一匹怪我を負わせないように優しく触れて軌道をそらす。
『もう一回行くよ!』
「うん!」
第二波が押し寄せてくる。今度は左右に展開して挟撃の形だ。
「ふん!」
僕はそれをしゃがんで避ける。そして一塊になった所を叩く。ブラッド・バットたちは僕の一撃で地面に叩き落とされる。
「ふう・・・。良い運動になったよ。」
そう言いながら僕はブラッド・バットたちに近づく。
『あ~あ・・・負けちゃった。』
『今度は勝てると思ったのに・・・。』
ブラッド・バットたちは口々に言う。
「はは・・・僕も日々成長しているんだよ!」
胸を張って言うとそこに一匹の狼が近づいてきた。
『私の目から見たらまだまだよ。』
「あ、シルビア。」
彼女は「シルバーウルフ」のシルビア。彼女はこの森の長で僕が手当てをした魔物だ。
『でも、確実に成長しているのは感じるわ。よく頑張っているわね。』
「ありがとう。君達のお陰で安全に訓練が出来るよ。」
『いいのよ。貴方が来てからは森もにぎやかになったしね・・・。』
シルビアは嬉しそうに言う。
『でも、不思議ね。貴方は他の人間のように危険な臭いがしない。だからかしらね、この森の魔物たちは貴方を受け入れているのは・・・。』
「そうなんだね・・・。」
『さて、訓練はこれくらいにして今日はお帰り。あまり長い時間城から離れていると貴方の兄妹が心配するわ。』
「うん、ありがとう。」
『またね~!』
『今度は負けないからね!』
僕は魔物たちに見送られて森を後にした。
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