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召集3
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謝罪を止めたアーデルにジュベールの表情が変わる。ラビはこの顔が嫌いだった。恐ろしくて、嫌な思い出が一気に溢れ出してくるから。自分では止められない身体の震えも、込み上げてくる胃物を必死に飲み込む行為に慣れてしまったのも全てこの男のせいで。
肌で感じる恐ろしさに虐待された子供のように怯える様を見ても彼のきょうだいは誰一人として「謝る必要はない」とは言わない。むしろ彼が哀れな姿を晒すのを楽しんでいた。
異常な家族。彼はよくこの家族の中で生き抜いてきた。彼が公務と引き換えに命をかける戦場にと交渉した理由が今なら理解できる。彼らと共に皇子として公務を行えば何をされるかわからない。公共の場で貶められるかもしれない。その恐怖に耐える事と戦場で生死をかける事は彼にとって天秤にかけるまでもないものだったのだろう。
泣かない。ここで、彼らの前で泣きたくない。自分が泣けば彼がバカにされる。それだけは絶対に嫌だとゆっくり息を吐き出して多めの瞬きで涙を逃した。
「なんのつもりだ?」
怒気を含んだジュベールの声にアーデルが振り向く。
「きょうだいへの謝罪に土下座が必要な理由はなんでしょうか?」
「ワーナー家では謝罪は土下座と決まってるんだ」
「随分と大仰な謝罪ですね」
「アーデル、やめてくださいッ」
慌てて立ち上がろうとするも足に力が入らないラビはガクッと膝をついて縋るようにアーデルの腕を掴む。
「やだ、ラビったら。妻に縋り付くなんてあなたにお似合いのポーズね」
「アイリスお姉様ったら意地悪ね。あの人が結婚できただけでも奇跡よ」
「政略結婚なんだもの。結婚ぐらいできるわよ」
「でも断られる可能性だってあったでしょ?」
「それはないわよ、シャーレ。ルスのような小国がうちからの申し出を断るわけないじゃない。娘一人と国民の命、天秤にかけるまでもないでしょう?」
「ふふっ、確かにそうね」
「大事なのは結婚後よ。逞しい夫に守られる妻でいたら勝ち。みっともない恥知らずな夫に縋り付かれる妻は負け。あなたはどっちになりたい?」
「前者以外の選択肢って必要?」
「聞いただけよ」
随分とよく回る口だとアーデルが視線を向けるも二人のニヤつきは消えない。どんな顔で、どんな目を向けようと自分達が上である事は変わらないと思っているのがありありと伝わってくる。
舌が捩じ切れてしまえばいいのにと心の中で願いながら視線をジュベールへと戻す。
「俺に逆らうつもりか?」
「私は彼の妻として必要のない謝罪をさせたくないだけです」
「それを逆らうと言うんだ。揃って能無しのクズが。そんな事も理解できないのか。お前も土下座しろ」
ジュベールの冷たい表情に今にも心臓が止まるのではないかと思うほど今度はゆっくりと動いている。一回の脈に数秒かかっているような、頭の血管が冷え切っているような不思議な感覚。握りしめている拳は開けばきっと汗が滴るだろう。
だが、それでもアーデルは言った。
「お断りします」
「アーデルッ」
何を言われてもと約束したのにと絶望を滲ませるラビが床に尻をついた。
ジュベールは家族の中でも特に反論を許さない性格で、長男である自分はきょうだいの中で最も偉く、尊敬されるべきだと考えている。だから自分の言葉を否定も拒絶も許さない。
そんな人間に反論と拒絶を続けるアーデルにあからさまに表情を歪ませてアーデルへと椅子ごと身体を向けたジュベールのために男兄弟が椅子を移動させて彼の視界を遮らないように動き出した。異常だ。この光景にさえアーデルは嫌悪する。
「に、兄さん、ア、アーデルはま、まだ、な、何も知らなくて……ぼ、僕が何も教えてこなかったから、に、兄さんへの──」
「お前の教育不足という事か?」
「そ、そうです! ぼ、僕がちゃんとしていなかったから! ば、罰は、ぼ、僕が受けますから、ア、アーデルの事は、ど、どどどどうか──」
「ならお前ら揃って俺が教育してやる。ラビ、お前は教育し直しだ」
「に、兄さん……ご……ごめ……ごめんなさい……お、お願いです……アーデルだけ……アーデルでいいんです。ぼ、僕は、に、兄さんの教育を受けますから……だ、だから…ど、どうか……どうか兄さん……お、お願いします……!」
教育と聞いてより一層怯えが酷くなったラビは床の上で背中を丸めて再び土下座をする。手を揃え、背を丸め、あんなに大きな人がこんなにも小さくなって怯える姿をどうして笑えるのか。何にこんなに怯えるのか。彼らはラビをどう育ててきたのか。なぜ父親は見ているだけなのか。
理解できない状況にアーデルの顔がルーカスへと向くも彼は笑ってもいなければ怒ってもいない。無表情でこの光景を眺めているだけ。
この家族にとってはこれが普通。当たり前の光景なのだとアーデルは彼の絶望に触れた気がした。
「人と話す時はまず仮面を外せ。常識だろ」
「も、申し訳ございません……す、すぐに──」
立ち上がり、ゆっくりと歩み寄ってくるジュベールの足音が近付くと抵抗していたラビの意識は従順な、いや、服従へと変わった。外したくないと懇願していた仮面にガタガタと震える手で触れて外そうとした手をアーデルが握った。
びっしょりと濡れた手。水仕事をした後のような、尋常ではない濡れ方にラビがハッとする。
「アーデルッ、いいんです。僕が仮面を外さなければいけなかったんです」
「外す必要はありません」
「長男である俺が外せと言っているんだ。外させろ」
目の前までやってきたジュベールから視線を逸らさないアーデルを守ろうと手を引っ張るもアーデルは踏ん張ったように動かない。
ここで屈せばきっと一生このままの関係を続ける事になる。どこかで区切りをつけなければならない。シャンディと対峙した時のように。
政略結婚である以上は得策ではないかもしれない。アイリスが言っていたように国民の命を天秤にかけているようなものだ。夫一人の今後の人生と国の同盟。ヒュドールがルスに戦争を仕掛ければルスが崩壊するのに一日も必要ないだろう。それがわかっていて天秤にかけようとする自分の行為はルスを捨てたも同然。だけど、アーデルは愛する夫が子供の玩具よりも酷い扱いを受けているのを黙って見ている事はできなかった。
「顔合わせの日も結婚式も彼は仮面を装着していました。皇帝陛下がご同行した上での着用は許可が得られているものだと思っていたのですが、違うのでしょうか?」
アーデルと目を合わせるもルーカスは何も言わない。目だけで物語っているように見えるが、アーデルはあえて気付かないフリをした。
「彼の仮面が自分を飾り立てるための物ではないことは共に育った方々なら理解しているのでは?」
「生意気だな、お前」
「ア、アーデルッ、いいんだ! 僕が外せば済むことだからッ!」
外そうと動かした手を更に強く握る。
「俺は男に刃向かう女が一番嫌いなんだよ。子供を産むしか能がないくせにこの世で一番偉い男に刃向かうなど何様だ」
「生物学上、この世には男と女しか存在しません。順位をつけるのであれば一番か二番しか存在せず、それは大した差ではありませんし、皇族であるヒュドールの第一皇子がそうした考えを持ち、そうした言葉を口にするのは次期国王候補に相応しい行いなのでしょうか?」
ジュベールの額には青筋が浮かび、怒りによって顔がヒクついている。肌で感じる彼の怒り。気を抜けば一瞬で尻餅をついてしまうだろう予想にアーデルはラビの手を強く握る。
「クズのもとに嫁ぐ女はやはりクズだったか。わかってはいたが、こうして目の当たりにすると吐き気がするほど腹が立つな」
「私の言葉が過ぎたものであったのなら謝罪致しますが、きょうだいだからと彼への理不尽な行動は妻として許容できる事ではありません」
「謝罪は土下座だと言っただろ。謝罪するなら頭を下げろ。純血ではないにしろ、お前もワーナーの名を語るゴミに嫁いだんだからな。さっさとやれ」
顎で指示をするジュベールを見たままアーデルは動かない。今までこうして人を動かしてきたのだろう。そうするだけでラビは怯えながら謝罪を繰り返したのだろう。廊下にいる使用人にまで聞こえるような大きな声で。
「お断りします」
「ぼ、僕が代わりに謝ります! 僕が、僕が何百回でも兄さんが許してくださるまで謝り続けますから! お願いです兄さん! 怒りを鎮めてください!!」
「黙れラビッシュ……このクソ女……誰に口を利いているのかわかっていないようだな。教育対象だ!」
振り上げられた大きな手。唇を噛み締めたところで痛みは軽減されない。まるで真上で鳴る雷鳴のような怒声に鼓膜を震わせながらもアーデルは目を逸らさなかった。鼓膜が破れるかもしれない。目の血管が切れるかもしれない。それでも目を瞑って怯えを見せたくはなかった。
振り下ろされる手の勢いがアーデルにはスローモーションのように見えていた。
肌で感じる恐ろしさに虐待された子供のように怯える様を見ても彼のきょうだいは誰一人として「謝る必要はない」とは言わない。むしろ彼が哀れな姿を晒すのを楽しんでいた。
異常な家族。彼はよくこの家族の中で生き抜いてきた。彼が公務と引き換えに命をかける戦場にと交渉した理由が今なら理解できる。彼らと共に皇子として公務を行えば何をされるかわからない。公共の場で貶められるかもしれない。その恐怖に耐える事と戦場で生死をかける事は彼にとって天秤にかけるまでもないものだったのだろう。
泣かない。ここで、彼らの前で泣きたくない。自分が泣けば彼がバカにされる。それだけは絶対に嫌だとゆっくり息を吐き出して多めの瞬きで涙を逃した。
「なんのつもりだ?」
怒気を含んだジュベールの声にアーデルが振り向く。
「きょうだいへの謝罪に土下座が必要な理由はなんでしょうか?」
「ワーナー家では謝罪は土下座と決まってるんだ」
「随分と大仰な謝罪ですね」
「アーデル、やめてくださいッ」
慌てて立ち上がろうとするも足に力が入らないラビはガクッと膝をついて縋るようにアーデルの腕を掴む。
「やだ、ラビったら。妻に縋り付くなんてあなたにお似合いのポーズね」
「アイリスお姉様ったら意地悪ね。あの人が結婚できただけでも奇跡よ」
「政略結婚なんだもの。結婚ぐらいできるわよ」
「でも断られる可能性だってあったでしょ?」
「それはないわよ、シャーレ。ルスのような小国がうちからの申し出を断るわけないじゃない。娘一人と国民の命、天秤にかけるまでもないでしょう?」
「ふふっ、確かにそうね」
「大事なのは結婚後よ。逞しい夫に守られる妻でいたら勝ち。みっともない恥知らずな夫に縋り付かれる妻は負け。あなたはどっちになりたい?」
「前者以外の選択肢って必要?」
「聞いただけよ」
随分とよく回る口だとアーデルが視線を向けるも二人のニヤつきは消えない。どんな顔で、どんな目を向けようと自分達が上である事は変わらないと思っているのがありありと伝わってくる。
舌が捩じ切れてしまえばいいのにと心の中で願いながら視線をジュベールへと戻す。
「俺に逆らうつもりか?」
「私は彼の妻として必要のない謝罪をさせたくないだけです」
「それを逆らうと言うんだ。揃って能無しのクズが。そんな事も理解できないのか。お前も土下座しろ」
ジュベールの冷たい表情に今にも心臓が止まるのではないかと思うほど今度はゆっくりと動いている。一回の脈に数秒かかっているような、頭の血管が冷え切っているような不思議な感覚。握りしめている拳は開けばきっと汗が滴るだろう。
だが、それでもアーデルは言った。
「お断りします」
「アーデルッ」
何を言われてもと約束したのにと絶望を滲ませるラビが床に尻をついた。
ジュベールは家族の中でも特に反論を許さない性格で、長男である自分はきょうだいの中で最も偉く、尊敬されるべきだと考えている。だから自分の言葉を否定も拒絶も許さない。
そんな人間に反論と拒絶を続けるアーデルにあからさまに表情を歪ませてアーデルへと椅子ごと身体を向けたジュベールのために男兄弟が椅子を移動させて彼の視界を遮らないように動き出した。異常だ。この光景にさえアーデルは嫌悪する。
「に、兄さん、ア、アーデルはま、まだ、な、何も知らなくて……ぼ、僕が何も教えてこなかったから、に、兄さんへの──」
「お前の教育不足という事か?」
「そ、そうです! ぼ、僕がちゃんとしていなかったから! ば、罰は、ぼ、僕が受けますから、ア、アーデルの事は、ど、どどどどうか──」
「ならお前ら揃って俺が教育してやる。ラビ、お前は教育し直しだ」
「に、兄さん……ご……ごめ……ごめんなさい……お、お願いです……アーデルだけ……アーデルでいいんです。ぼ、僕は、に、兄さんの教育を受けますから……だ、だから…ど、どうか……どうか兄さん……お、お願いします……!」
教育と聞いてより一層怯えが酷くなったラビは床の上で背中を丸めて再び土下座をする。手を揃え、背を丸め、あんなに大きな人がこんなにも小さくなって怯える姿をどうして笑えるのか。何にこんなに怯えるのか。彼らはラビをどう育ててきたのか。なぜ父親は見ているだけなのか。
理解できない状況にアーデルの顔がルーカスへと向くも彼は笑ってもいなければ怒ってもいない。無表情でこの光景を眺めているだけ。
この家族にとってはこれが普通。当たり前の光景なのだとアーデルは彼の絶望に触れた気がした。
「人と話す時はまず仮面を外せ。常識だろ」
「も、申し訳ございません……す、すぐに──」
立ち上がり、ゆっくりと歩み寄ってくるジュベールの足音が近付くと抵抗していたラビの意識は従順な、いや、服従へと変わった。外したくないと懇願していた仮面にガタガタと震える手で触れて外そうとした手をアーデルが握った。
びっしょりと濡れた手。水仕事をした後のような、尋常ではない濡れ方にラビがハッとする。
「アーデルッ、いいんです。僕が仮面を外さなければいけなかったんです」
「外す必要はありません」
「長男である俺が外せと言っているんだ。外させろ」
目の前までやってきたジュベールから視線を逸らさないアーデルを守ろうと手を引っ張るもアーデルは踏ん張ったように動かない。
ここで屈せばきっと一生このままの関係を続ける事になる。どこかで区切りをつけなければならない。シャンディと対峙した時のように。
政略結婚である以上は得策ではないかもしれない。アイリスが言っていたように国民の命を天秤にかけているようなものだ。夫一人の今後の人生と国の同盟。ヒュドールがルスに戦争を仕掛ければルスが崩壊するのに一日も必要ないだろう。それがわかっていて天秤にかけようとする自分の行為はルスを捨てたも同然。だけど、アーデルは愛する夫が子供の玩具よりも酷い扱いを受けているのを黙って見ている事はできなかった。
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アーデルと目を合わせるもルーカスは何も言わない。目だけで物語っているように見えるが、アーデルはあえて気付かないフリをした。
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「生意気だな、お前」
「ア、アーデルッ、いいんだ! 僕が外せば済むことだからッ!」
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ジュベールの額には青筋が浮かび、怒りによって顔がヒクついている。肌で感じる彼の怒り。気を抜けば一瞬で尻餅をついてしまうだろう予想にアーデルはラビの手を強く握る。
「クズのもとに嫁ぐ女はやはりクズだったか。わかってはいたが、こうして目の当たりにすると吐き気がするほど腹が立つな」
「私の言葉が過ぎたものであったのなら謝罪致しますが、きょうだいだからと彼への理不尽な行動は妻として許容できる事ではありません」
「謝罪は土下座だと言っただろ。謝罪するなら頭を下げろ。純血ではないにしろ、お前もワーナーの名を語るゴミに嫁いだんだからな。さっさとやれ」
顎で指示をするジュベールを見たままアーデルは動かない。今までこうして人を動かしてきたのだろう。そうするだけでラビは怯えながら謝罪を繰り返したのだろう。廊下にいる使用人にまで聞こえるような大きな声で。
「お断りします」
「ぼ、僕が代わりに謝ります! 僕が、僕が何百回でも兄さんが許してくださるまで謝り続けますから! お願いです兄さん! 怒りを鎮めてください!!」
「黙れラビッシュ……このクソ女……誰に口を利いているのかわかっていないようだな。教育対象だ!」
振り上げられた大きな手。唇を噛み締めたところで痛みは軽減されない。まるで真上で鳴る雷鳴のような怒声に鼓膜を震わせながらもアーデルは目を逸らさなかった。鼓膜が破れるかもしれない。目の血管が切れるかもしれない。それでも目を瞑って怯えを見せたくはなかった。
振り下ろされる手の勢いがアーデルにはスローモーションのように見えていた。
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