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エリスローズは恐怖する
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あれからエリスローズはリオンの部屋を訪ねるのをやめた。
自分が怒られるだけならいい。見下されることには慣れているし、唾を吐きかけられないだけマシなぐらいだ。
だが、自分たちに良くしてくれるリオンがあんな風に責められるのは耐えられない。
王室の言いたいことはわかっている。「自分たちは好きでスラムのゴミを雇っているわけではない。苦渋の決断で雇うことを決めただけだ」と。
エリスローズもそうだ。好きで雇われているわけではない。自分たちでは寝ずに働いても手に入らない額が手に入るから雇われているだけ。
互いの利害が一致してのことであるため文句を言うなと思うが、彼らの性格など変えようがない。望んでもいない。
だから言われたことを守れば口うるさく言われることもリオンが責められることもないのだからと部屋に引きこもるようになった。
(もともと部屋から出ることなんて少なかったんだから)
字が読めるようになれば本が読めるようになった。だから退屈にはならない。話し相手がいないだけ。
「散歩にでも出掛けてはいかがです?」
カーラの言葉に首を振る。
『あそこは王太子と王太子妃のために作られた庭だから私は歩くなって』
「エヴリーヌ王妃の言いそうなことですね」
『エリーナ様の国ってそんなに大国なの? こんな無責任な王太子妃を許すぐらい支援を受けてるの?』
大体のことはリオンから聞いているが、それでも納得できない部分は多かった。
「世界で見るとそれほど大国というわけではないですが、アクティーと比べると大国ですね。エリーナ様の祖国であるオリヒオは貧困層がいないことで有名ですし」
『国自体が裕福ってこと?』
「かもしれませんね。私はオリヒオに行ったことはないのでわかりませんが、両陛下及び使用人たち全員を取り込んでしまえるだけの財力をエリーナ様が持っているということはそれだけ両親からのバックアップがあるということ」
『カーラは取り込まれなかったの?』
「私は宝石には興味ありませんし、権力に従うのも嫌なんです。誰かの味方になれば誰かに嫌われる。面倒じゃないですか、そういうの。なら最初から誰の味方もしないまま嫌われたほうがいいんです」
『そのほうが辛くない?』
「誰の味方もしていない私をズルいと思って嫌うのはその人の考え方の問題でしょうし、私の性格が気に入らなくて嫌いになったのなら馬が合わないというだけです。私を嫌う人間は私の人生には必要ありませんし、媚びてまでこの仕事を続けようとも思っていませんから。要は心構えさえあれば何も困りませんよ」
カーラはいつだって中立でいる。王家に媚びることもスラムの人間に優しくすることもしない。いつだって冷静に話をしてくれる。
媚びずに生きられたらどんなに良かっただろう。この身体を好きでもない男に見せることなく生きられたらどんなに良かっただろう。
スラム街に生まれた以上、そんな甘い考えは通用しない。そんな考えを持って生きることは死を意味するも同然。
カーラのようになりたかったとエリスローズは羨望の眼差しを向ける。
『エリーナ様に目をつけられたりしないの?』
「あなたがバーバラメイド長をクビにしたあと、誰が行くかの話し合いで私が手を上げたからここにいるだけで、エリーナ様の侍女をしているのはバーバラメイド長でしたから」
『どうして手を上げてくれたの?』
「誰も行きたがらなかったからです」
『同情?』
「興味です。スラム街の方に会ったことがないので話をしてみたかったというのもありますし」
変な人だと思ったが、エリスローズにとってそれは何よりもありがたいことだった。
カーラでなければこの生活に耐えられていなかったかもしれない。
カーラはエリスローズに字を教えるとき、間違っても鞭で叩くことはしなかった。何度も根気強く「違います」と言い続けた。痛みによる支配に意味はない。そんな叱り方をするぐらいなら十回書き直させたほうがいいと言った。
『あなたはこう言われるのを嫌うだろうけど、優しい人よね』
「そう思うのはあなたが優しさを知っている優しい人だからです」
カーラの言葉にエリスローズの瞬きが増えた。
「人を優しいと思うには優しさを知っていなければそう思うことはできません。優しさの感じ方は人それぞれでしょうが、何が優しさかを知っているあなたも優しい人ということです」
『優しくしてくれる人に冷たくするような人間でも?』
「理由があるならそれも仕方のないこと。ただし、ちゃんと理由を話したほうがいいかもしれませんね」
『言っても聞いてくれない人なら?』
「説明は一度だけ。それで納得してくれないのであれば仕方ありません。あなたにもそうする理由があるのですから」
リオンは毎日通ってくれているが、エリスローズはいつも忙しいを理由に追い返している。
きっとおかしいと思っているだろうに、リオンはそれでも「忙しいのなら仕方ないね」と言って帰っていく。
もうすぐ給料日。このままでいいのだろうかと迷っていた。
『また……』
「また?」
『ッ!? あ、違います! なんでもありません!』
無意識に口に出すようにペンを走らせていたことにハッとして慌てて塗り潰して新しい言葉を書くとペンを置いた。
「今日はここまでにしましょうか」
カーラの言葉に頷いて頭を下げるとカーラは本を閉じて部屋を出る準備をする。
(一人で帰ったら怪しまれるかな……)
前に一人で帰ったことがあった。そのときはリオンが追いかけてきていつの間にか家の中にいたのだが、今回はどうだろう。
親しくしないよう言われているのに一緒の馬車に乗り込んで家に行くのは親しい間柄でなければしないことだ。
王妃も息子からあれだけ言い返されたのだから息子がしていることだとわかっているのだろうが、それを受け入れたエリスローズを許さないだろう。
かといって一人で帰って両親に怪しまれるのも嫌だし、シオンとメイをガッカリさせるのも嫌。
両親には仕事が忙しいと言えば信じるだろうが、問題はメイ。また泣いてしまうのが容易に想像できるだけにエリスローズは頭を抱えた。
「大丈夫ですか?」
まだカーラが部屋を出ていなかったことに気付いて慌てて取り繕うも遅い。
「お疲れのようでしたら今日はゆっくり休んでください。あなたは体調を崩すことだけは絶対にあってはならないことなのですから」
身代わりといえど人間。体調を崩すことぐらいあると言いたいが、絶対に許されないだろう。
誰も看病はしてくれないし、きっと薬ももらえない。気をつけなければと頷くエリスローズに頭を下げて部屋を出ていこうとしたカーラはあまりにも勢いよく開いたドアにもう少しでぶつかるところだった。
「エリー!」
息を切らせながら入ってきたリオンの表情はいつもと違って緊張しているように見えた。
片手に握りしめている紙に目がいくとエリスローズは嫌な予感に襲われる。
その手紙は誰から? もう二度と帰らないと書かれたエリーナからの手紙だったらどうしようと心臓がうるさく音を立てる。
「エリー……すぐに準備して」
なんの準備だとペンを取ったエリスローズの耳に届いた言葉。
「ロイが高熱を出して意識がないって!」
体調を崩すことはあってはならないとさっき話したばかり。それは自分だけではなく家族もそう。
スラム街の人間は弱いようで強く、強いようで弱い。
手に取ったペンが開いた手のひらから離れて床に落ちる。
耳を疑う言葉だが、リオンを疑ってはいない。大切にしている家族が高熱を出して意識不明などという悪趣味な嘘をつく人間ではないのだから。
だからこそ嫌だった。なぜロイが高熱を出したのか、今はそんなことどうでもよくて、エリスローズはノートを抱えてペンを拾い立ちあがろうとしたが、エリスローズの意思とは反対に身体が言うことを聞かない。
いつの間にか震えていた足に力が入らず床に膝をついた。
転がっていくペンを見ながらエリスローズは呼吸を乱す。
もしロイに何かあったらどうしよう。不安な考えに涙が止まらない。
「おいで」
リオンがエリスローズを抱き抱えるとカーラが拾い上げたノートとペンを受け取って馬車まで走る。
「大丈夫だよ、エリー。ロイは強い子だから。君が来るのを待ってるんだ。君が行けばすぐに目を覚ますはずだよ」
一点を見つめたまま呼吸が整わないエリスローズを抱きしめながら御者に急ぐよう伝えて馬車を飛ばさせる。
リオンの言葉はエリスローズに届いていない。
エリスローズは今、まるで走馬灯のようにロイとの思い出が流れ続けている。
震えてぶつかる歯がカチカチと音を立てるのは寒さでも緊張でもなく恐怖によるもの。
「大丈夫だよ」
家に到着するまでリオンはずっとエリスローズを抱きしめたままそう囁き続けた。
自分が怒られるだけならいい。見下されることには慣れているし、唾を吐きかけられないだけマシなぐらいだ。
だが、自分たちに良くしてくれるリオンがあんな風に責められるのは耐えられない。
王室の言いたいことはわかっている。「自分たちは好きでスラムのゴミを雇っているわけではない。苦渋の決断で雇うことを決めただけだ」と。
エリスローズもそうだ。好きで雇われているわけではない。自分たちでは寝ずに働いても手に入らない額が手に入るから雇われているだけ。
互いの利害が一致してのことであるため文句を言うなと思うが、彼らの性格など変えようがない。望んでもいない。
だから言われたことを守れば口うるさく言われることもリオンが責められることもないのだからと部屋に引きこもるようになった。
(もともと部屋から出ることなんて少なかったんだから)
字が読めるようになれば本が読めるようになった。だから退屈にはならない。話し相手がいないだけ。
「散歩にでも出掛けてはいかがです?」
カーラの言葉に首を振る。
『あそこは王太子と王太子妃のために作られた庭だから私は歩くなって』
「エヴリーヌ王妃の言いそうなことですね」
『エリーナ様の国ってそんなに大国なの? こんな無責任な王太子妃を許すぐらい支援を受けてるの?』
大体のことはリオンから聞いているが、それでも納得できない部分は多かった。
「世界で見るとそれほど大国というわけではないですが、アクティーと比べると大国ですね。エリーナ様の祖国であるオリヒオは貧困層がいないことで有名ですし」
『国自体が裕福ってこと?』
「かもしれませんね。私はオリヒオに行ったことはないのでわかりませんが、両陛下及び使用人たち全員を取り込んでしまえるだけの財力をエリーナ様が持っているということはそれだけ両親からのバックアップがあるということ」
『カーラは取り込まれなかったの?』
「私は宝石には興味ありませんし、権力に従うのも嫌なんです。誰かの味方になれば誰かに嫌われる。面倒じゃないですか、そういうの。なら最初から誰の味方もしないまま嫌われたほうがいいんです」
『そのほうが辛くない?』
「誰の味方もしていない私をズルいと思って嫌うのはその人の考え方の問題でしょうし、私の性格が気に入らなくて嫌いになったのなら馬が合わないというだけです。私を嫌う人間は私の人生には必要ありませんし、媚びてまでこの仕事を続けようとも思っていませんから。要は心構えさえあれば何も困りませんよ」
カーラはいつだって中立でいる。王家に媚びることもスラムの人間に優しくすることもしない。いつだって冷静に話をしてくれる。
媚びずに生きられたらどんなに良かっただろう。この身体を好きでもない男に見せることなく生きられたらどんなに良かっただろう。
スラム街に生まれた以上、そんな甘い考えは通用しない。そんな考えを持って生きることは死を意味するも同然。
カーラのようになりたかったとエリスローズは羨望の眼差しを向ける。
『エリーナ様に目をつけられたりしないの?』
「あなたがバーバラメイド長をクビにしたあと、誰が行くかの話し合いで私が手を上げたからここにいるだけで、エリーナ様の侍女をしているのはバーバラメイド長でしたから」
『どうして手を上げてくれたの?』
「誰も行きたがらなかったからです」
『同情?』
「興味です。スラム街の方に会ったことがないので話をしてみたかったというのもありますし」
変な人だと思ったが、エリスローズにとってそれは何よりもありがたいことだった。
カーラでなければこの生活に耐えられていなかったかもしれない。
カーラはエリスローズに字を教えるとき、間違っても鞭で叩くことはしなかった。何度も根気強く「違います」と言い続けた。痛みによる支配に意味はない。そんな叱り方をするぐらいなら十回書き直させたほうがいいと言った。
『あなたはこう言われるのを嫌うだろうけど、優しい人よね』
「そう思うのはあなたが優しさを知っている優しい人だからです」
カーラの言葉にエリスローズの瞬きが増えた。
「人を優しいと思うには優しさを知っていなければそう思うことはできません。優しさの感じ方は人それぞれでしょうが、何が優しさかを知っているあなたも優しい人ということです」
『優しくしてくれる人に冷たくするような人間でも?』
「理由があるならそれも仕方のないこと。ただし、ちゃんと理由を話したほうがいいかもしれませんね」
『言っても聞いてくれない人なら?』
「説明は一度だけ。それで納得してくれないのであれば仕方ありません。あなたにもそうする理由があるのですから」
リオンは毎日通ってくれているが、エリスローズはいつも忙しいを理由に追い返している。
きっとおかしいと思っているだろうに、リオンはそれでも「忙しいのなら仕方ないね」と言って帰っていく。
もうすぐ給料日。このままでいいのだろうかと迷っていた。
『また……』
「また?」
『ッ!? あ、違います! なんでもありません!』
無意識に口に出すようにペンを走らせていたことにハッとして慌てて塗り潰して新しい言葉を書くとペンを置いた。
「今日はここまでにしましょうか」
カーラの言葉に頷いて頭を下げるとカーラは本を閉じて部屋を出る準備をする。
(一人で帰ったら怪しまれるかな……)
前に一人で帰ったことがあった。そのときはリオンが追いかけてきていつの間にか家の中にいたのだが、今回はどうだろう。
親しくしないよう言われているのに一緒の馬車に乗り込んで家に行くのは親しい間柄でなければしないことだ。
王妃も息子からあれだけ言い返されたのだから息子がしていることだとわかっているのだろうが、それを受け入れたエリスローズを許さないだろう。
かといって一人で帰って両親に怪しまれるのも嫌だし、シオンとメイをガッカリさせるのも嫌。
両親には仕事が忙しいと言えば信じるだろうが、問題はメイ。また泣いてしまうのが容易に想像できるだけにエリスローズは頭を抱えた。
「大丈夫ですか?」
まだカーラが部屋を出ていなかったことに気付いて慌てて取り繕うも遅い。
「お疲れのようでしたら今日はゆっくり休んでください。あなたは体調を崩すことだけは絶対にあってはならないことなのですから」
身代わりといえど人間。体調を崩すことぐらいあると言いたいが、絶対に許されないだろう。
誰も看病はしてくれないし、きっと薬ももらえない。気をつけなければと頷くエリスローズに頭を下げて部屋を出ていこうとしたカーラはあまりにも勢いよく開いたドアにもう少しでぶつかるところだった。
「エリー!」
息を切らせながら入ってきたリオンの表情はいつもと違って緊張しているように見えた。
片手に握りしめている紙に目がいくとエリスローズは嫌な予感に襲われる。
その手紙は誰から? もう二度と帰らないと書かれたエリーナからの手紙だったらどうしようと心臓がうるさく音を立てる。
「エリー……すぐに準備して」
なんの準備だとペンを取ったエリスローズの耳に届いた言葉。
「ロイが高熱を出して意識がないって!」
体調を崩すことはあってはならないとさっき話したばかり。それは自分だけではなく家族もそう。
スラム街の人間は弱いようで強く、強いようで弱い。
手に取ったペンが開いた手のひらから離れて床に落ちる。
耳を疑う言葉だが、リオンを疑ってはいない。大切にしている家族が高熱を出して意識不明などという悪趣味な嘘をつく人間ではないのだから。
だからこそ嫌だった。なぜロイが高熱を出したのか、今はそんなことどうでもよくて、エリスローズはノートを抱えてペンを拾い立ちあがろうとしたが、エリスローズの意思とは反対に身体が言うことを聞かない。
いつの間にか震えていた足に力が入らず床に膝をついた。
転がっていくペンを見ながらエリスローズは呼吸を乱す。
もしロイに何かあったらどうしよう。不安な考えに涙が止まらない。
「おいで」
リオンがエリスローズを抱き抱えるとカーラが拾い上げたノートとペンを受け取って馬車まで走る。
「大丈夫だよ、エリー。ロイは強い子だから。君が来るのを待ってるんだ。君が行けばすぐに目を覚ますはずだよ」
一点を見つめたまま呼吸が整わないエリスローズを抱きしめながら御者に急ぐよう伝えて馬車を飛ばさせる。
リオンの言葉はエリスローズに届いていない。
エリスローズは今、まるで走馬灯のようにロイとの思い出が流れ続けている。
震えてぶつかる歯がカチカチと音を立てるのは寒さでも緊張でもなく恐怖によるもの。
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