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雨季3
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前のめりに倒れ込むエリンシアの身体を抱きかかえたヴァレンは、そのまま濡れた大理石の上で体勢を崩す。
背中から倒れ込み、エリンシアを庇うように抱きしめたまま、鈍い音を立てて地面に叩きつけられた。
「――ッ!」
エリンシアが息を呑む。ヴァレンの腕の中、彼の胸に顔を埋めるような形で倒れ込んだ彼女は、慌てて顔を上げた瞬間、目がヴァレンの顔に釘付けになった。
「陛下……血が……!」
エリンシアを抱きしめて滑った際、ヴァレンは大理石に側頭部を擦り、血が滲んでいた。深い傷ではないが、勢いよく倒れたことによって表皮が剥けてしまっている。
しかし、ヴァレンにとってそれはどうでもいいことだった。
「何故僕の言うことを聞かなかった!」
初めて聞くヴァレンの怒声に、エリンシアは恐怖よりも驚きが勝った。
彼は如何なるときでも冷静で、声を荒げることはしない。そんな彼が今、怒りを露わにしている。表情にも、声にも出して、エリンシアに怒っていた。
「ごめんなさい」
聞こえなかったという言い訳はしなかった。
彼の手が、震えていることに気づいたから。
「どこも打ってはいないか? 頭は? 切ってはいないか? 擦ってもいないか?」
「陛下が守ってくださったので平気です」
彼女が首を横に振ると、ホッと息を吐いた。
「よかった……」
心の底から安堵しているのがわかる反応を見せたかと思うと、ヴァレンはそのまま強く抱きしめた。
「僕はもう二度と、お前を失うわけにはいかないんだ……」
切実なる声にエリンシアは彼の腕の中で唇を噛み締める。
彼の両親は事故で亡くなった。人は簡単に亡くなってしまう。それは、どれほど権力を持っていようとも変えられないことだ。命を蘇生することはできないのだから。
彼が頭を打ったように、自分が頭を打つ可能性があった。それで意識を失うだけならいいが、そのまま帰らぬ人にでもなろうものなら──エリンシアはゾッとした。
そして、やってしまったと深い後悔に襲われていた。
また雨の日だ。雨の日にまた、彼に恐怖を味わせてしまった。それも、自分の不注意で。
背中に回した腕に力を入れてしがみつくように抱きしめた。
「ごめんなさい、陛下。本当に……」
過去のトラウマを必死に抑え込もうとしている彼に自分がまた嫌な記憶を与えることになってしまった。
唇を震わせながら謝罪をするとヴァレンが少しだけ身体を離し、エリンシアの頬に手を添えた。
「……怒鳴ってすまなかった。悪いのはお前ではなく僕なのに、お前を怒鳴りつけるなどどうかしている」
「いいえ、陛下は何も悪くありません」
何度も首を振って否定すると、添えていた手がゆっくりと動き、頬を撫でる。
「雨を嫌う僕が一人で外にいたから、お前は心配して駆け出したのだろう?」
「でも、走るべきではありませんでした。滑るとわかっていたのですから」
「それはそうだ。だが、それだけお前は自制できないほど僕への心配が勝った。それなのに僕はお前を怒鳴りつけてしまった。少し考えればわかることなのに……愚かな僕を許してくれ」
雨に混ざって涙が溢れる。こんなにも優しい人を傷つけた自分の愚かさを呪ってしまいたいぐらいに、エリンシアは後悔していた。
「雨の日に大理石を走ってしまった愚かな私をお許しください」
「当然だ」
優しい声に何度も頷くと唇が重なる。
雨は冷たいのに、唇だけがやけに熱く感じた。
「中に入ろう。お前が風邪をひいては大変だ」
「陛下がお風邪を召すほうが大変です」
「僕が風邪をひけばお前が看病してくれる。それは良いことだ」
甘える姿が見られるだろうかと想像する一方、彼が風邪をひいたときも彼の両親は狼狽えることはなかったのだろうと、勝手な想像ではあるが、胸が痛んだ。
立ち上がり、傘を拾い直そうとしたとき、執事が拾って二人に差し出した。
「大丈夫ですか?」
顔は相当焦っているが、声は静かなものだった。彼自身、どうしていいのかわからなかったのだろう。
王と王妃が転んだ。それでも、助け起こしにはいけなかった。
こんな状況でも、ヴァレンは誰かがエリンシアに触れることは許さないと思ったから。
「問題ない。だが、すぐにエリンシアを湯浴みをさせる」
「準備しております」
「陛下の傷の手当てが先です」
「僕はいい。なんてことはない擦り傷だろう」
「すぐにしてください。傷が化膿したらどうするのですか」
「傷に汚れがついていたとしても雨が既に流している」
「そういう問題ではありません」
「お前が湯浴みに行ったら僕も手当てを受ける」
エリンシアは即座にかぶりを振った。明確なる拒絶を見せながら言い放つ。
「信用できません」
「なんだと……?」
「陛下がご自分のことを私同様に大切にするお方であれば、私も信用して湯浴みに行きます。ですが、陛下はご自分のことはどうでもいいと粗末に扱われます。ですから、手当てを受ける様を見届けてから湯浴みに行きます」
ハッキリ告げるエリンシアをヴァレンは見つめたまま言い返す。
「僕の手当てを見届けている間にお前が風邪をひいたらどうするつもりだ? 僕に心配させたいのか? 国中の祈祷師を呼んで、お前の風邪が治るまで祈祷させるぞ」
絶対にやりかねない。それは容易に想像がつく。だが、エリンシアもその脅しで引きはしない。
「陛下、陛下があれほど感情的になられた理由はなんですか?」
「お前を失うわけにはいかなかったからだ」
「私も同じです」
「それは大袈裟だ」
「感染症を患ったら……?」
ヴァレンはすぐに返事をしなかった。大袈裟だとは思っている。しかし、エリンシアの表情と声があまりにも真剣で、どこか悲痛ささえも感じさせるから、容易に「大袈裟だ」とは言えなかったのだ。
「陛下がしないと言えば、誰も強制的に手当てをすることはできません。それは陛下もおわかりでしょう……?」
「……わかっている」
「私の愚かさを許すとおっしゃってくださいました。それなら、どうか、私にこれ以上の後悔をさせないでください。もしも、がないようにしてください」
自分に何かあったとき、エリンシアは「あのとき自分が走らなければ」と後悔をすることはヴァレンも容易に想像がつく。
だからこそ、ヴァレンはエリンシアの言葉に頷いた。
「わかった。手当てを受けると約束する。だからお前は湯浴みに行け」
ここまで言ってわからない人ではないと、エリンシアも素直に頷いた。
ドアの側でタオルを持って待っていた使用人に近づくと、エリンシアはヴァレンに会釈をしてから湯浴みに行った。
「手当てのあと、陛下もすぐに湯浴みに」
ヴァレンはすぐに手当てを受けた。エリンシアに後悔をさせないために。
エリンシアが走らなければ怪我はしなかった。そういった思いは彼の中には微塵もなく、むしろその理由を考えると嬉しいとすら感じていた。
互いに湯浴みを終え、執事からの進言で二人は休むことになった。
「ありがとうございます、陛下」
「何についての礼だ?」
「手当てを受けてくださったことについてです」
「お前に風邪をひかせるわけにはいかなかったし、妻の願いを断るほど僕の愛は小さくない」
「ふふっ、そうですね」
ただ転ぶだけ。そこには尖った石も何もないのに、ヴァレンは驚き、声を上げた。
感情がないわけではなく、抑圧されてきたせいで出せないだけだと確信した出来事だった。
「痛みはありませんか?」
「何故そんなことを気にする?」
怪我をさせてしまったのだから気にするのは当然ではないだろうかと首を傾げるエリンシアを見つめるヴァレンが側頭部に触れる。
「お前も知っているだろう。僕は痛みを感じない」
「え……」
まるで今初めて知ったような反応を見せるエリンシアにヴァレンが言った。
「僕は先天性の無痛症だ」
衝撃に口を押さえるエリンシアは目を見開いた。
背中から倒れ込み、エリンシアを庇うように抱きしめたまま、鈍い音を立てて地面に叩きつけられた。
「――ッ!」
エリンシアが息を呑む。ヴァレンの腕の中、彼の胸に顔を埋めるような形で倒れ込んだ彼女は、慌てて顔を上げた瞬間、目がヴァレンの顔に釘付けになった。
「陛下……血が……!」
エリンシアを抱きしめて滑った際、ヴァレンは大理石に側頭部を擦り、血が滲んでいた。深い傷ではないが、勢いよく倒れたことによって表皮が剥けてしまっている。
しかし、ヴァレンにとってそれはどうでもいいことだった。
「何故僕の言うことを聞かなかった!」
初めて聞くヴァレンの怒声に、エリンシアは恐怖よりも驚きが勝った。
彼は如何なるときでも冷静で、声を荒げることはしない。そんな彼が今、怒りを露わにしている。表情にも、声にも出して、エリンシアに怒っていた。
「ごめんなさい」
聞こえなかったという言い訳はしなかった。
彼の手が、震えていることに気づいたから。
「どこも打ってはいないか? 頭は? 切ってはいないか? 擦ってもいないか?」
「陛下が守ってくださったので平気です」
彼女が首を横に振ると、ホッと息を吐いた。
「よかった……」
心の底から安堵しているのがわかる反応を見せたかと思うと、ヴァレンはそのまま強く抱きしめた。
「僕はもう二度と、お前を失うわけにはいかないんだ……」
切実なる声にエリンシアは彼の腕の中で唇を噛み締める。
彼の両親は事故で亡くなった。人は簡単に亡くなってしまう。それは、どれほど権力を持っていようとも変えられないことだ。命を蘇生することはできないのだから。
彼が頭を打ったように、自分が頭を打つ可能性があった。それで意識を失うだけならいいが、そのまま帰らぬ人にでもなろうものなら──エリンシアはゾッとした。
そして、やってしまったと深い後悔に襲われていた。
また雨の日だ。雨の日にまた、彼に恐怖を味わせてしまった。それも、自分の不注意で。
背中に回した腕に力を入れてしがみつくように抱きしめた。
「ごめんなさい、陛下。本当に……」
過去のトラウマを必死に抑え込もうとしている彼に自分がまた嫌な記憶を与えることになってしまった。
唇を震わせながら謝罪をするとヴァレンが少しだけ身体を離し、エリンシアの頬に手を添えた。
「……怒鳴ってすまなかった。悪いのはお前ではなく僕なのに、お前を怒鳴りつけるなどどうかしている」
「いいえ、陛下は何も悪くありません」
何度も首を振って否定すると、添えていた手がゆっくりと動き、頬を撫でる。
「雨を嫌う僕が一人で外にいたから、お前は心配して駆け出したのだろう?」
「でも、走るべきではありませんでした。滑るとわかっていたのですから」
「それはそうだ。だが、それだけお前は自制できないほど僕への心配が勝った。それなのに僕はお前を怒鳴りつけてしまった。少し考えればわかることなのに……愚かな僕を許してくれ」
雨に混ざって涙が溢れる。こんなにも優しい人を傷つけた自分の愚かさを呪ってしまいたいぐらいに、エリンシアは後悔していた。
「雨の日に大理石を走ってしまった愚かな私をお許しください」
「当然だ」
優しい声に何度も頷くと唇が重なる。
雨は冷たいのに、唇だけがやけに熱く感じた。
「中に入ろう。お前が風邪をひいては大変だ」
「陛下がお風邪を召すほうが大変です」
「僕が風邪をひけばお前が看病してくれる。それは良いことだ」
甘える姿が見られるだろうかと想像する一方、彼が風邪をひいたときも彼の両親は狼狽えることはなかったのだろうと、勝手な想像ではあるが、胸が痛んだ。
立ち上がり、傘を拾い直そうとしたとき、執事が拾って二人に差し出した。
「大丈夫ですか?」
顔は相当焦っているが、声は静かなものだった。彼自身、どうしていいのかわからなかったのだろう。
王と王妃が転んだ。それでも、助け起こしにはいけなかった。
こんな状況でも、ヴァレンは誰かがエリンシアに触れることは許さないと思ったから。
「問題ない。だが、すぐにエリンシアを湯浴みをさせる」
「準備しております」
「陛下の傷の手当てが先です」
「僕はいい。なんてことはない擦り傷だろう」
「すぐにしてください。傷が化膿したらどうするのですか」
「傷に汚れがついていたとしても雨が既に流している」
「そういう問題ではありません」
「お前が湯浴みに行ったら僕も手当てを受ける」
エリンシアは即座にかぶりを振った。明確なる拒絶を見せながら言い放つ。
「信用できません」
「なんだと……?」
「陛下がご自分のことを私同様に大切にするお方であれば、私も信用して湯浴みに行きます。ですが、陛下はご自分のことはどうでもいいと粗末に扱われます。ですから、手当てを受ける様を見届けてから湯浴みに行きます」
ハッキリ告げるエリンシアをヴァレンは見つめたまま言い返す。
「僕の手当てを見届けている間にお前が風邪をひいたらどうするつもりだ? 僕に心配させたいのか? 国中の祈祷師を呼んで、お前の風邪が治るまで祈祷させるぞ」
絶対にやりかねない。それは容易に想像がつく。だが、エリンシアもその脅しで引きはしない。
「陛下、陛下があれほど感情的になられた理由はなんですか?」
「お前を失うわけにはいかなかったからだ」
「私も同じです」
「それは大袈裟だ」
「感染症を患ったら……?」
ヴァレンはすぐに返事をしなかった。大袈裟だとは思っている。しかし、エリンシアの表情と声があまりにも真剣で、どこか悲痛ささえも感じさせるから、容易に「大袈裟だ」とは言えなかったのだ。
「陛下がしないと言えば、誰も強制的に手当てをすることはできません。それは陛下もおわかりでしょう……?」
「……わかっている」
「私の愚かさを許すとおっしゃってくださいました。それなら、どうか、私にこれ以上の後悔をさせないでください。もしも、がないようにしてください」
自分に何かあったとき、エリンシアは「あのとき自分が走らなければ」と後悔をすることはヴァレンも容易に想像がつく。
だからこそ、ヴァレンはエリンシアの言葉に頷いた。
「わかった。手当てを受けると約束する。だからお前は湯浴みに行け」
ここまで言ってわからない人ではないと、エリンシアも素直に頷いた。
ドアの側でタオルを持って待っていた使用人に近づくと、エリンシアはヴァレンに会釈をしてから湯浴みに行った。
「手当てのあと、陛下もすぐに湯浴みに」
ヴァレンはすぐに手当てを受けた。エリンシアに後悔をさせないために。
エリンシアが走らなければ怪我はしなかった。そういった思いは彼の中には微塵もなく、むしろその理由を考えると嬉しいとすら感じていた。
互いに湯浴みを終え、執事からの進言で二人は休むことになった。
「ありがとうございます、陛下」
「何についての礼だ?」
「手当てを受けてくださったことについてです」
「お前に風邪をひかせるわけにはいかなかったし、妻の願いを断るほど僕の愛は小さくない」
「ふふっ、そうですね」
ただ転ぶだけ。そこには尖った石も何もないのに、ヴァレンは驚き、声を上げた。
感情がないわけではなく、抑圧されてきたせいで出せないだけだと確信した出来事だった。
「痛みはありませんか?」
「何故そんなことを気にする?」
怪我をさせてしまったのだから気にするのは当然ではないだろうかと首を傾げるエリンシアを見つめるヴァレンが側頭部に触れる。
「お前も知っているだろう。僕は痛みを感じない」
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