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天秤
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立花柊は驚いていた。全てに。
準備が整ったと連絡を受けたのは二日前。朝食が終わった頃に向かいましょうと言われ、九時過ぎ頃にホテル前に迎えが来た。
よく走る道から走った事がない道へと曲がり、そこから山へと向かう。ガードレールのない細い道。下手をすれば一瞬で人生の幕引きだろう事故を迎えるような道へと入っていく。そこからは車とすれ違うことはなく、既に皇家の私有地に入ったのかと思うほど静かだった。
十五分ほど山道を走った後、車が止まった。
「少々お待ちください」
運転席から降りて車の前を歩く山井が【ここから先、私有地につき許可無く立ち入る事を禁じる】と書いてある看板の奥に引いてある鎖を外して戻ってきた。
「ここから私有地ですか?」
「ここから車で三十分ほど走ると皇家がございます」
私有地に入って三十分も走らなければ着かない家など想像もつかない。車に乗ってから既に結構な時間が経っているのにここからまだ三十分はかかる。都会の道路のようにキレイに整備されているわけではなく、かといって全く整備されていないというわけでもない。ある程度は地面を均した感じ。
山道を上がっていく車の中から振り返ると住み慣れた街は既に見えなくなっていた。あるのはよく育っている木々ばかり。どこに街があるのかといったところ。
運転しなれた道を走るのにナビは必要ない。今何時だとスマホを確認すると電波は既に届いていない状態。もし椿にスマホを持たせていたとしても通じなかっただろう。
家を売りに出して、引き止められた会社を強引に辞めて、本当に必要な荷物だけをまとめると意外にもボストンバッグ一個で足りた。
あとは椿をこの手に取り戻せば完了。でもそこが最難関。頼れるのは山井だけ。不安だった。
「ご覚悟いただきたいのですが、椿様は貴方様が知る頃の元気な姿ではございません」
「どういうこと、ですか?」
不穏な言葉に緊張が走る。
「当主である葵様への反抗のため、椿お嬢様は食べることを拒否しました」
「いつから……?」
「十日とちょっと、でしょうか」
あの細い身体で食事をやめたとなると病的な細さになるまであっという間。そろそろ衰弱が見られる頃だ。
柊の思い出の中の椿はいつも笑顔だった。旦那様と愛らしい笑顔で呼んでくれた元気な姿。衰弱している姿など想像もつかない。
「大丈夫です。ゆっくり戻していきますから」
柊はハッキリ答えた。やはりあんな家にいるのは良くない。帰すべきではなかった。何を失っても彼女だけは守るべきだったのに。押し寄せる後悔に拳を握る。
「その言葉、確かにお聞きしましたよ」
急勾配の坂を上がったあと、緩やかになっていく坂の先で車が止まった。門を開ける使用人を見て山井が頷くと彼らも頷いた。山井には仲間がいた。当主のやり方に不満を持っていた者か、それとも椿の味方か。後者なら嬉しい。成功する確率が上がる可能性があるからではなく、一人ぼっちだと思っていた椿に味方がいたということか。当主に逆らえないのだとしても、椿にそれが伝わっていればいい。
「では、行きましょうか」
剣も盾もない丸腰で決戦の地に降り立つ気分。
相手は最強の武器を手にしているラスボス。勝てるだろうかと不安に苛まれている暇はない。やり直すためのセーブポイントは過ぎてしまったのだから。
ファンタジー脳な自分に笑ってしまいそうになりながら車から降りて地面に足をつけて立ち上がる。
大きな蔵。あそこに椿がいる。弱りきった、衰弱しているだろう椿が。今すぐにでも駆け出したくなる。でも今は自分の感情を優先して山井の邪魔をするわけにはいかない。
「山井……」
奥から出てきた女性に柊は驚いた。祖母というイメージからは程遠い。老婆と呼ぶことさえ失礼にあたる外見はまだ六十代にも達していないだろう中年女性に見えた。
もし彼女が見目どおりの年齢であれば椿が全てを諦めるのも仕方ないと思った。彼女はこれからまだ三十年は生きるだろう。長ければもう十年は加算する。その頃、椿はようやく今の祖母ぐらいの年齢。逃げ出すには遅すぎる。
あと三十年もこの祖母が権力を持ち続けるのであれば絶望の中で生きていくのは間違いない。嫁に出て家を離れるわけではなく、婿を迎えてこの家に留まるのだから地獄からの脱出は一生望めない。
ここまで楽な人生を歩ませてもらいながら堅苦しい家が嫌で帰省すらしない自分とは違う。比べるのもおこがましい程の地獄。話でしか聞いた事がなかった柊でさえ、この瞬間に肌で感じられた。
先陣を切るのは山井。人差し指を立てて打って出た。
「まず第一に」
「第一? まるで要求するような言い方じゃないか」
「ええ、いくつか要求を持って参りました」
「私がお前如きの要求をのむと本気で思っているのかい?」
「それはあなたのご判断に任せます。私は持ってきた要求をお伝えするまでのこと」
冷静。山井を一言で表すならそれしかないだろう。
半世紀以上をこの家で過ごしてきた山井は皇葵よりも多くの秘密を知っている。表に出せないような事も全て。部外者となった今、それを公にしたところで山井が被る被害はない。怒りや非難の矛先は全て現当主である葵に向く。それをわかっている上での態度に表情が歪む。
「ご理解いただけたようですね。ではまず第一に、彼、立花柊の椿お嬢様への謁見を許可願います」
「お前はもう部外者だ。椿をお嬢様などと呼ぶのは──」
「回答をお願いします」
ギリッと歯を鳴らす。
「……椿は今……」
嘘を吐こうとして口を閉じたのは山井の言葉を思い出したから。彼は言った。『警察に椿様のご様子を見せる事ができるのですか?』と。彼はこの一ヶ月間の動きを知っている。使用人の中に山井と連絡を取っていた裏切り者がいる。誰だと門の前に立つ二人の使用人を睨むと同じ反応を見せた。自分が睨めば全員が同じ反応をするためこれだけではわからない。
全て筒抜の、格下の相手に嘘をつく事は逃げも同然。皇家当主である自分が隠すための嘘をつくなどあり得ないと睨みつける。
「いかがなさいました? ご返答を」
「会ってどうするつもりだ? 鳳殿との入籍が三日後に控えている事はお前も知っているだろう。今更その男が椿に会ったところで現実は変わらんぞ」
「現実は現実。ええ、それは理解しておりますとも。ですが、会うことに意味がある。あなたも考えておられたのではありませんか? 今の椿お嬢様に必要なのは彼だと」
「ッ! 私が……この私がお前如きが考えつくような安易な方法を選ぶと思っているのか! 馬鹿にするな!」
「おやおや、感情が乱れておりますよ。皇家当主ともあろうお方がなんと恥ずかしい。感情を抑える事は当主として当然の事。何時如何なる時も感情を乱してはなりません」
わなわなと震える拳。相手が椿なら問答無用で振り下ろしていたが、相手は部外者となった者。手を上げたその瞬間に山井は行動に出るだろう。警察を呼んで、傷害罪として訴える。山井に加担する使用人がいる以上、その行動はどこから監視されているのかわからない。警察をどこまで抑えられるのか。最近の警察は権力を振りかざされる事を嫌うため安易に使用できない。
山井はそれらを理解した上で挑発まがいの言葉を発している。憎らしい。
「行けばいいだろう……。どうせ会ったところで何も変わらぬ!! 椿はお前を拒むだろう!! 今の己の姿を見られたくはないだろうからな!!」
響き渡る怒声は喉が裂けるのではないかと思うほどで、使用人達が怯える。
「行ってください」
「はい」
駆け出したいと逸る気持ちを抑えて蔵へと向かった。
下げる必要のない頭を下げる使用人達の横を通り過ぎて蔵の中へと入っていく。今はまだ午前中。今日はよく晴れた雲ひとつない快晴だというのに、蔵の中は薄暗かった。
壁に沿った本棚。その前に押しやられたちゃぶ台。その上に食器の代わりに置かれた本が積み上げられている。奥には丁度半分ほど消費された太い蝋燭。天井を見上げても電気はない。それほど広くはない蔵の中。椿がどこにいるのか見つけるのは簡単だった。奥に敷かれた布団。盛り上がったその中に椿がいる。
「椿」
布団がピクリと動いた。
準備が整ったと連絡を受けたのは二日前。朝食が終わった頃に向かいましょうと言われ、九時過ぎ頃にホテル前に迎えが来た。
よく走る道から走った事がない道へと曲がり、そこから山へと向かう。ガードレールのない細い道。下手をすれば一瞬で人生の幕引きだろう事故を迎えるような道へと入っていく。そこからは車とすれ違うことはなく、既に皇家の私有地に入ったのかと思うほど静かだった。
十五分ほど山道を走った後、車が止まった。
「少々お待ちください」
運転席から降りて車の前を歩く山井が【ここから先、私有地につき許可無く立ち入る事を禁じる】と書いてある看板の奥に引いてある鎖を外して戻ってきた。
「ここから私有地ですか?」
「ここから車で三十分ほど走ると皇家がございます」
私有地に入って三十分も走らなければ着かない家など想像もつかない。車に乗ってから既に結構な時間が経っているのにここからまだ三十分はかかる。都会の道路のようにキレイに整備されているわけではなく、かといって全く整備されていないというわけでもない。ある程度は地面を均した感じ。
山道を上がっていく車の中から振り返ると住み慣れた街は既に見えなくなっていた。あるのはよく育っている木々ばかり。どこに街があるのかといったところ。
運転しなれた道を走るのにナビは必要ない。今何時だとスマホを確認すると電波は既に届いていない状態。もし椿にスマホを持たせていたとしても通じなかっただろう。
家を売りに出して、引き止められた会社を強引に辞めて、本当に必要な荷物だけをまとめると意外にもボストンバッグ一個で足りた。
あとは椿をこの手に取り戻せば完了。でもそこが最難関。頼れるのは山井だけ。不安だった。
「ご覚悟いただきたいのですが、椿様は貴方様が知る頃の元気な姿ではございません」
「どういうこと、ですか?」
不穏な言葉に緊張が走る。
「当主である葵様への反抗のため、椿お嬢様は食べることを拒否しました」
「いつから……?」
「十日とちょっと、でしょうか」
あの細い身体で食事をやめたとなると病的な細さになるまであっという間。そろそろ衰弱が見られる頃だ。
柊の思い出の中の椿はいつも笑顔だった。旦那様と愛らしい笑顔で呼んでくれた元気な姿。衰弱している姿など想像もつかない。
「大丈夫です。ゆっくり戻していきますから」
柊はハッキリ答えた。やはりあんな家にいるのは良くない。帰すべきではなかった。何を失っても彼女だけは守るべきだったのに。押し寄せる後悔に拳を握る。
「その言葉、確かにお聞きしましたよ」
急勾配の坂を上がったあと、緩やかになっていく坂の先で車が止まった。門を開ける使用人を見て山井が頷くと彼らも頷いた。山井には仲間がいた。当主のやり方に不満を持っていた者か、それとも椿の味方か。後者なら嬉しい。成功する確率が上がる可能性があるからではなく、一人ぼっちだと思っていた椿に味方がいたということか。当主に逆らえないのだとしても、椿にそれが伝わっていればいい。
「では、行きましょうか」
剣も盾もない丸腰で決戦の地に降り立つ気分。
相手は最強の武器を手にしているラスボス。勝てるだろうかと不安に苛まれている暇はない。やり直すためのセーブポイントは過ぎてしまったのだから。
ファンタジー脳な自分に笑ってしまいそうになりながら車から降りて地面に足をつけて立ち上がる。
大きな蔵。あそこに椿がいる。弱りきった、衰弱しているだろう椿が。今すぐにでも駆け出したくなる。でも今は自分の感情を優先して山井の邪魔をするわけにはいかない。
「山井……」
奥から出てきた女性に柊は驚いた。祖母というイメージからは程遠い。老婆と呼ぶことさえ失礼にあたる外見はまだ六十代にも達していないだろう中年女性に見えた。
もし彼女が見目どおりの年齢であれば椿が全てを諦めるのも仕方ないと思った。彼女はこれからまだ三十年は生きるだろう。長ければもう十年は加算する。その頃、椿はようやく今の祖母ぐらいの年齢。逃げ出すには遅すぎる。
あと三十年もこの祖母が権力を持ち続けるのであれば絶望の中で生きていくのは間違いない。嫁に出て家を離れるわけではなく、婿を迎えてこの家に留まるのだから地獄からの脱出は一生望めない。
ここまで楽な人生を歩ませてもらいながら堅苦しい家が嫌で帰省すらしない自分とは違う。比べるのもおこがましい程の地獄。話でしか聞いた事がなかった柊でさえ、この瞬間に肌で感じられた。
先陣を切るのは山井。人差し指を立てて打って出た。
「まず第一に」
「第一? まるで要求するような言い方じゃないか」
「ええ、いくつか要求を持って参りました」
「私がお前如きの要求をのむと本気で思っているのかい?」
「それはあなたのご判断に任せます。私は持ってきた要求をお伝えするまでのこと」
冷静。山井を一言で表すならそれしかないだろう。
半世紀以上をこの家で過ごしてきた山井は皇葵よりも多くの秘密を知っている。表に出せないような事も全て。部外者となった今、それを公にしたところで山井が被る被害はない。怒りや非難の矛先は全て現当主である葵に向く。それをわかっている上での態度に表情が歪む。
「ご理解いただけたようですね。ではまず第一に、彼、立花柊の椿お嬢様への謁見を許可願います」
「お前はもう部外者だ。椿をお嬢様などと呼ぶのは──」
「回答をお願いします」
ギリッと歯を鳴らす。
「……椿は今……」
嘘を吐こうとして口を閉じたのは山井の言葉を思い出したから。彼は言った。『警察に椿様のご様子を見せる事ができるのですか?』と。彼はこの一ヶ月間の動きを知っている。使用人の中に山井と連絡を取っていた裏切り者がいる。誰だと門の前に立つ二人の使用人を睨むと同じ反応を見せた。自分が睨めば全員が同じ反応をするためこれだけではわからない。
全て筒抜の、格下の相手に嘘をつく事は逃げも同然。皇家当主である自分が隠すための嘘をつくなどあり得ないと睨みつける。
「いかがなさいました? ご返答を」
「会ってどうするつもりだ? 鳳殿との入籍が三日後に控えている事はお前も知っているだろう。今更その男が椿に会ったところで現実は変わらんぞ」
「現実は現実。ええ、それは理解しておりますとも。ですが、会うことに意味がある。あなたも考えておられたのではありませんか? 今の椿お嬢様に必要なのは彼だと」
「ッ! 私が……この私がお前如きが考えつくような安易な方法を選ぶと思っているのか! 馬鹿にするな!」
「おやおや、感情が乱れておりますよ。皇家当主ともあろうお方がなんと恥ずかしい。感情を抑える事は当主として当然の事。何時如何なる時も感情を乱してはなりません」
わなわなと震える拳。相手が椿なら問答無用で振り下ろしていたが、相手は部外者となった者。手を上げたその瞬間に山井は行動に出るだろう。警察を呼んで、傷害罪として訴える。山井に加担する使用人がいる以上、その行動はどこから監視されているのかわからない。警察をどこまで抑えられるのか。最近の警察は権力を振りかざされる事を嫌うため安易に使用できない。
山井はそれらを理解した上で挑発まがいの言葉を発している。憎らしい。
「行けばいいだろう……。どうせ会ったところで何も変わらぬ!! 椿はお前を拒むだろう!! 今の己の姿を見られたくはないだろうからな!!」
響き渡る怒声は喉が裂けるのではないかと思うほどで、使用人達が怯える。
「行ってください」
「はい」
駆け出したいと逸る気持ちを抑えて蔵へと向かった。
下げる必要のない頭を下げる使用人達の横を通り過ぎて蔵の中へと入っていく。今はまだ午前中。今日はよく晴れた雲ひとつない快晴だというのに、蔵の中は薄暗かった。
壁に沿った本棚。その前に押しやられたちゃぶ台。その上に食器の代わりに置かれた本が積み上げられている。奥には丁度半分ほど消費された太い蝋燭。天井を見上げても電気はない。それほど広くはない蔵の中。椿がどこにいるのか見つけるのは簡単だった。奥に敷かれた布団。盛り上がったその中に椿がいる。
「椿」
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