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序章
魔物の定義と海ゴブリン
しおりを挟む「今日は何をしてるんだコナー?」
「釣った魔物の記録です。水族館ができた時に必要なので。」
「水族館というのはそんなものまで必要なのか。ふむ……本部から資料を盗んできてもバレないか……。」
ジョゼフさんが小声で不穏なことを言っているのをききながし。ジョゼフさんに質問をした。
「ところでジョゼフさん。どうして海の生き物は魔物と呼ばれているのでしょうか?姿や形が違うので一緒にするのに少し違和感があるのですが。」
「あー、そういうのは俺じゃなくてナディアに聞いてくれ。」
おれは受付でナディアさんに同じ質問をした
「そうねぇ……一言で表すと人間の脅威かどうかかしら?」
「人間の脅威?」
「例えば私たちが食べてる牛や豚、鳥なんかの家畜化されてる生き物は魔物って呼ばれないけど。魔物の中にはコカトリスやオークそれにミノタウロスなんかの家畜化された生き物と似た特徴を持つ生き物も多く存在してるの。」
「でも海の生き物の多くは人間に何もしてませんよ?」
「そうね。けど人って知らないものが怖いのよ。昔は今よりも海の調査が行われてたんだけど危険性が高いって中止されちゃったのよね。中止されてなければ今頃は多くの生き物が魔物と呼ばれず食卓に並んでいたでしょうね。」
つまりはタコなどの生き物が外国でデビルフィッシュと呼ばれるようなものなのであろう。知らない生き物や一度抱いた印象は人の心からなかなか消えることはない。
「だから私ね!コナーくんの夢の話聞いた時感動しちゃったの!海の生き物のことを誰でも見ることができるようになれば、海に興味を持つ人が増えるし、海の生き物への誤解も解けると思ったの!私たちにできることがあったらなんでも言ってね!ギルドの仲間として協力は惜しまないわ!」
「ありがとうございます!でしたら、よかったらなんですが、ギルドの一角を借りてもいいですか?」
「別にいいけど何に使うの?」
「試しにギルドで海の魔物の飼育ができないか試したくて。」
「わかったわ。ジョゼフさんには私から話しておくから好きに使っていいわよ。」
俺はナディアさんにお礼をいい飼育するために必要な道具を買い揃えた。安壺二つに魚の餌にする虫。虫はこの世界だと食料として認知されており比較的安い値段で大量に買えた。あとは大量の塩だけなのだが……。
「あら?塩が必要なの?塩ならギルドに大量にあるから好きなだけ使ってちょうだい!」
この世界では高価な塩だったが、ナディアさんに相談したところ塩の製造も海洋調査ギルドの仕事らしく好きなだけ使ってもいいと言われた。
━━━━━翌日━━━━━
海洋調査ギルドは新種の発見のために海へ出た。俺はクロと海岸に残り浅瀬にいる小魚を捕まえていた。
「私は乗り物酔いしなくてすむから助かったけど。コナーは船に乗らなくて良かったの?船の方が大きな魔物捕まえられたんじゃない?」
「大きいのは飼育が大変そうだからな。まずは小さいのから徐々にだな。……!?クロ危ない!」
小魚を捕まえるのに夢中になり海から近づいてくる影に気づかなかった。
「海ゴブリン!それも六匹!?」
クロを庇った俺は棍棒のようなもので殴られ、左腕を負傷してしまった。
「大丈夫コナー!」
「俺のことはいいから、魔力を練って魔法を撃て!」
俺はクロの前に立ち、負傷した腕を庇うように片手で剣を構える。この世界ではファンタジーでよくある長い詠唱のようなものは必要ないのだがら魔力を練るのに時間がかかる。それまでの時間を稼がなくては。
海ゴブリンが一匹また一匹と俺とクロに襲いかかってきた。一匹目のゴブリンは体をひねり攻撃がからぶったところに剣を突き刺して倒した。
二匹目のゴブリンの攻撃は他のゴブリンがクロに近づかないよう警戒していたところに横腹へ一撃を入れられたが何とか横に切り裂いた。
「コナー!準備できたよ!」
クロの声を聞きつけ俺は横に飛び退いた。
「ファイアーランス!」
クロが魔法を唱えると、複数の炎でできた槍が出現しゴブリンの足元で大きな爆発を起こした。
「やっぱりクロの魔法の威力はすごいな!」
この世界では空・炎・大地・水・光・闇そして例外で雷属性の魔法が存在している。雷は神の魔法と言われているので使えないのは当然としても、他の六属性を使いこなすクロは間違いなく魔法の天才といえるだろう。
「コナーが守ってくれたおかげだよ……怪我した腕治すからちょっと見せて。」
クロが俺の腕を治そうとしてこちらに歩いてきたその時だった。
「ウォータースピア!」
魔法を唱える声が聞こえたと思うとクロの魔法でできた穴の中から、一匹のゴブリンが頭を魔法で撃ち抜かれ飛び出してきた。
「コナー!最後まで油断しちゃダメだよ。」
声のする方を見るとあの時の人魚の姿がそこにはあった。
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