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魔人襲来編
旅の仲間
しおりを挟む「現在わかっている神の所在は二つで、炎の神アハウ様がここから南西にあるドワーフが住む集落の近くにある火山で眠っています。火山にはアハウ様を守るリザードマンたちが大勢いて近づくのに苦労すると思われます。」
「そしてもう一つがここから南東にある、エルフや妖精の住む大森林の奥地、そこには大地の神カウイルが眠っています。リザードマンのように厳重に守られている訳ではありませんが、大森林は奥に進むほど生き物のサイズが大きくなっていくので肉食獣にはお気をつけください。」
「これが現在わかっている神の所在の全てです。私は一度ルミエル様の元に報告に帰ります。ではコナー様、マルク王後のことは頼みますよ。」
そういうと天使は窓から飛び立ち応接間には俺とマルク様だけが残された。
「コナーくん。明日は君のご両親も城に招いて君のことについて話そうと思っている。客室を貸すから今日はもう休みなさい。」
俺はお言葉に甘え城の客室で一夜を明かした。次の日の朝、城で普段食べないような豪華な食事を取り。城の執事に父と母が到着したことを伝えられ応接間へと向かった。応接間では父と母、それとマルク王とジョゼフさんが席に座り俺が来るのを待っていた。
「コナーくん、君はご両親の隣に座ってくれ。」
マルク王の言葉通りに緊張した顔つきの父と母に挟まれるように席に着いた。
「コナーくんが席に着いたところで、先程までの話をもう一度させていただきます。コナーくんには雷の神チャク様の魔力を炎、大地、海、大空の神から回収してもらい。雷の魔力を使い魔物を一掃してもらいます。危険な旅になるのでお父様とお母様にお声がけさせていただきました。」
父と母は少し考え、母が先に口を開いた。
「コナー……水族館を作るって夢はどうするの?そんなことしなくてもお父さんとお母さんと暮らすんじゃダメ?」
「ダメだよ母さん。水族館を作ったって、見に来てくれた人が笑顔になんなきゃ、作る意味がないんだ。みんなが笑顔になるには、俺が神様から魔力貰い、魔物を一掃して、闇の神の力を削ぐ必要があるんだよ。」
「でも……」
俺の必死の説明でも母さんは納得しきってはくれないようだ。
「マルク王、雷の魔力をコナーが手に入れても、コナーの体に影響はないのですよね?」
「もちろんです。それは光の神の眷属エクレレ様に確認を取りました。」
「だったら、俺たちから言うことはありません。母さんコナーの覚悟を尊重してやらないか?」
父さんが旅を許し、母さんを説得すると、母さんは大粒の涙を流し俺を抱きしめた。
「コナー……私だってコナーの邪魔をしたいわけじゃないの、それはわかってちょうだいね。」
「……わかってるよ、母さん。」
母さんが俺を抱きしめ、ひとしきり泣くと、マルク王に向き直った。
「……それで……国が大変なようですが。コナーの旅の支援はどれくらいしていただけるのでしょうか?」
母さんが旅を認めてくれたことにマルク王は安心した様子をみせ、父と母に支援の内容について説明をした。
「……お言葉の通り、先のパベティアと名乗る魔人の襲撃でこの国は大きな被害にあい、コナーくんに貸すことができる力はそれほど多くはありません。」
マルク王が執事に合図をすると、執事が扉を開き四名の男女が応接間の中に入ってきた。
「冒険者ギルドのS級冒険者、海洋調査ギルド、そしてドラン王国の兵士二十名はそれぞれドワーフの集落、エルフの住む大森林、魚人の国に向かってもらっています。コナーくんが着いた時には円滑に話が進むと思われます。」
そういうとマルク王は立ち上がり、見覚えのある三人と一人の横に並んだ。
「そして、それぞれの組織にコナーくんが旅をすることを伝えたところ、手助けをしたいとこの三人が志願をしてくれた。三人に関しては私より君の方が詳しいだろう。」
そこに立っていたのはクロエと海に帰ったと思っていたシルヴィ、それと海ゴブリンの時に溺れていた彼だった。
「そしてもう一人、この子の名前はジル・ドラン私の息子だ。容姿は子供だが、私同様体の老化が緩やかになっているだけで、今年三十五になる。」
「父からご紹介に預かりましたジル・ドランと申します。この度は国のため世界のために立ち上がって頂いたことに感銘を受け父に頼みお供をさせていただくことになりました、よろしくお願いします。」
「ジルは剣術や魔法を俺以上に極めている。きっと旅の助けになってくれると思う。」
ジル王子の説明が終わると父と母が膝をつきマルク王に頭を下げた。
「マルク王!私たち二人の子供の命、貴方様に預けます。どうかコナーのことをよろしくお願いします。」
「できる限りのお力添えはさせていただきます。コナーくん出発のタイミングは君に任せる。それまではご家族と一緒に過ごすといい。」
俺は出発するまでの三日間、出発の準備をしながら家族との時間過ごした。
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