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過去からの期待
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翌朝、晴天に恵まれてどこまでも青空が広がっている。
朝から早馬で来た封書を旦那様の元へと届ける。
もちろん、旦那様は誰よりも早く起きて既に執務を始めていた。
コンコンコン
「旦那様、メンデルにございます。」
「うん、入ってくれ」
静かに入室する。
「おはようございます、旦那様。
こちら先程届いた封書にございます、どうぞお手に。」
「あぁ、助かるよ。
朝早くからすまないね。」
喋りながらも、開封していく。
ふむ・・と書類らしきものを確認してから、チラリとメンデルへ顔を向ける。
「どうかなさいましたか?」
んんっ
「いや、なに・・あれだ。
クラナにトルディア家のリオル君からペアの申込書が届いたよ。」
っ!!
「なんと・・お嬢様に!!格上の侯爵家からとは。
昔から知ってる間柄ですし・・上手く納まるといいですねぇ」
「そうなんだよ・・
私たちは祈るしか出来ない。
あとの判断はクラナ本人にしかわかるまい。
ふぅ・・
とりあえず、今朝の朝食の場でクラナにこのことを話すよ。」
「そのようになさったほうがいいかと思われます。
では、私はこれで。
御用の際にはお呼びくださいませ。」
「あぁ、ありがとう」
用件が済むと、素早く執務室を後にした。
それから2時間ほど、朝食の時間になり家族みんながダイニングへ集う。
今朝もみんな元気に揃うことが出来て何よりだ。
それぞれに挨拶をして席に着く。
食事が運ばれてくる間にと思い、話を切り出した。
こほんっ
「ところでクラナ、話したいことがあるんだ」
お父様の急なフリにん???と首を傾げてから、「はい、どうぞ」(ニコリ)と返事をする。
「実は、今朝クラナにペアの申込書が届いたんだ」
その言葉を聞いて、え・・となる。
またなの??嫌だって言ったのに・・
「そ・・そんな。私は嫌だと・・断ってくださるってお話だったじゃないですか・・」
泣きそうだ。
その様子を見て、家族が慌て出す。
「ち、違うんだ!今日申込書が来たのは、ルティ家ではない。
トルディア家からだよ。
リオル・トルディア わかるだろう??
3年ほど前までは良くうちにも来ていたし、クラナも一緒に過ごしていたじゃないか・・覚えていないかい?」
焦って弁解する。
お父様???
何を言ってるのかしら・・
ペアを申し込んで来たのが、リオル・トルディア?
って・・え??リオル様??
へ?
ガタっと席を立ってしまう。
驚きすぎてだ。
だって嘘だもん・・
「う、うそ・・だって、リオル様はもうペアを組んでるから来なくなったんでしょう?
私と会ったらダメだから・・」
それを聞いた兄は、
「クラナ!怒るのはリオルに怒ってくれ。
僕達も知らなかったんだけど、リオルは去年の秋にペアを解消していたらしいんだ。
本人から聞いたから間違いないよ。
だから、いまはフリーだと。」
「え?そうなの??」
「そうだよ。クラナ・・どうだい?ペアのこと了承するかい?」
「クラナ・・あなたはどう思っているのかしら?聞かせてくれない?」
優しく聞いてくれるお母様の声に後押しされる。
「私はずっとリオル様のことが好きです、いまも。
だから他の人とペアなんて嫌って思ってたの。
ペアのお話受けたいです。
いいですか?」
家族がみんな優しい眼差しで微笑んでくれた。
「「「当たり前だよ(よ)」」」
えへへっ・・
良かった。
私・・諦めなくて良かったんだ。
話を終えた頃に朝食が出揃ったので、まずは食べることにした。
朝食後のお茶を飲みながら、今後について話した。
「では、この後に私のサインを入れてトルディア家に返送しておくよ。
早ければ明日にはペアになるだろう。」
「良かったわね、クラナ。
私たちはいつでもあなたの味方よ。
困ったことや悩みがあったら、迷わず相談してちょうだい。
もちろん、使用人たちも家族同様ですからね」
パチンとお母様からウィンクをいただいた(笑)
「そういえば、お父様。
ルティ家のほうからの申込書の件はどうしたんですか?」
「あぁ、あれか。
気分が悪くなるからな、クラナが嫌がった日の昼にはしっかり断りの返事をしておいたぞ。」
「さすがです!」
と兄が褒めている。
「お父様、ありがとうございますっ」
少し涙目になりながら私もお礼を伝えた。
守ってくれる家族で本当に良かった・・
束の間の家族揃っての時間を過ごした後、それぞれの部屋へと戻る。
途中、歩きながらもずっと考える。
思い出すのは最後にお兄様と話していた時のリオル様の横顔。
そういえば、あの時寂しそうなお顔だった。
私は誤解していたのかな?
でもこれから、ペアになって挽回する。
私はリオル様に好きだと伝えていないから、今度はちゃんと伝えたいな。
ペアになることから始まりになるといいなぁ・・
クラナは自分で気づいていないであろう・・
ずっと笑顔だったことに。
使用人はそれを見てほっこりさせられていた。
嬉しい気持ちは伝染する。
みんなが幸せになれるといいのにね。
朝から早馬で来た封書を旦那様の元へと届ける。
もちろん、旦那様は誰よりも早く起きて既に執務を始めていた。
コンコンコン
「旦那様、メンデルにございます。」
「うん、入ってくれ」
静かに入室する。
「おはようございます、旦那様。
こちら先程届いた封書にございます、どうぞお手に。」
「あぁ、助かるよ。
朝早くからすまないね。」
喋りながらも、開封していく。
ふむ・・と書類らしきものを確認してから、チラリとメンデルへ顔を向ける。
「どうかなさいましたか?」
んんっ
「いや、なに・・あれだ。
クラナにトルディア家のリオル君からペアの申込書が届いたよ。」
っ!!
「なんと・・お嬢様に!!格上の侯爵家からとは。
昔から知ってる間柄ですし・・上手く納まるといいですねぇ」
「そうなんだよ・・
私たちは祈るしか出来ない。
あとの判断はクラナ本人にしかわかるまい。
ふぅ・・
とりあえず、今朝の朝食の場でクラナにこのことを話すよ。」
「そのようになさったほうがいいかと思われます。
では、私はこれで。
御用の際にはお呼びくださいませ。」
「あぁ、ありがとう」
用件が済むと、素早く執務室を後にした。
それから2時間ほど、朝食の時間になり家族みんながダイニングへ集う。
今朝もみんな元気に揃うことが出来て何よりだ。
それぞれに挨拶をして席に着く。
食事が運ばれてくる間にと思い、話を切り出した。
こほんっ
「ところでクラナ、話したいことがあるんだ」
お父様の急なフリにん???と首を傾げてから、「はい、どうぞ」(ニコリ)と返事をする。
「実は、今朝クラナにペアの申込書が届いたんだ」
その言葉を聞いて、え・・となる。
またなの??嫌だって言ったのに・・
「そ・・そんな。私は嫌だと・・断ってくださるってお話だったじゃないですか・・」
泣きそうだ。
その様子を見て、家族が慌て出す。
「ち、違うんだ!今日申込書が来たのは、ルティ家ではない。
トルディア家からだよ。
リオル・トルディア わかるだろう??
3年ほど前までは良くうちにも来ていたし、クラナも一緒に過ごしていたじゃないか・・覚えていないかい?」
焦って弁解する。
お父様???
何を言ってるのかしら・・
ペアを申し込んで来たのが、リオル・トルディア?
って・・え??リオル様??
へ?
ガタっと席を立ってしまう。
驚きすぎてだ。
だって嘘だもん・・
「う、うそ・・だって、リオル様はもうペアを組んでるから来なくなったんでしょう?
私と会ったらダメだから・・」
それを聞いた兄は、
「クラナ!怒るのはリオルに怒ってくれ。
僕達も知らなかったんだけど、リオルは去年の秋にペアを解消していたらしいんだ。
本人から聞いたから間違いないよ。
だから、いまはフリーだと。」
「え?そうなの??」
「そうだよ。クラナ・・どうだい?ペアのこと了承するかい?」
「クラナ・・あなたはどう思っているのかしら?聞かせてくれない?」
優しく聞いてくれるお母様の声に後押しされる。
「私はずっとリオル様のことが好きです、いまも。
だから他の人とペアなんて嫌って思ってたの。
ペアのお話受けたいです。
いいですか?」
家族がみんな優しい眼差しで微笑んでくれた。
「「「当たり前だよ(よ)」」」
えへへっ・・
良かった。
私・・諦めなくて良かったんだ。
話を終えた頃に朝食が出揃ったので、まずは食べることにした。
朝食後のお茶を飲みながら、今後について話した。
「では、この後に私のサインを入れてトルディア家に返送しておくよ。
早ければ明日にはペアになるだろう。」
「良かったわね、クラナ。
私たちはいつでもあなたの味方よ。
困ったことや悩みがあったら、迷わず相談してちょうだい。
もちろん、使用人たちも家族同様ですからね」
パチンとお母様からウィンクをいただいた(笑)
「そういえば、お父様。
ルティ家のほうからの申込書の件はどうしたんですか?」
「あぁ、あれか。
気分が悪くなるからな、クラナが嫌がった日の昼にはしっかり断りの返事をしておいたぞ。」
「さすがです!」
と兄が褒めている。
「お父様、ありがとうございますっ」
少し涙目になりながら私もお礼を伝えた。
守ってくれる家族で本当に良かった・・
束の間の家族揃っての時間を過ごした後、それぞれの部屋へと戻る。
途中、歩きながらもずっと考える。
思い出すのは最後にお兄様と話していた時のリオル様の横顔。
そういえば、あの時寂しそうなお顔だった。
私は誤解していたのかな?
でもこれから、ペアになって挽回する。
私はリオル様に好きだと伝えていないから、今度はちゃんと伝えたいな。
ペアになることから始まりになるといいなぁ・・
クラナは自分で気づいていないであろう・・
ずっと笑顔だったことに。
使用人はそれを見てほっこりさせられていた。
嬉しい気持ちは伝染する。
みんなが幸せになれるといいのにね。
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