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66、激甘な皇帝陛下に溺愛されています
しおりを挟む庭園のテラステーブルにはアフタヌーンティーの準備が整っていた。
スコーンとサンドウィッチとクッキーと、それからイレーナのためのバースデーケーキが用意されていた。
ケーキは正方形で白いクリームの上にたっぷりの苺とさりげなくピンクの薔薇が添えられている。
もちろん、イレーナの誕生日を祝うメッセージプレートもあった。
「まあ、こんなサプライズがあるなんて驚きましたわ」
「お前の驚く顔が見たくて用意してもらった」
「ヴァルクさまが提案されたのですか?」
「ああ、そうだ。愛する妻とゆっくり過ごせるせっかくの時間だ。いつもは倹約家のお前もこういう日くらい贅沢をしてもいいだろう」
イレーナは驚きのあまり、声を上げた。
「い、今なんとおっしゃいました!?」
「せっかくゆっくり過ごせるのだから」
「違います。そこではなくて!」
「いつもは倹約家のお前も」
「そこでもありませんわ!」
ヴァルクは眉をひそめた。
「何だ? 何か気に入らないことでも?」
「そうではありませんわ。だって、その……耳を疑うような言葉がありましたから」
ヴァルクは頬を赤く染めるイレーナを見てピンときたのか、にやりと笑みを浮かべて言った。
「愛する妻のことか?」
「あ、あ、愛……って」
「正直に述べただけだが、それが、それほど驚くことなのか?」
「だって、今まで一度もそんなことを言ってくださらなかったから」
イレーナは赤面しながら俯く。
その胸中は喜びにあふれていて、今にも涙があふれそうだった。
ヴァルクはイレーナの肩を抱き寄せて、耳もとでひっそりと言った。
「そんなに嬉しいなら何度でも言う。お前のことを愛している。イレーナ、世界一愛している」
「うっ……お、恥ずかしいですわ」
「お前はどうなんだ? 俺のことをどう思っている?」
「わ、私も……あなたのことを愛しています」
イレーナが顔を上げるとヴァルクは極上の微笑みを浮かべていた。
そして、ふたりはそのままキスを交わした。
テラステーブルでお茶の準備をしていた使用人たちはそれを見て「きゃああっ」と歓喜に沸いた。
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*
ふたりのキスを見守る使用人たちの中に、ひとりだけ、こっそりと紙に何かを書き記している者がいた。
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〈 完 〉
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