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密着! 夏休み旅行!
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小学校から十分ほど歩いた先にある、公民館裏の公園。遊具が豊富にあり片面グラウンドになっているそこでは子供達が楽しそうに遊んでいた。
「おーい、ガキども~」
「あ!! 宗介きた宗介!!」
「宗介だーー何でここいるの!!」
「知らねーのお前ら、昨日から宗介こっち泊まってるんだぜー!!」
わらわらと集まるガキンチョたち。全員敬称くらいつけろ、何で呼び捨てなんだ。
無邪気な子供の一人が手錠を引っ張っては真道を困らせている。おお、愉快愉快。
みつるはその盛り上がりが怖かったのか、俺の後ろにそっと隠れた。うーん血縁……。
「宗介、また異種ドッチボールやる!? ボコボコにするぜ!!」
「それボール五個使うクソバカゲームだろ。もうやらん」
「あ、負けるのが怖いんだー」
「何だと! あとでボコボコにしてやるからなガキども!」
きゃあーーっと幼く高い声をあげて子供たちが笑う。大人が思っているより今どきの子供はませていて生意気だ。小学生というものは人の想定より大人っぽい。
「あ、みつるもいんじゃん! みつるも遊ぶ?」
「え、あ、うう、僕」
「やめなよ男子~、みつるくん戸惑ってるじゃん!」
「みつるくんはあんたらみたいなレベルの低い遊びしないの! あっちで本よもっ」
「あ、ずるいわたしも!」
うーん、やはり子供でも女の子は女の子だな。肉食である。みつるは海で生まれ育った子供のように焼けておらず色白で賢いからか、女子からは王子様のように扱われているらしい。
「俺達が子供の頃は足の早いものが一等格好良かったのだがな……」
「真道みたいな家でもそれはあるんだ。時代は変わるよねえ~」
とはいえ今日はみんなで遊びにきたのだ。時代の変遷をしみじみと感じている場合ではない。
俺は手錠とは反対側にかけた学生鞄──中学時代のものである──をどさり、と地面に置いた。
「そんなガキどもに、俺が新しい遊びを教えてやるぞ!! ほら女子もおいで~」
「お、おじちゃん……!?」
「なにー!? 新作ゲーム!?」
「俺最近出たやつがいいー!」
「新しい遊びっつってるだろお前らの知ってるゲーム機なんか出す訳ねぇ」
この都会かぶれのキッズ達め。娯楽が豊富な現代だからこそ飢えてやがる。
しかし、俺がカバンから取り出したのはカセットでもゲーム機でもない──カードである。
「何それ、アメーボカード?」
「俺知ってるー! Do森で読み込んだら住民来るやつだろそれ!!」
「ゲームのことしか頭にないのかガキはよ~全然違う。来いッ俺が真の“遊び”を教えてやる!」
カードをしまってカバンを担ぎ、座って机もある休憩所に押しかける。真道が仕方なさそうについてくるのを皮切りに子供達もワァワァと楽しそうに駆け寄ってきていた。
その中にみつるがいるのを確認し、俺は着席する。
「なーなー宗介、ひろにぃはー?」
「ひろ兄ィ来てないの?」
「つまんなーい」
「お前らは俺より水瀬の方が好きかよ! いっつも遊んでやってるの俺の方じゃん!」
「だって宗介大人げないし」
なっ、なんだと!!
「ね、おとなげなーい」
「宗介ってゲームしてたら細かいコンボでハメてくる上に最後パフォ煽りしてこっち体力少ないのに笑いながら必殺打ってくるから嫌い」
真道のドン引きした顔よ。いや、戦うからには当然全力で戦うに決まってるだろ煽り含め。でもその辺が人気を分けているのかもしれない。水瀬は勝つけど煽らないし。
「一人に一つは迷惑をかけているんじゃないか?」
「俺も子供だったってこと」
「今の話は現在進行形だろうが」
ちなみに俺は一回水瀬を煽り倒して口論になり泣かされたことがある。
水瀬曰く『ここに来たらお前のクソガキエピソードが嘘かと思うくらい湧いて出てくる』だそうだ。
そんなこんなでフィールドの設置が終わった。邪魔せずにぎゅむぎゅむと集まってその様子を見ていた子供達が、これ何~と口々に聞いてくる。
「これはペケモンカード。ペケモンはお前ら知ってるだろー」
「知ってる! あんなあんな、俺こないだ伝説のペケモン捕まえたんだぜ~!!」
「昨日出たペケモン今日クリアした」
「108-130-95-80-85-102」
「新ペケがすげー可愛い!!」
「わたしドラゴンタイプすきー! かっこいい!」
今ヤバいやつ二人くらい紛れたな。こいつらは将来ペケモン廃になるだろう。多分対戦とかする。特に種族値を真顔で呟いたやつ。
ペケモンとは、老若男女大人気な大手ゲームである。三十年近く前にゲームボーイで発売されて以降世界的な人気を博しており、ペケモンの見た目や戦闘システムにおいて高く評価されている……と思う。
もちろんシナリオもいいけど、ペケモンは個人的にあの冒険が始まるワクワク感が魅力的だ。
そんなペケモンはアニメやぬいぐるみなど様々なメディアミックス作品を出しており、その中でも今回紹介するのはカードゲームである。
「これは初心者用デッキ。みつる、ちょっとこっちおいで」
「え、う、うん……」
「いいなーみつる!」
「お前らはあとで遊んでやるから」
みつるを対面に座らせ、初心者用に組んであるデッキを渡す。いつか一緒にやる人ができるのではないかと夢にながら組んだデッキである。使いやすさはピカイチ。ちなみに遊んでくれたのは水瀬だけである。
「今からルールと遊び方を教えてやるよ。ちょっと難しいけど、理解できるかな?」
子供達の視線がこちらに集中した。少し煽ればやる気を出すのだから、子供とはなんとも可愛いものである。少なくとも俺よりは捻くれていない。
「おーい、ガキども~」
「あ!! 宗介きた宗介!!」
「宗介だーー何でここいるの!!」
「知らねーのお前ら、昨日から宗介こっち泊まってるんだぜー!!」
わらわらと集まるガキンチョたち。全員敬称くらいつけろ、何で呼び捨てなんだ。
無邪気な子供の一人が手錠を引っ張っては真道を困らせている。おお、愉快愉快。
みつるはその盛り上がりが怖かったのか、俺の後ろにそっと隠れた。うーん血縁……。
「宗介、また異種ドッチボールやる!? ボコボコにするぜ!!」
「それボール五個使うクソバカゲームだろ。もうやらん」
「あ、負けるのが怖いんだー」
「何だと! あとでボコボコにしてやるからなガキども!」
きゃあーーっと幼く高い声をあげて子供たちが笑う。大人が思っているより今どきの子供はませていて生意気だ。小学生というものは人の想定より大人っぽい。
「あ、みつるもいんじゃん! みつるも遊ぶ?」
「え、あ、うう、僕」
「やめなよ男子~、みつるくん戸惑ってるじゃん!」
「みつるくんはあんたらみたいなレベルの低い遊びしないの! あっちで本よもっ」
「あ、ずるいわたしも!」
うーん、やはり子供でも女の子は女の子だな。肉食である。みつるは海で生まれ育った子供のように焼けておらず色白で賢いからか、女子からは王子様のように扱われているらしい。
「俺達が子供の頃は足の早いものが一等格好良かったのだがな……」
「真道みたいな家でもそれはあるんだ。時代は変わるよねえ~」
とはいえ今日はみんなで遊びにきたのだ。時代の変遷をしみじみと感じている場合ではない。
俺は手錠とは反対側にかけた学生鞄──中学時代のものである──をどさり、と地面に置いた。
「そんなガキどもに、俺が新しい遊びを教えてやるぞ!! ほら女子もおいで~」
「お、おじちゃん……!?」
「なにー!? 新作ゲーム!?」
「俺最近出たやつがいいー!」
「新しい遊びっつってるだろお前らの知ってるゲーム機なんか出す訳ねぇ」
この都会かぶれのキッズ達め。娯楽が豊富な現代だからこそ飢えてやがる。
しかし、俺がカバンから取り出したのはカセットでもゲーム機でもない──カードである。
「何それ、アメーボカード?」
「俺知ってるー! Do森で読み込んだら住民来るやつだろそれ!!」
「ゲームのことしか頭にないのかガキはよ~全然違う。来いッ俺が真の“遊び”を教えてやる!」
カードをしまってカバンを担ぎ、座って机もある休憩所に押しかける。真道が仕方なさそうについてくるのを皮切りに子供達もワァワァと楽しそうに駆け寄ってきていた。
その中にみつるがいるのを確認し、俺は着席する。
「なーなー宗介、ひろにぃはー?」
「ひろ兄ィ来てないの?」
「つまんなーい」
「お前らは俺より水瀬の方が好きかよ! いっつも遊んでやってるの俺の方じゃん!」
「だって宗介大人げないし」
なっ、なんだと!!
「ね、おとなげなーい」
「宗介ってゲームしてたら細かいコンボでハメてくる上に最後パフォ煽りしてこっち体力少ないのに笑いながら必殺打ってくるから嫌い」
真道のドン引きした顔よ。いや、戦うからには当然全力で戦うに決まってるだろ煽り含め。でもその辺が人気を分けているのかもしれない。水瀬は勝つけど煽らないし。
「一人に一つは迷惑をかけているんじゃないか?」
「俺も子供だったってこと」
「今の話は現在進行形だろうが」
ちなみに俺は一回水瀬を煽り倒して口論になり泣かされたことがある。
水瀬曰く『ここに来たらお前のクソガキエピソードが嘘かと思うくらい湧いて出てくる』だそうだ。
そんなこんなでフィールドの設置が終わった。邪魔せずにぎゅむぎゅむと集まってその様子を見ていた子供達が、これ何~と口々に聞いてくる。
「これはペケモンカード。ペケモンはお前ら知ってるだろー」
「知ってる! あんなあんな、俺こないだ伝説のペケモン捕まえたんだぜ~!!」
「昨日出たペケモン今日クリアした」
「108-130-95-80-85-102」
「新ペケがすげー可愛い!!」
「わたしドラゴンタイプすきー! かっこいい!」
今ヤバいやつ二人くらい紛れたな。こいつらは将来ペケモン廃になるだろう。多分対戦とかする。特に種族値を真顔で呟いたやつ。
ペケモンとは、老若男女大人気な大手ゲームである。三十年近く前にゲームボーイで発売されて以降世界的な人気を博しており、ペケモンの見た目や戦闘システムにおいて高く評価されている……と思う。
もちろんシナリオもいいけど、ペケモンは個人的にあの冒険が始まるワクワク感が魅力的だ。
そんなペケモンはアニメやぬいぐるみなど様々なメディアミックス作品を出しており、その中でも今回紹介するのはカードゲームである。
「これは初心者用デッキ。みつる、ちょっとこっちおいで」
「え、う、うん……」
「いいなーみつる!」
「お前らはあとで遊んでやるから」
みつるを対面に座らせ、初心者用に組んであるデッキを渡す。いつか一緒にやる人ができるのではないかと夢にながら組んだデッキである。使いやすさはピカイチ。ちなみに遊んでくれたのは水瀬だけである。
「今からルールと遊び方を教えてやるよ。ちょっと難しいけど、理解できるかな?」
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