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監禁! 最後の文化祭
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告白は緊張する。知っていたはずのその事実をリアルに再確認してしまい、俺は混乱していた。ともかく、こんな精神状態では告白というものに集中できない。
「分からんけど逃げる気がする」
「お前が??」
「へっ?」
まずい、聞いてなかった。慌てて武藤様に向き直ると、呆れた顔でため息をつかれてしまった。ぼーっとしてると思われただろうか、まぁその通りなのだけれど。
本校舎に向かう道中、ちょっとだけ懐かしい道のりを二人で歩いていた。お祭りの気配はまだ遠く、周囲には人もいない。旧校舎の子達はもう行ってしまったのだろうか。いや、逆にまだ早いのか。
「今日、ゲーセンエリアでペケカの大会やるらしいけど。しねぇの?」
「えっ、あ、うそ、知らんかった。てか武藤様ペケカ知ってるの?」
「知らんが、たまにリビングでTwitter見ながらカードと睨み合ってるだろ」
えーーーっっマジで自覚がなかった。新弾で明らかにチートだろこれみたいなのが出た時は環境使ってくる奴に腹立ちすぎるのとシンプルに面白そうなので頭が一杯になるのだ。
デッキ構成と解説をSNSに載せると褒められるのも楽しい。俺の自己肯定感を高める一つである。
ちなみに昨日は別のカードゲームである。ちょっと大人向けかな。あんなに子供層いたんだと思った。やはり語り継がれるだけあって不朽の名作だよな。
「まぁでも、あのゲームコーナーって子供向けでしょ? いくらオタクとはいえ、子供の遊びに大人が本気出すのってよくないかなーって」
「……ほんっとーに、対人系は知識ねーんだな……」
「へ?」
なんで急に俺の弱点をあげつらった? そうだけど。俺はゴミカスなので場末のカドショで知らん人に遊んでもらうかSNSで情報収集して仮想敵と戦うくらいしかしないが。
「ほら」
何やら調べていたスマホを見せてもらう。その画面に映っていたのは、我が王道高校で定期的に開催される大会の告知。
えっ、そんなイベントあったん!?!? 全然知らんかったんだが!?!?
「しっ、しかも限定カードが優勝賞品!?!?!?!?!? 嘘だろプレミアじゃん!! 今時そんな制度の大会が……いやそれ以上になんで!? 公式大会でもないのに」
「ここは天下の王道高校だぞ。色々あって、卒業生がな」
「そうだった…………」
天下の王道高校。公式とのコネはバッチリってことか。あやかりたいものである。
しかし効果を見た限り、確実に人権。と言うか普通にプレミアに惹かれる。欲しすぎるな。
なるほど、さっき言ってたのはこれのことか……
俺はぐ、と顔を顰める。これが友人同士だったらなんの躊躇いもなく行っていた。ペケカの耐久戦なら負けなしだ、一日を潰す覚悟でもいいだろう。
でも今日はデートなのだ。デートしたことないからわかんないんだけど、彼氏がカードゲーム大会に夢中になってほったらかしにしてくるとか最悪なのでは?
「……いや、でも、今日はデートだし……武藤様が楽しい方がいいよ。カードゲームなんていつでも出来るんだし」
「いつでも出来ねぇから対人戦に詳しくねーんじゃねぇの」
それはそう。
本校舎に着くと、昇降口の辺りからもう賑わっていた。まだ結構早い時間帯だと言うのに。そういえば今日は朝から地域の人が入れるのだっけ。
というか、学校外の人が昨日に比べて段違いに多い。カードゲーム大会があるのだし人も増えようが、それにしてもカードゲームもしなさそうなお姉さんとか老夫婦とか、そういう人も多かった。
「他のクラスも色々と出し物してんだよ。一年は特に力入れてんじゃねぇか? 出し物投票負けらんねぇっつってな」
「二日目にギア合わせてきてんねぇ」
出し物投票なんてあったな。多分他の高校でもあるところはあるのだが、文化祭で最も良かったクラスを投票で決めるやつである。ちなみに学年ごと。
カードゲーム大会だから集客見込めるもんな。他の人たちもライバル視しているのだろう。
「去年どのクラスだっけ」
「あー…………Cクラス。お前んとこだろ」
「そうだった、よく覚えてんなぁ」
ちなみにどのクラスが優勝したか覚えてる人は少ない。
なんかこういう時ってその期間だけガチるけど数ヶ月経ったらわりとみんな忘れてるんだよな。しかし、このガチった期間というのが宝物なのかもしれない。
「っ、会長様!?」「会長様、お早いお着きで」
「なんで田中宗介があそこに?」「ボディーガード?」「武藤様、今日も素敵……」
ボディーガードではないね。俺がガードできるボディなんて底知れてるだろ。
武藤様とよく行動するようになって聞くようになったざわめきはいまだに慣れない。ちょっと緊張してしまうし悪口を言われたら悲しくなってしまう。
その度に武藤様にはまたかと呆れられるのだけれども。
「てか俺ボディーガードに昇格してるね。俺が守れる大きさとか8センチくらいしかないけど」
「ジャンガリアンハムスターは守れるじゃねぇか」
「ジャンガリアンハムスターって8センチなんだ」
じゃあ無理です。そんな小さき生き物俺自身が潰してしまう。いつも思うけど小動物ってあんな小さいのにどうやって動いているんだろうか。手のひらに乗るぞだって。
「分からんけど逃げる気がする」
「お前が??」
「へっ?」
まずい、聞いてなかった。慌てて武藤様に向き直ると、呆れた顔でため息をつかれてしまった。ぼーっとしてると思われただろうか、まぁその通りなのだけれど。
本校舎に向かう道中、ちょっとだけ懐かしい道のりを二人で歩いていた。お祭りの気配はまだ遠く、周囲には人もいない。旧校舎の子達はもう行ってしまったのだろうか。いや、逆にまだ早いのか。
「今日、ゲーセンエリアでペケカの大会やるらしいけど。しねぇの?」
「えっ、あ、うそ、知らんかった。てか武藤様ペケカ知ってるの?」
「知らんが、たまにリビングでTwitter見ながらカードと睨み合ってるだろ」
えーーーっっマジで自覚がなかった。新弾で明らかにチートだろこれみたいなのが出た時は環境使ってくる奴に腹立ちすぎるのとシンプルに面白そうなので頭が一杯になるのだ。
デッキ構成と解説をSNSに載せると褒められるのも楽しい。俺の自己肯定感を高める一つである。
ちなみに昨日は別のカードゲームである。ちょっと大人向けかな。あんなに子供層いたんだと思った。やはり語り継がれるだけあって不朽の名作だよな。
「まぁでも、あのゲームコーナーって子供向けでしょ? いくらオタクとはいえ、子供の遊びに大人が本気出すのってよくないかなーって」
「……ほんっとーに、対人系は知識ねーんだな……」
「へ?」
なんで急に俺の弱点をあげつらった? そうだけど。俺はゴミカスなので場末のカドショで知らん人に遊んでもらうかSNSで情報収集して仮想敵と戦うくらいしかしないが。
「ほら」
何やら調べていたスマホを見せてもらう。その画面に映っていたのは、我が王道高校で定期的に開催される大会の告知。
えっ、そんなイベントあったん!?!? 全然知らんかったんだが!?!?
「しっ、しかも限定カードが優勝賞品!?!?!?!?!? 嘘だろプレミアじゃん!! 今時そんな制度の大会が……いやそれ以上になんで!? 公式大会でもないのに」
「ここは天下の王道高校だぞ。色々あって、卒業生がな」
「そうだった…………」
天下の王道高校。公式とのコネはバッチリってことか。あやかりたいものである。
しかし効果を見た限り、確実に人権。と言うか普通にプレミアに惹かれる。欲しすぎるな。
なるほど、さっき言ってたのはこれのことか……
俺はぐ、と顔を顰める。これが友人同士だったらなんの躊躇いもなく行っていた。ペケカの耐久戦なら負けなしだ、一日を潰す覚悟でもいいだろう。
でも今日はデートなのだ。デートしたことないからわかんないんだけど、彼氏がカードゲーム大会に夢中になってほったらかしにしてくるとか最悪なのでは?
「……いや、でも、今日はデートだし……武藤様が楽しい方がいいよ。カードゲームなんていつでも出来るんだし」
「いつでも出来ねぇから対人戦に詳しくねーんじゃねぇの」
それはそう。
本校舎に着くと、昇降口の辺りからもう賑わっていた。まだ結構早い時間帯だと言うのに。そういえば今日は朝から地域の人が入れるのだっけ。
というか、学校外の人が昨日に比べて段違いに多い。カードゲーム大会があるのだし人も増えようが、それにしてもカードゲームもしなさそうなお姉さんとか老夫婦とか、そういう人も多かった。
「他のクラスも色々と出し物してんだよ。一年は特に力入れてんじゃねぇか? 出し物投票負けらんねぇっつってな」
「二日目にギア合わせてきてんねぇ」
出し物投票なんてあったな。多分他の高校でもあるところはあるのだが、文化祭で最も良かったクラスを投票で決めるやつである。ちなみに学年ごと。
カードゲーム大会だから集客見込めるもんな。他の人たちもライバル視しているのだろう。
「去年どのクラスだっけ」
「あー…………Cクラス。お前んとこだろ」
「そうだった、よく覚えてんなぁ」
ちなみにどのクラスが優勝したか覚えてる人は少ない。
なんかこういう時ってその期間だけガチるけど数ヶ月経ったらわりとみんな忘れてるんだよな。しかし、このガチった期間というのが宝物なのかもしれない。
「っ、会長様!?」「会長様、お早いお着きで」
「なんで田中宗介があそこに?」「ボディーガード?」「武藤様、今日も素敵……」
ボディーガードではないね。俺がガードできるボディなんて底知れてるだろ。
武藤様とよく行動するようになって聞くようになったざわめきはいまだに慣れない。ちょっと緊張してしまうし悪口を言われたら悲しくなってしまう。
その度に武藤様にはまたかと呆れられるのだけれども。
「てか俺ボディーガードに昇格してるね。俺が守れる大きさとか8センチくらいしかないけど」
「ジャンガリアンハムスターは守れるじゃねぇか」
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