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1 おはようございます、カガミです
しおりを挟む「…うわあ...45から80って伸び率すごいな…。ほう…こっちには久々の15点が...」
皆様ごきげんよう、各務宇一(かがみ ういち)です。身分は、とある公立男子高校の2年生。ピッチピチ(古)の16歳、現在登校中です。そんな、現在下校中のピッチピチDKが歩きながらブツブツ言っているのが気持ち悪いという人もいるでしょう。わかる。わかります、僕も自分がきもい。
実はこの数字、別にテストの点数などではありません。もしそうだとしたら、後半部分に至ってはこの僕が壊滅的な赤点を取ってしまったという事になります。そんな不名誉な事があって良い筈がない。そこまで残念な脳みそはしていません。これでも中学から学年で30位内という微妙なポジションを計算しつつキープし続けてきたんですからね。
それでは何の数字かというと…それは通行人の顔面数値です。近年、顔面偏差値っていうコンプラ的にどうなのかって造語がありますが、それと同じようなものですね。いや、僕が道行く女子をナンパしようと好みの顔を査定している訳ではないんですよ。それでは単なるデリカシーの無いクソ野郎ですからね。それに、僕の査定は老若男女の別無く、自分以外の人類全てが対象です。
他人の顔を査定なんて言うと、「失礼だな。お前何様?」と思われるかもしれませんが、実はこれには深い事情があるんです。
なんと言いますか、文字通り、持って生まれた性(さが)と言いますか、習性と言いますか…。
先ほど査定と言いましたが、正確には僕が査定しているというより、対象の頭の斜め上辺りに浮かぶウィンドウに数字が表示されているのを読み上げている、という方が正しいですね。
ほら、よく漫画やゲームなんかであるでしょ、ステイタスとかの表示が見られるやつ。ああいう感じです。かといって、別によくあるゲームの世界に転生って事でもないみたいなんですよね。攻略対象をどうこうしろ的なのも、選択画面みたいなものも出た事無いですし。ただただ顔面の点数が表示される画面が浮かんでるのが見えるってだけ。
ごく幼い頃は僕も、対面してる相手が自分に抱く好感度かなあ、戦闘力(?)かなあ、なんて迷ったりもしましたが、すぐに違うってわかりました。だってそれだと、面識すら無い通行人に60とか出る意味がわかりませんしね。お母さんに手を引かれて歩いてる可愛い美幼女(推定4歳)に75とか出るのもおかしいですしね。で、数字が上がるのに比例して顔面偏差値も上がるもんだから嫌でも理解せざるを得ませんでしたよね…。しかも芸が細かい事に、メイクをしている場合や整形をしている場合、整形前・現在の素顔・メイク時と、別々の数字が表示されるのが心憎いと言いますか。しかも日によって多少数値が増減したりする事もあったりするんですよね。ね、細かいでしょ?すごくないですか?
いや、そんなの査定される側からすりゃ知った事じゃないしやっぱり失礼だ?
…まあ、ですよね。ごもっともです。特にさっきの通行人の1人みたいに15点とか低い数値を読み上げられちゃうとね。…しかし流石にあれは仕方なかったと思います。日本人の平面顔に金髪縦ロールは似合いませんって。そう思いません?
因みに勘の良い皆さんならおわかりかと思いますが、45から80ってのは、スッピン→メイク状態への変化率です。そのメイク技術に感嘆。中にはごくごく稀にですが、メイクする事で点数下がる人もいるのでね…。
実は僕には前世の記憶があります。しかも、前身は少しばかり特殊でした。
皆様の中にはごく幼い頃におとぎ話の絵本とか読まれた事がある人も多いんじゃないでしょうか?まあ、皆が皆ではないでしょうけど、保育園とか幼稚園の先生達が読んでくれたり、お母さんやお父さん、またはおじいちゃんやおばあちゃんが寝かしつけされる時に読んでくれたりした体験を持つ人は結構居ると思います。例えば、桃太郎とかおやゆび姫とか人魚姫とか。…というか、どう思われます?ああいう童話や昔話って。
普通は創作…フィクションだと思いますよね。 いや、それは間違いじゃないです。おおかたはその通り、フィクションですから。桃太郎然り、おやゆび姫や人魚姫然り。みんな本の中にしか存在しない架空のキャラクターですもんね。ご安心下さい、僕も皆さんと同じ認識です。
しかし実は唯一、実際にあったおとぎ話があったと言ったら、驚かれますか?
そして、私がその唯一のおとぎ話の中に登場していた、とある重要な立ち位置のものだとしたら…。
「かーがみっ!今日もやってるか?」
「ヴッ」
首に巻きついて来た長い腕、肩越しに降って来た耳に馴染んだ声、嗅ぎ慣れたコロンの香り、体に馴染んだ体温。この時点でもう誰かがわかっていた僕は、やれやれと思いつつ言いました。
「…毎朝言ってますが、後ろから忍び寄るのはやめてくれませんか、木崎君」
「良いだろ別に。俺とお前の仲だろ」
「……現在は単なるクラスメイトじゃないですか」
後ろからヘッドロックをかけられ続けて一年と二ヶ月。無駄に首が鍛えられたり逃げ方を覚えてしまい、いちいち失神したり嘔吐いたりしていた最初の頃が懐かしい。いや今現在も嘔吐いてはいるんですけどね?
「ごめんて。そう怒るなよ。平凡な顔が更に平面になるぞ~」
「…毎朝毎朝、いちいちディスらないと謝罪できないんですか、貴方は」
溜息を吐きながら言うと、笑いながら僕の顔を覗き込んでくる綺麗な顔。サラリと頬に落ちる横髪。
(…99点)
程良い太さに整えられた形の良い眉の下の、つり上がった切れ長の美しい目、長い上下の睫毛。何時もながら素晴らしい造作です。茶色に染めてなおキューティクル健在なウルフカットの髪。その左側の前髪をいくつものヘアピンでオシャレに留めて、学ランの制服を着崩した、長身痩躯の男子生徒。如何にも流行りのファッショナブル不良、という雰囲気の彼は、木崎 真紘君。クラスメイトです。同じクラスになったのは2年に上がってからですが、実際は高校入学初日に見つかってからの付き合いです。
見つかってから。
そう、正しく見つかってしまったんです。僕としても、本当にまさかの再会でした。
親と担任に渋い顔をされながらも志望ランクを落としてまで備えたというのに、全てが無駄になった瞬間でしたね…。
というのも、実は僕と木崎君とは前世からの浅からぬおつき合いなんです。前世の僕は、木崎君の所有物でした。
僕が前世を生きたのは、『白雪姫』というおとぎ話の中のこと。木崎君はその中の主要な登場人物、白雪姫の継母だった魔女。
そして僕は…魔女の所持していた魔法の鏡だったのです。
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