48 / 62
連載
80 二度目の自己紹介
しおりを挟む
全員が着席した後、サイラスはふと思い出したように立ち上がり、自分の着ていたマントを脱いで、俺に羽織らせた。
「え、君が寒いだろう。コートなら俺も着てるから、これは君が」
びっくりして返そうとしたのだが、サイラスは目を細めるだけの笑みを浮かべて言う。
「昼間だし、今日は天気も良いから大丈夫だ。そもそも、幼い頃から冬はネールで過ごして来た私に、こちらの冬なんてなんて事はないよ。この通り、マントの下に上着も着ているし」
「でも」
「ここに長居するわけじゃない。主要な点だけ聞ければすぐ切り上げるから、それまで着ていてほしい。私の杞憂をなくす為に」
「……わかった」
そこまで言われては、押し返すのも悪い。観念した俺は、掛けてもらったマントをありがたく借りておくことにした。サイラスの移り香と体温が残っているそれは、まるで背中からサイラスに抱き締められているように暖かい。俺は本当に、この香りが好きだ。
俺が受け入れたのを見たサイラスは、安心したように自分の席に座り直す。そしてまず、セラフ先輩をじっと見据えた。
「さて、どういうおつもりなんでしょうか、先輩がた」
不快感と苛立ちを隠さなくなったサイラスの声は冷たく、自分に向けられたものではないとわかっていても、心臓がギュッと縮こまってしまう。
けれどセラフ先輩は、そんなサイラスの怒りなんかどこ吹く風と言わんばかりの笑顔だった。このサイラスを前に、その笑顔。大物だな~。
「どういうつもりって、早く可愛い後輩の顔を見たかったからだよ」
セラフ先輩のその言葉はサイラスの質問に答えるもののはずだが、顔はこちらに向けてニコニコしているので、まるで俺に言っているようだった。
先輩、お願いだから答えを返す時はサイラスにお願いします。火に油を注がないでください。切実に。
無表情(激オコ)サイラスと笑顔(脳天気)のセラフ先輩。表面上は何も起きていないのに、場に流れる空気はピリッと張り詰めている。しかしそんな空気を一変させてくれたのは、やっぱりあの人だった。
「先ほどのデコピンでは、足りませんでしたか」
セラフ先輩の顔をじっと見ながら諫めてくれたのはもちろん、エラド先輩だ。デコピンと聞いた途端、笑顔を引き攣らせるセラフ先輩。反応からして、どうやら相当痛かったらしい。
「真摯な相手には真摯に。常日頃、そう申し上げているはず」
「わーかったって」
セラフ先輩はエラド先輩の言葉に、面倒くさそうに返事をすると、ヤレヤレと言いたげなジェスチャーした。それからサイラスに向き直ると、「ごめんね」とカジュアルな謝罪。
そしてそこから、セラフ先輩の纏う雰囲気が、変わった。
「でも、サイラス君の聞きたいのは、そんなことではないよね?」
そう言うセラフ先輩の顔には、ついさっきまでの能天気な笑顔は残ってはいなかった。今あるのは、目を細め、口角だけを上げた、別人のように酷薄そうな笑みだ。
素顔を見たのは今日が初めてだけど、こういう表情をすると、その顔立ちの端整さがよくわかる。褐色の肌に銀色の髪なんて神秘的以外の何物でもない。
超絶美形のサイラスを見慣れている俺でさえそう思うくらいだから、かなりの美貌だと思う。これは明日、いや今日この後から、取り巻き志願者が後を絶たないだろうな。
でもセラフ先輩はこれだけの容姿を、どうしてあんな変装で隠していたんだろう? 何か事情があるんだろうか?
しかし、そんな風に突如沸いた疑問は、すぐに解消されることとなった。
「そのお姿でおいでになられたということは、これからは御名を公表なさるものと受け取ってよろしいのでしょうか」
サイラスの言葉に、セラフ先輩は首を縦に振る。
「ああ、そのつもりだ」
「では」
サイラスはまた立ち上がると、椅子の横に立ち、セラフ先輩に向けてボウ・アンド・スクレイプを行った。それは相変わらず非の打ちどころのない華麗な所作だったが、見ていた俺はギョッとして固まってしまった。
だって、貴族が平民にそんな挨拶をするなんて、あり得ないことだ。しかも、王族に次ぐ家格を誇るアクシアン公爵家の公子が。セラフ先輩は異国人だが、平民だ。身分差による儀礼は、どこの国であろうと基本的に変わらないはずなのに、どうして……。
しかし、次にサイラスが口にした挨拶は、俺をさらに困惑させた。
「エラスト国王太子、セリアム・シャンザリア殿下に、アンリストリアの公爵家子息、サイラス・アクシアンがご挨拶申し上げます」
「……へ?」
耳から入ってきた情報は確かに脳に伝達されたはずなのに、おかしいな。処理が追いつかないぞ。
エラスト、王太子、セリアム・シャンザリア殿下……?
愕然として反応できずにいる俺をよそに、セラフ先輩はフッと笑い、足を組み変えながらサイラスに答えた。
「丁寧なご挨拶、ありがとう。君のことだからもう知っているとは思ってたけど、やはりか。流石だね」
「恐縮です」
「でも、ここはアカデミーの敷地内だ。身分にとらわれず気楽に接してくれていいよ」
「……わかりました。では、ここからはそのように」
若干口調の改まったセラフ先輩とサイラスのやり取りは、俺を置き去りにしてどんどん進んでいく。救いを求めてエラド先輩に視線をやると目が合って、なぜかこくりとうなずかれたが、何の意味かはわからない。頼りになると思ってたけど、そうでもなかったなエラド先輩。
仕方ない。事態を把握する為には自分で動くしかないと、俺は口を開いた。
「えっと、待って……つまり、何? セラフ先輩は、本当はセラフ先輩じゃなくて、エラストの……」
「王太子になりたてホヤホヤだよ~」
セラフ先輩……改め、セリアム先輩が、にぱっといつもの笑い方で答えてくれる。でも顔が眩しすぎて、俺が無理。
「なりたて……」
「そう、なりたて。本当はあと二年くらいのんびり隠れてるつもりだったけど、ちょっと急いじゃった」
「急いじゃった……」
「ん~~、まあウチは元々、僕次第ってとこあったからねえ。小バエはうるさかったけど」
「小バエ……」
小バエが何を意味するかは置いておくとして、一国の王太子になるのって、そんな自由な感じで時期を前後できるものなんだ? 式典の準備とか、色々ありそうなのに?
サイラスはいつから知っていたんだろう? もしかして、先輩と関わるなと言った時には、もう? 彼の情報収集力なら、それでも不思議はないけれど。でもなら、なぜ、教えてくれなかったんだろうか。
聞けば聞くほど、考えれば考えるほど、混迷が深まる。
サイラスを見ると、彼はセリアム先輩をじっと見据えていて、とても聞ける雰囲気ではない。こめかみだけではなく、テーブルの上に置かれ握り締められた拳の血管も怖いくらい浮き出ていた。それを見て、知る者は知る者なりに、色々な葛藤があったんだろうなと思う俺。
だよな。知ったからと言って、本人が何らかの事情があって隠しているであろう事を、第三者が勝手に漏らすべきじゃない。いくら婚約者だからって、言えるわけがないよな。俺だって、同じ立場なら言えないだろうし。
回り始めた頭で行き着いた答えに自分で納得していると、コホンと小さな咳払いが聞こえ、エラド先輩が立ち上がった。そして、サイラスと俺に向かってお辞儀をするので、俺も慌てて立ち、同じように返礼した。
この中で一番身分が高いらしいセリアム先輩はともかく、サイラスとエラド先輩がしているのに俺だけ礼を尽くさず座っているわけにはいかない。
それが済んで俺が椅子に座り直すと、それを待っていたようにエラド先輩は静かに口を開いた。
「改めて紹介をさせていただく。こちらは我がエラスト王国の王太子、セリアム・シャンザリア殿下です。私は殿下の従者であり護衛の、エラド・リャクラス。父は宰相を務めております」
普段は無口で、喋ってもひと言ふた言。もしかしてアンリストリア語があまり得意ではないのかと思っていたエラド先輩が、滑らかに流暢に話している。しかも何だか、めちゃくちゃ上品。落ち着いた所作といい、目線の静かな動きといい、声のトーンといい。宰相家の子息だからと言われれば、それはとても納得できた。セリアム先輩にしても、見た目からして王族の風格がある。
感心する俺。そして、無言のままエラド先輩に頷くサイラス。それに促されるように、エラド先輩は続ける。
「アクシアン公子はすでにご承知かもしれませんが、我らはアンリストリアに潜伏する為に参りました」
そうしてエラド先輩の口から語られたのは、次のようなことだった。
エラスト国王には、六人の王子と四人の姫がいる。そのうち王妃が産んだのは、二番目の王子ただ一人。セリアム殿下は側妃腹の六番目で、きょうだいの中でも一番年若い末っ子だった。第一王子とは、ほぼ親子といってよい年の差であり、他の兄達も健在。六番目の王子は後継者争いなど無縁に、平和な離宮で母と共に過ごせるはずだった。
ところが、宰相であるリャクラスが、その末王子に優れた資質を見いだし、彼をこそ後継者にすべきと王に進言したことにより、日の当たらない立場だったセリアム殿下は一躍、王位継承権レースに名を連ねることとなる。
それはセリアム殿下が、わずか五歳の時だった。
「え、君が寒いだろう。コートなら俺も着てるから、これは君が」
びっくりして返そうとしたのだが、サイラスは目を細めるだけの笑みを浮かべて言う。
「昼間だし、今日は天気も良いから大丈夫だ。そもそも、幼い頃から冬はネールで過ごして来た私に、こちらの冬なんてなんて事はないよ。この通り、マントの下に上着も着ているし」
「でも」
「ここに長居するわけじゃない。主要な点だけ聞ければすぐ切り上げるから、それまで着ていてほしい。私の杞憂をなくす為に」
「……わかった」
そこまで言われては、押し返すのも悪い。観念した俺は、掛けてもらったマントをありがたく借りておくことにした。サイラスの移り香と体温が残っているそれは、まるで背中からサイラスに抱き締められているように暖かい。俺は本当に、この香りが好きだ。
俺が受け入れたのを見たサイラスは、安心したように自分の席に座り直す。そしてまず、セラフ先輩をじっと見据えた。
「さて、どういうおつもりなんでしょうか、先輩がた」
不快感と苛立ちを隠さなくなったサイラスの声は冷たく、自分に向けられたものではないとわかっていても、心臓がギュッと縮こまってしまう。
けれどセラフ先輩は、そんなサイラスの怒りなんかどこ吹く風と言わんばかりの笑顔だった。このサイラスを前に、その笑顔。大物だな~。
「どういうつもりって、早く可愛い後輩の顔を見たかったからだよ」
セラフ先輩のその言葉はサイラスの質問に答えるもののはずだが、顔はこちらに向けてニコニコしているので、まるで俺に言っているようだった。
先輩、お願いだから答えを返す時はサイラスにお願いします。火に油を注がないでください。切実に。
無表情(激オコ)サイラスと笑顔(脳天気)のセラフ先輩。表面上は何も起きていないのに、場に流れる空気はピリッと張り詰めている。しかしそんな空気を一変させてくれたのは、やっぱりあの人だった。
「先ほどのデコピンでは、足りませんでしたか」
セラフ先輩の顔をじっと見ながら諫めてくれたのはもちろん、エラド先輩だ。デコピンと聞いた途端、笑顔を引き攣らせるセラフ先輩。反応からして、どうやら相当痛かったらしい。
「真摯な相手には真摯に。常日頃、そう申し上げているはず」
「わーかったって」
セラフ先輩はエラド先輩の言葉に、面倒くさそうに返事をすると、ヤレヤレと言いたげなジェスチャーした。それからサイラスに向き直ると、「ごめんね」とカジュアルな謝罪。
そしてそこから、セラフ先輩の纏う雰囲気が、変わった。
「でも、サイラス君の聞きたいのは、そんなことではないよね?」
そう言うセラフ先輩の顔には、ついさっきまでの能天気な笑顔は残ってはいなかった。今あるのは、目を細め、口角だけを上げた、別人のように酷薄そうな笑みだ。
素顔を見たのは今日が初めてだけど、こういう表情をすると、その顔立ちの端整さがよくわかる。褐色の肌に銀色の髪なんて神秘的以外の何物でもない。
超絶美形のサイラスを見慣れている俺でさえそう思うくらいだから、かなりの美貌だと思う。これは明日、いや今日この後から、取り巻き志願者が後を絶たないだろうな。
でもセラフ先輩はこれだけの容姿を、どうしてあんな変装で隠していたんだろう? 何か事情があるんだろうか?
しかし、そんな風に突如沸いた疑問は、すぐに解消されることとなった。
「そのお姿でおいでになられたということは、これからは御名を公表なさるものと受け取ってよろしいのでしょうか」
サイラスの言葉に、セラフ先輩は首を縦に振る。
「ああ、そのつもりだ」
「では」
サイラスはまた立ち上がると、椅子の横に立ち、セラフ先輩に向けてボウ・アンド・スクレイプを行った。それは相変わらず非の打ちどころのない華麗な所作だったが、見ていた俺はギョッとして固まってしまった。
だって、貴族が平民にそんな挨拶をするなんて、あり得ないことだ。しかも、王族に次ぐ家格を誇るアクシアン公爵家の公子が。セラフ先輩は異国人だが、平民だ。身分差による儀礼は、どこの国であろうと基本的に変わらないはずなのに、どうして……。
しかし、次にサイラスが口にした挨拶は、俺をさらに困惑させた。
「エラスト国王太子、セリアム・シャンザリア殿下に、アンリストリアの公爵家子息、サイラス・アクシアンがご挨拶申し上げます」
「……へ?」
耳から入ってきた情報は確かに脳に伝達されたはずなのに、おかしいな。処理が追いつかないぞ。
エラスト、王太子、セリアム・シャンザリア殿下……?
愕然として反応できずにいる俺をよそに、セラフ先輩はフッと笑い、足を組み変えながらサイラスに答えた。
「丁寧なご挨拶、ありがとう。君のことだからもう知っているとは思ってたけど、やはりか。流石だね」
「恐縮です」
「でも、ここはアカデミーの敷地内だ。身分にとらわれず気楽に接してくれていいよ」
「……わかりました。では、ここからはそのように」
若干口調の改まったセラフ先輩とサイラスのやり取りは、俺を置き去りにしてどんどん進んでいく。救いを求めてエラド先輩に視線をやると目が合って、なぜかこくりとうなずかれたが、何の意味かはわからない。頼りになると思ってたけど、そうでもなかったなエラド先輩。
仕方ない。事態を把握する為には自分で動くしかないと、俺は口を開いた。
「えっと、待って……つまり、何? セラフ先輩は、本当はセラフ先輩じゃなくて、エラストの……」
「王太子になりたてホヤホヤだよ~」
セラフ先輩……改め、セリアム先輩が、にぱっといつもの笑い方で答えてくれる。でも顔が眩しすぎて、俺が無理。
「なりたて……」
「そう、なりたて。本当はあと二年くらいのんびり隠れてるつもりだったけど、ちょっと急いじゃった」
「急いじゃった……」
「ん~~、まあウチは元々、僕次第ってとこあったからねえ。小バエはうるさかったけど」
「小バエ……」
小バエが何を意味するかは置いておくとして、一国の王太子になるのって、そんな自由な感じで時期を前後できるものなんだ? 式典の準備とか、色々ありそうなのに?
サイラスはいつから知っていたんだろう? もしかして、先輩と関わるなと言った時には、もう? 彼の情報収集力なら、それでも不思議はないけれど。でもなら、なぜ、教えてくれなかったんだろうか。
聞けば聞くほど、考えれば考えるほど、混迷が深まる。
サイラスを見ると、彼はセリアム先輩をじっと見据えていて、とても聞ける雰囲気ではない。こめかみだけではなく、テーブルの上に置かれ握り締められた拳の血管も怖いくらい浮き出ていた。それを見て、知る者は知る者なりに、色々な葛藤があったんだろうなと思う俺。
だよな。知ったからと言って、本人が何らかの事情があって隠しているであろう事を、第三者が勝手に漏らすべきじゃない。いくら婚約者だからって、言えるわけがないよな。俺だって、同じ立場なら言えないだろうし。
回り始めた頭で行き着いた答えに自分で納得していると、コホンと小さな咳払いが聞こえ、エラド先輩が立ち上がった。そして、サイラスと俺に向かってお辞儀をするので、俺も慌てて立ち、同じように返礼した。
この中で一番身分が高いらしいセリアム先輩はともかく、サイラスとエラド先輩がしているのに俺だけ礼を尽くさず座っているわけにはいかない。
それが済んで俺が椅子に座り直すと、それを待っていたようにエラド先輩は静かに口を開いた。
「改めて紹介をさせていただく。こちらは我がエラスト王国の王太子、セリアム・シャンザリア殿下です。私は殿下の従者であり護衛の、エラド・リャクラス。父は宰相を務めております」
普段は無口で、喋ってもひと言ふた言。もしかしてアンリストリア語があまり得意ではないのかと思っていたエラド先輩が、滑らかに流暢に話している。しかも何だか、めちゃくちゃ上品。落ち着いた所作といい、目線の静かな動きといい、声のトーンといい。宰相家の子息だからと言われれば、それはとても納得できた。セリアム先輩にしても、見た目からして王族の風格がある。
感心する俺。そして、無言のままエラド先輩に頷くサイラス。それに促されるように、エラド先輩は続ける。
「アクシアン公子はすでにご承知かもしれませんが、我らはアンリストリアに潜伏する為に参りました」
そうしてエラド先輩の口から語られたのは、次のようなことだった。
エラスト国王には、六人の王子と四人の姫がいる。そのうち王妃が産んだのは、二番目の王子ただ一人。セリアム殿下は側妃腹の六番目で、きょうだいの中でも一番年若い末っ子だった。第一王子とは、ほぼ親子といってよい年の差であり、他の兄達も健在。六番目の王子は後継者争いなど無縁に、平和な離宮で母と共に過ごせるはずだった。
ところが、宰相であるリャクラスが、その末王子に優れた資質を見いだし、彼をこそ後継者にすべきと王に進言したことにより、日の当たらない立場だったセリアム殿下は一躍、王位継承権レースに名を連ねることとなる。
それはセリアム殿下が、わずか五歳の時だった。
271
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する
☆11/28完結しました。
☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます!
冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫
——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。
ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。
その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。
ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、
——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」
噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。
誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。
しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。
サラが未だにロイを愛しているという事実だ。
仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——……
☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】王宮勤めの騎士でしたが、オメガになったので退職させていただきます
大河
BL
第三王子直属の近衛騎士団に所属していたセリル・グランツは、とある戦いで毒を受け、その影響で第二性がベータからオメガに変質してしまった。
オメガは騎士団に所属してはならないという法に基づき、騎士団を辞めることを決意するセリル。上司である第三王子・レオンハルトにそのことを告げて騎士団を去るが、特に引き留められるようなことはなかった。
地方貴族である実家に戻ったセリルは、オメガになったことで見合い話を受けざるを得ない立場に。見合いに全く乗り気でないセリルの元に、意外な人物から婚約の申し入れが届く。それはかつての上司、レオンハルトからの婚約の申し入れだった──
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。