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ドキドキ☆実践編 1(※R18)
しおりを挟む「あっ…は…ふみ…」
ベッドの上、着ているのはシャツのみという半裸で四つん這いになり、荒川君に覆い被さられている。背後から僕の体の前面に伸びてきた長い腕と大きな右手が胸の突起を撫で、弄り、摘み、捏ねる。かと思えば左手の指先は胸を撫で、腹を撫で、内股を這う。所謂、鼠径部という場所。今にも性器に触れてしまいそうなギリギリのラインを攻めてくる。そしてその触れ方が…この間までとは明らかに違った。何て言うんだろうか、しっかり触る訳ではなく、触れるか触れないかのような微妙さ。後で聞いたんだけど、これは俗に言うフェザータッチというものらしい。こそばゆいような、ムズムズするような、でもそのもどかしさが堪らない。
「…ン…ンッ…」
その繊細なタッチで睾丸に触れられて、ゾワゾワと身の内から震えが全身に広がる。
(なに、これ…)
震えと同時に肌が粟立って、気持ち良いのか悪寒なのかわからなくなっていると、今度は袋を柔らかく揉まれて悶えてしまった。
「あぁ…ん…」
「どんどん張り詰めてく。…俺の手で感じてくれてるんだ…?」
後ろから耳元で囁いてくる、熱い吐息混じりの声。掠れてセクシーでゾクゾクする。いつものワンコみたいな君じゃないみたい。
でも、すごくイい…。
動く度に鼻を擽る荒川君のシトラスの香り混じりの体臭にも、胸がきゅっとする。香水を好まない彼のシトラスの正体は制汗剤。外見は垢抜けたのにそういう所は以前のまま洒落っ気がなくて、でもそんな彼の素朴さを好ましく思う。
なのに、一方ではいやらしい言葉責めを覚えたりなんかして、ポテンシャルが半端ない。
だって荒川君の言ってる通り、僕の睾丸はパンパンに張り詰めて、屹立も下腹につきそうに硬く反り返ってる。僕は彼の腕の中で、身を捩りながらされるがままになって…。
「…ん、かんじ、る…ン…ふ……」
「早霧のチンポ、綺麗な顔に似合わないくらいガッチガチになってるよ」
「いわな、いで……んあっ」
反った屹立の裏筋を彼の指先が滑る。そして、全ての指がそれに絡み付き、擦る。
「やっ、あ、あっ、あん…」
「ほら、見てみ。もう気持ち良い蜜が溢れてきてる」
「え…あ…」
彼に握られている自分のペニスを見下ろすと、先端には本当に透明な水溜まりが、今にも零れ落ちそうになっている。それを見て、今更羞恥に顔が熱くなる。
もう何度かはシてるのに、こんなに翻弄されるのは初めてだ。荒川君が童貞卒業して間も無い初心者だから、いつもは僕がイニシアチブを取っていたし、何なら彼が上達するまで当分はそのままだろうと思っていたのに。まさか急にこんなに…。そりゃ勿論、拙いではある。でも2週間前に抱き合った時とは雲泥の差だ。
「やだ…やっ、あ、」
「可愛い。こんなに乱れてくれる早霧、初めてだね。もっと声、聞かせて」
「やっ、あ、ああああっ」
親指の腹で先走りをヌチュッと亀頭に塗り広げて、初めて見るような淫靡な手つきで竿を扱かれると、僕のペニスは長くはもたず陥落した。
ベッドに突っ伏して射精の余韻に浸る。目を閉じて息を整えながら考えた。
性技はプロに仰ぐのが一番だと思ったという荒川君の考えは、真面目で勉強熱心な彼にとっては正しかったんだろう。
彼は講師に選んだユマさんから、一通りのマッサージを受けたのだそうだ。それは普通のマッサージとは違い、オイルを用いて行う、はっきり言えば性的な官能を呼び起こすようなエロいマッサージだと聞いていたから。アロマオイルを使えばリラクゼーション効果もあるらしいが、股間付近…つまり鼠径部をマッサージされる段になると、大抵は真逆に興奮して勃起してしまう。経験の無さから自分の拙さを恥じた荒川君は、それをマスターして僕とのセックスの参考にしたかったのだろう。
しかし、だ。
お客の方からはお店の女性には触れてはいけないという事になっているというし、荒川君も彼女には触れなかったとは聞いたけど…幾ら技能を吸収する為とはいえ、僕以外の人にあの体をベタベタ触らせたのかと思うと面白くはない。いや寧ろ、腹の奥から首をもたげてきた何かが胸の中にチリチリと火を点けてくる。この感情は何だろう、と考えて、はたと気づいた。
(あ…僕、嫉妬してるのか…)
思い返してみれば、それはこれまでの僕があまり身に覚えた事の無い感情だった。
僕は、今まで付き合ってきた恋人達を好きになってきたと思っていた。けれどその割りには、浮気を知った時には知ったその場で別れを選んだ。もしかしたら、冤罪の人もいたんだろうか?でもその可能性すら考えないほどに、あっさりと切ってきたのだ。彼らの弁解など聞く価値も無いと思っていた。
この、パートナーの不貞に対する極端なまでの潔癖さは、単なる自己防衛なんだろう。
僕は、母や姉、祖母や叔母達という、狭いコミュニティの中の女性達に植え付けられた固定観念だけを信じて、愛するよりも傷つく事から自分を守るのに必死になっていただけの、臆病な子供だった。
本当は僕は、誰も愛してなんかいなかったのかもしれない。元恋人達は、そんな僕の冷めた感情をどこかで感じ取っていて、それで……。
「早霧」
至近距離で荒川君の声がして、僕の思考は中断した。
うん、やめよう。今更、考えたって仕方ない。過去を振り返って原因を追求する作業で、自己嫌悪に陥ってしまうのも嫌だ。何がどうあれ、浮気をして良い理由なんて無い。僕が嫌になって他に目が向いたなら、筋を通して別れてからにしたら良かっただけの話だ。
「…早霧、大丈夫?」
返事をしなかったから眠ってしまったと思ったのか、覗き込まれている気配。僕が薄ら目を開けると、心配そうな目と視線が合った。
「うん…大丈夫」
本当はそう大丈夫でもないけど、たかが1回手で射精させられたくらいでヘバるなんてカッコ悪いからそう答える。少し微笑んでみせると、荒川君もホッとしたように表情を緩めた。
(あ、その顔、好きだな…)
黙っていれば凛々しい顔立ちなのに、僕の前だけで緩むその顔が、僕は何時の間にか好きになってたんだなぁ…。
「お風呂入れてきたから、入ろ」
「お風呂?」
ああ、僕をイカせた後に少し離れてたのは、バスタブにお湯を張りに行ってたのかと気づいた。言われてみれば彼は既に上半身裸になっていて、綺麗に均整のとれた筋肉質の体を露にしている。
「あのさ、早霧」
「ん?」
「今夜…泊まりで良い?」
泊まりで…と聞かれて、そういえばホテルだったんだっけと思い出した。確か入室したのは…10時前だっけ。ならまあ、宿泊にした方がゆっくりできるか、と思う。母には後でメッセージでも入れておけば良いだろう。過保護に育ったとはいえもうこの歳の男だし、外泊も初めてじゃない。
「うん」
僕が頷くと、荒川君はまた安心したみたいに笑った。
「良かった。ならゆっくり実践できる」
「…?!」
あ、え…?
実践って、まさか…さっきのフェザータッチは序盤だったって事?
「今日は講習の日だったから、師匠のおすすめアロマオイルも持ってるんだ」
荒川君はベッドサイドを指差す。そこには、透明なグリーンの容器に入った液体が…。
「体あっためて綺麗にした後に、じっくり感じさせてあげるね」
ニカッと屈託無く笑う荒川君に、僕もヒクついた笑みを返すしかない。何せ、成果の披露を望んだのは、他でもない僕なのだから。
「…あは…お手柔らかに…。」
「がんばるね!!」
「……ウン…タノシミ。」
僕、どうされちゃうんだろう…。
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