5 / 36
5 嵌める。 (藤川side ※ R18)
しおりを挟む「あ、あ、あっ、ふじかわ、だめ…ちくび、だめ…」
数時間、散々指で摘んで捏ね回してぷっくりと腫れた小さな紅い乳首。
この人、本当に遊んでない。流石俺のΩ。
もしかすると本当に初物かもしれない。
つい興奮して弄り過ぎた可哀想な乳首ふたつ。痛みがあるのかもと片方を唇でそっと咥えると、あんっと身をくねらせるもんだから、俺のムスコの硬度が増した。
凶悪すぎる、立川先生。
唾液でぬるついた舌で舐め上げると、細く悲鳴のような嬌声が上がる。
ついでに繋がりっぱなしのアソコもきゅーっと締まる。
危うく射精しかけたのを何とか堪えて、細腰を掴み直してグラインドを再開する。
浅く、深く、浅く、深く。
「あ、あっ、あっ、ふかい、ヤだ…もう中、ヤだ…っ、こわ、い…っ」
「…っ、」
妊娠しちゃうよ…、と涙声で懇願されても逆効果。燃えるだけである。
因みにヒート中じゃないから妊娠する可能性は残念ながら、低い。
でも、だ。かわいい自分のΩの口から、妊娠しちゃうよぉ(涙声)…なんてものを聞いてしまったら…。興奮せずにいられる奴がいるだろうか?
否。
少なくとも俺はすんごい興奮するし、大事に大切にぐっちゃぐちゃに犯してやりたくなってる。
その証拠に、既に何度も放っている筈の俺の陰茎は又しても硬度を取り戻し、何なら更に膨張している。
その状態で挿抜を速めると、濡れた肉のぶつかる音が激しく響いた。
彼はとうとう泣き出して、嗚咽混じりに喘ぐ。
「死んじゃう、ヤだ、ヤだ…もうおわって、もうおわってぇ…」
鼻にかかった甘え声。
…普段の、スンッ…と喜怒哀楽があまり感じられない無表情気味の彼と、涙と体液塗れで体中を紅潮させながら貫かれている色香全開の今とのギャップに、ダサいけど鼻血が出そうになる俺。
彼の胎内の熱さがペニスから伝わってきてクラクラする。
それと同時に鼻に纏わりつく、濃密なΩの匂い。
(孕んでしまえば良いのに…。)
身勝手な雄の本能に身を任せて、首をイヤイヤと振りながら嫌がる彼の中に俺の種を放つ。
「……ひ…っ!!」
白い喉を仰け反らせ、枯れかけた悲鳴を上げる。
直後、肢体からだらりと力が脱け、失神したのがわかった。
掻き混ぜてやる…。
意識を失くして弛緩した体の、幾度となく激しい挿抜に耐えて緩んだ穴は、それはそれでまた愉しい。名残り惜しみながらペニスを引き抜くと、こぷっと白い白濁が、中で撹拌された泡立ちを交えて溢れ出した。
互いの精液と彼の愛液で濡れそぼった陰毛、それに囲まれた彼のペニスは力なくしなっているのに、先端からは未だダラダラと少量ずつ白濁を滲ませ続けている。
そこにちゅ、と吸い付いてみると、んん、と腰をうねらせて小さく震えた。
意識は落ちてるのに律儀に感じてるのがかわいい。
彼もちゃんと快感を得ているようで、ホッとする。
ヒート中のセックスではなかったからか、中に出すのに抵抗が見られた。
でもそれも初々しくて良かった。
ヒートが来たら一体どんな風になるんだろう。
これ以上に凄い快楽が待っているのかと思うと、期待感に胸が弾んだ。
でも、その前に…。
彼は起きたらどんな顔をするだろうか…。
今更我に返って、ふと不安になった。
立川先生にしてみれば、酒の上の過ち。
でなければ、騙し討ちされ知らない内に番にされたようなもの。
被害者と言えば被害者である。
しかし心ならずも番になってしまっている場合、例えそれが無理矢理だとしても、Ωにとっては解除する方がリスクが高過ぎる為、訴えたりするよりも妥協して共に生きる事を選択する事も少なくない。
俺はそれに賭ける事にした。
卑怯なのは百も承知だ。
卑怯でも何でも、俺はこの人が欲しかったから、仕方ない。
例えこの人が、俺を何とも思っていなくても。
「俺を、選んで下さいね…。きっと大事にしますから。」
決まった相手がいないのなら、俺と生きて欲しい。
蒸しタオルを作って彼の体を拭き清めながら、願った。
「大人として、責任は取る。」
「君が望むのなら番を解除しても構わない。」
目を覚ました彼は、そんな可愛くない提案をしてきた。
いや、嘘。
戸惑って頑張って、何とか最良の解決法を捻り出そうとしてた困り顔、かわいい。
責任を取るというのは、番を継続するも解除するも俺の希望を汲む、という事だろう。
噛まれて抱かれた被害者なのに…。お人好し…。
何故そんな提案に至ったのかを聞いてみると、彼は体質的に少し変わっていて、ヒートが軽い上、抑制剤もよく効き、就業には支障が無く経済的問題は発生しないであろう事、伴侶を持つ気もないから次の番が作れなくても困らない事などを挙げ、Ω特有のデメリットが自分には生じない旨を伝えてきた。
どうやら彼の頭の中では、昨夜、2人共が酔ってしまい、その勢いでこうなってしまったのだと結論づけたようだ。
昨夜の情事を全く覚えていなかったのは残念だが、それはそれで好都合な事もある
俺は勢いなどではなく、明確な意志を持って 事が始まる前に、項を噛んだ訳だが…、その辺の事は敢えて伏せておく。
卑怯と言うなら言うが良い。
わざわざ事実を明かして自分の立場を危うくする必要は無い。
「大人として責任を取って下さる気があるとおっしゃるのなら、結婚して下さい。」
どうせ番解除を前提に考えているのなら。
解除ならいつでもできるというのなら。
その前に俺との番生活を送ってみてくれたら良いじゃないか。
体の関係に気持ちが引っ張られる事もあるというし。
(一緒にいる内に何度もセックスをしたら、俺に気持ちが向くかもしれないし。)
数ヶ月後、俺は自惚れてタカをくくって居た事を後悔する事になる。
応援ありがとうございます!
6
お気に入りに追加
3,768
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる