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01 ヌーボー・レース
プレゼンテーション
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以前居た会社で外回りの営業をしていた頃、色々な顧客の前でプレゼンを行ったが
一番油断出来なかったのはある政治家だった。
こちらの発する言葉ひとつひとつから、
「自分にどう利益が出るのか?」
または
「自分の支援者にどう利益を誘導できるか?」
真剣に分析されているのがひしひしと感じられ、こちらも脳をフル回転してなんとか対応した思い出がある。
さて。
この世界は民主主義のように議会の承認を得る必要もない。
つまり領主にその地域の権力が完全集中しているわけで。
元の世界の政治家先生よりさらに手強い筈だ。
……こんな「強い」相手に「もっと強いカード」を持って交渉できる好機なんてそうあるもんじゃない!
まずは基本通り対象物の価値を引き上げる。
いつもならそれ以前に「これちょっと欲しいかも」と思わせる下地作りからなのだが、今回は省略。
「先ほど例に挙げた例は『ごく一部の可能性』にすぎません。この新素材は用途が大変に広く、かつ長期にわたって代用品が出てこないものも多数あります」
ガソリン車がもしかすると消えそうな元の世界でも、タイヤをはじめ多数のゴム類は電気自動車になっても使われ続けている。
「すぐ劣化する、という生ゴムの欠点を消し去った加工技術です。さらにはゴムの範囲を超えた強度をもつ物質も発見されました。上質の木材にも似た樹脂で、加工が容易なためこちらの用途も無限です」
ゴムを硬化させた樹脂……「エボナイト」は水や油に強く、薬品にも犯されにくい。
また型に流し込んで良し、削っても良し、で加工が容易で
プラスチックが普及した現代でも生き残っている素材だ。
こういう事を「知っている」というのが重要で、
売れる「かもしれない」ではなく「売れる」と確信出来るから、
自然と態度にも出るし、その微妙な機微は政治家以上に敏感であろう貴族なら
「確実に嗅ぎ取る」と踏んでいる。
「……で、結局それを君はどうしたいのだね?」
ジャブが飛んできた。
早く話を進めろ、そっちの言いなりにはならないぞ、というけん制。
だが慌てない。慌てない。
商品の価値を徹底的にすり込んでから条件を提示しないと叩かれるだけだ。
「そうですね。その話をする前にまずは外に出ましょうか?現物で説明させて頂いた方がご理解頂きやすいかと思いますので」
ララガに耳打ちする。
(……例の馬車、車輪はすぐに直せるか?)
(……手伝ってもらえればすぐ出来るぜぇ)
(……よし、先に準備を頼むがまだ車輪は取り付けるなよ)
ララガとアデルを先行させて、俺たちも屋台が並んだ城の広場に出る。
まだ朝だというのにもう呑んでいる連中もいるが、二日酔いの俺にはうらやましく思えない。
「冬を前に古い酒を飲み干して、新しい酒を仕入れる祭りだからね。3日の期間中に一滴残らず干すのが粋ってものさ」
そのためには朝晩関係無く飲み続けることも「やむを得ない」というわけか。
まぁ冷蔵庫もないようだし、鮮度管理の意味でも早めに飲み切るのは理にかなっているのかもしれない。
広場の中心に停まっている俺たちの馬車へ、全員を集める。
ララガ達が馬を連れて来てくれた。
「昨夜はここの厩舎で面倒見てもらったんだ。あとで礼を言っときな」
「いやララガにも面倒かけたな。すまん」
「いいってことよ」
昨日俺が飲み潰れてたので、ララガが馬の休息の手配までしてくれていたようだ。
ほんと、手間かけて申し訳ない。
俺は馬車に立てかけてあったレース中に外れた車輪を手に取ると
「どうぞお手にとってごらんください。こちらがゴムを貼り付けた車輪となります。クッション性とグリップ力が格段に向上しております」
せっかく車輪のサンプルがあるんだから、見せない手はない。さらに触感にも訴えるため、実際に手にとってもらう。
「……結構軽いな?!」
「ゴムの重さは追加されますがクッション性が良いため無駄に頑丈にする必要が無く軽く作れるのです」
実は馬車の車輪って、元々案外軽いのだ
元の世界で骨董店の店頭にあったので持ってみた事があるのだが、ずっしりした重みを想像していたのに軽くて拍子抜けした事がある。
貴族の人がそんな事知らないだろう、と思ってたら案の定だ。
ちなみに自動車のタイヤは、高速に耐える強度をもたせるためもっと重い。
スポーツカー用のワイドタイヤなんてホイールとセットだと持つのも大変なくらいだ。
「ではこの車輪を取り付けますので少々お待ち下さい」
木箱で支えられた馬車を俺は片手で持ち上げる。残った三輪と重量を分散しているので、本当に軽い。
「恐れ入りますがどなたか箱を外して頂けますか?」
「では私が」
6頭立てで御者をしていた執事然とした人が箱を取ってくれる。
「他にも何かお手伝い出来ることはございませんか?」
「あ、それでは車輪もお願いします」
執事?さんに車輪を持ってきてもらう。
「ありがとうございます」
「いえいえ、素晴らしい馬車のお役に立てるのは喜びです。無論、貴殿の腕前もお見事でございました」
「こちらこそ相手が貴方で本当に苦しめられましたよ」
ずっとリーナの魔法で監視してたので知っているが、この人本当にミスがない。
きっちりペース配分を守って乱れ無し。
なのでこちらも敵がミスしないと「信じて」作戦を立てたくらいだ。
「光栄です。それで、この車輪は軸に入れてもよろしいですか?」
「おう、頼むぜぇ」
ララガが大きなナットと大きなレンチっぽい工具を持っている。
あれ?さっきまで持っていなかったのに、どこから出したんだろう?
よっこいしょ、という感じで俺はさらに馬車を斜めに持ち上げる。
その隙に執事さんが素早く車輪を軸にさしこむ。
「良かった。軸側のほうは問題ねぇ。これなら簡単だぜ」
ララガが村娘風のドレスのまま、大きなナットを取り付けてレンチで締め上げる。
「これも緩み止めが必要だったかねぇ。レース中に緩むってのはいけねぇや」
「いや、かなり無理したからだと思う。普通は問題ないんじゃないかな」
あんな道ともいえないようなトコを無理に降りたからなぁ……
逆によく車輪外れるくらいで済んだものだ。
「これでよし。もういいぜ」
いったん持ち上げていた馬車を下ろし、さらに増し締めしてからララガがOKを出す。
ふむ、だいたい手順は自動車のタイヤ交換と同じ手順で良かったな。
さらに馬をつなぎ、幌を開ける。
「それではお待たせいたしました。せっかくですので、ご試乗いただければと思いますがいかがでしょうか?」
車を売るなら、試乗させるのがベスト。
それは馬車でも同じ事!
「それはもうもちろんですわ。まずは私からね」
「アリスの席は無い。残念」
真っ先に乗り込もうとするアリステアをアデルがグイッと引っ張る。
「うげぇ!アデル!何するんですの!」
「アリスにはララガ謹製オモチャの馬車がお似合い」
「……!そ、それはあの馬車も可愛かったですけどぉ!」
ふむ、貴族のお嬢さんにも可愛いと言わせるオモチャの馬車というのも気になるが、まずはメインターゲットだ。
「ではまず私たちからだね」
領主のエドとその叔父を馬車の荷台に乗せて走り出そうとしたら、リーナも御者台に上がってきた。
「ここはわらわの指定席だからのぅ」
「いいけど、くれぐれも大人しくしてろよ?」
レース中、馬車の揺れがイヤで微妙に体浮かせてる姿を見た俺としては、気が気でない。
「ちゃんとした席をご用意できず申し訳ありません」
後ろの2人に声をかける。
荷物運びレース専用車だからねー。豪華なシートがあるはずもありません。
「いや、いいんだ。私の家はまだ2代目の『開拓城主』だからね。フロンティア精神は失われていないよ」
「私のところはまだ初代だから開拓真っ最中さ。シェナの都の繊細な貴族様とは違うぞ」
この世界はまだまだ拡大している最中のようだ。
豊かなのはそのせいもあるのだろうか。
「それではここをひと回りいたします。ご質問等ございましたら遠慮無くお申し付けくださいませ」
試乗、開始。
さてどうなりますやら。
一番油断出来なかったのはある政治家だった。
こちらの発する言葉ひとつひとつから、
「自分にどう利益が出るのか?」
または
「自分の支援者にどう利益を誘導できるか?」
真剣に分析されているのがひしひしと感じられ、こちらも脳をフル回転してなんとか対応した思い出がある。
さて。
この世界は民主主義のように議会の承認を得る必要もない。
つまり領主にその地域の権力が完全集中しているわけで。
元の世界の政治家先生よりさらに手強い筈だ。
……こんな「強い」相手に「もっと強いカード」を持って交渉できる好機なんてそうあるもんじゃない!
まずは基本通り対象物の価値を引き上げる。
いつもならそれ以前に「これちょっと欲しいかも」と思わせる下地作りからなのだが、今回は省略。
「先ほど例に挙げた例は『ごく一部の可能性』にすぎません。この新素材は用途が大変に広く、かつ長期にわたって代用品が出てこないものも多数あります」
ガソリン車がもしかすると消えそうな元の世界でも、タイヤをはじめ多数のゴム類は電気自動車になっても使われ続けている。
「すぐ劣化する、という生ゴムの欠点を消し去った加工技術です。さらにはゴムの範囲を超えた強度をもつ物質も発見されました。上質の木材にも似た樹脂で、加工が容易なためこちらの用途も無限です」
ゴムを硬化させた樹脂……「エボナイト」は水や油に強く、薬品にも犯されにくい。
また型に流し込んで良し、削っても良し、で加工が容易で
プラスチックが普及した現代でも生き残っている素材だ。
こういう事を「知っている」というのが重要で、
売れる「かもしれない」ではなく「売れる」と確信出来るから、
自然と態度にも出るし、その微妙な機微は政治家以上に敏感であろう貴族なら
「確実に嗅ぎ取る」と踏んでいる。
「……で、結局それを君はどうしたいのだね?」
ジャブが飛んできた。
早く話を進めろ、そっちの言いなりにはならないぞ、というけん制。
だが慌てない。慌てない。
商品の価値を徹底的にすり込んでから条件を提示しないと叩かれるだけだ。
「そうですね。その話をする前にまずは外に出ましょうか?現物で説明させて頂いた方がご理解頂きやすいかと思いますので」
ララガに耳打ちする。
(……例の馬車、車輪はすぐに直せるか?)
(……手伝ってもらえればすぐ出来るぜぇ)
(……よし、先に準備を頼むがまだ車輪は取り付けるなよ)
ララガとアデルを先行させて、俺たちも屋台が並んだ城の広場に出る。
まだ朝だというのにもう呑んでいる連中もいるが、二日酔いの俺にはうらやましく思えない。
「冬を前に古い酒を飲み干して、新しい酒を仕入れる祭りだからね。3日の期間中に一滴残らず干すのが粋ってものさ」
そのためには朝晩関係無く飲み続けることも「やむを得ない」というわけか。
まぁ冷蔵庫もないようだし、鮮度管理の意味でも早めに飲み切るのは理にかなっているのかもしれない。
広場の中心に停まっている俺たちの馬車へ、全員を集める。
ララガ達が馬を連れて来てくれた。
「昨夜はここの厩舎で面倒見てもらったんだ。あとで礼を言っときな」
「いやララガにも面倒かけたな。すまん」
「いいってことよ」
昨日俺が飲み潰れてたので、ララガが馬の休息の手配までしてくれていたようだ。
ほんと、手間かけて申し訳ない。
俺は馬車に立てかけてあったレース中に外れた車輪を手に取ると
「どうぞお手にとってごらんください。こちらがゴムを貼り付けた車輪となります。クッション性とグリップ力が格段に向上しております」
せっかく車輪のサンプルがあるんだから、見せない手はない。さらに触感にも訴えるため、実際に手にとってもらう。
「……結構軽いな?!」
「ゴムの重さは追加されますがクッション性が良いため無駄に頑丈にする必要が無く軽く作れるのです」
実は馬車の車輪って、元々案外軽いのだ
元の世界で骨董店の店頭にあったので持ってみた事があるのだが、ずっしりした重みを想像していたのに軽くて拍子抜けした事がある。
貴族の人がそんな事知らないだろう、と思ってたら案の定だ。
ちなみに自動車のタイヤは、高速に耐える強度をもたせるためもっと重い。
スポーツカー用のワイドタイヤなんてホイールとセットだと持つのも大変なくらいだ。
「ではこの車輪を取り付けますので少々お待ち下さい」
木箱で支えられた馬車を俺は片手で持ち上げる。残った三輪と重量を分散しているので、本当に軽い。
「恐れ入りますがどなたか箱を外して頂けますか?」
「では私が」
6頭立てで御者をしていた執事然とした人が箱を取ってくれる。
「他にも何かお手伝い出来ることはございませんか?」
「あ、それでは車輪もお願いします」
執事?さんに車輪を持ってきてもらう。
「ありがとうございます」
「いえいえ、素晴らしい馬車のお役に立てるのは喜びです。無論、貴殿の腕前もお見事でございました」
「こちらこそ相手が貴方で本当に苦しめられましたよ」
ずっとリーナの魔法で監視してたので知っているが、この人本当にミスがない。
きっちりペース配分を守って乱れ無し。
なのでこちらも敵がミスしないと「信じて」作戦を立てたくらいだ。
「光栄です。それで、この車輪は軸に入れてもよろしいですか?」
「おう、頼むぜぇ」
ララガが大きなナットと大きなレンチっぽい工具を持っている。
あれ?さっきまで持っていなかったのに、どこから出したんだろう?
よっこいしょ、という感じで俺はさらに馬車を斜めに持ち上げる。
その隙に執事さんが素早く車輪を軸にさしこむ。
「良かった。軸側のほうは問題ねぇ。これなら簡単だぜ」
ララガが村娘風のドレスのまま、大きなナットを取り付けてレンチで締め上げる。
「これも緩み止めが必要だったかねぇ。レース中に緩むってのはいけねぇや」
「いや、かなり無理したからだと思う。普通は問題ないんじゃないかな」
あんな道ともいえないようなトコを無理に降りたからなぁ……
逆によく車輪外れるくらいで済んだものだ。
「これでよし。もういいぜ」
いったん持ち上げていた馬車を下ろし、さらに増し締めしてからララガがOKを出す。
ふむ、だいたい手順は自動車のタイヤ交換と同じ手順で良かったな。
さらに馬をつなぎ、幌を開ける。
「それではお待たせいたしました。せっかくですので、ご試乗いただければと思いますがいかがでしょうか?」
車を売るなら、試乗させるのがベスト。
それは馬車でも同じ事!
「それはもうもちろんですわ。まずは私からね」
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「ここはわらわの指定席だからのぅ」
「いいけど、くれぐれも大人しくしてろよ?」
レース中、馬車の揺れがイヤで微妙に体浮かせてる姿を見た俺としては、気が気でない。
「ちゃんとした席をご用意できず申し訳ありません」
後ろの2人に声をかける。
荷物運びレース専用車だからねー。豪華なシートがあるはずもありません。
「いや、いいんだ。私の家はまだ2代目の『開拓城主』だからね。フロンティア精神は失われていないよ」
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この世界はまだまだ拡大している最中のようだ。
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