異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ

文字の大きさ
85 / 274
第二章

85話目 魔道具職人2

しおりを挟む


「どうやって回復したんだ……いや……本当に回復したのか?」

自分で言っててあり得なさからか落ち着いたからか椅子に腰を下ろし胡散臭そうに相良さんを見る倉敷さん。

どう言うことかのう? と言っているマッヘンさんなんか可愛い。

「回復しましたよ」

「どうやって」

「ちゃちゃっと行ってきて」

「どこにだよ」

「日本です」

「……ダメだこりゃ」

相楽さんの冗談だと思ったようで肩をすくめて椅子に腰を下ろす倉敷さん。

「お薬用意してくるね。疲労回復でいいかな?」

相良さん疲れて変な妄想見た扱いになってる?

というか私いつまで蚊帳の外なんだろう?

「相良さん魔道具は……」

「魔道具? あぁ……そうか。 Sランク対策の魔道具だったな……。 今は素材が足らないからレシピ産は無理だ」

レシピ産って何?

「そうなんですか……」

頭を掻いてこちらを見る倉敷さん。 よく見ると目の下のクマ凄いな。

相良さんが言ったってことは回復しても問題ない、と言うか魔力回復方法を探す同士なんだろう。

アイテムボックスからカタログギフトを取り出し倉敷さんに差し出した。

「ん? なんだこれは?」

「どうやって作るか分かりませんが……これでも無理ですか?」

「カタログギフト? これを売れってか?」

「いえ違います。 使用して下さい」

「は?」

「相良さんどうしましょう。 ここ五人いますよ」

「とりあえずマッヘン爺を置いていきましょう」

「分かりました」

「なんかよく分からんがワシ置いていかれるのか」

しょぼんとするマッヘン爺さん。

まあ、しょうがない。

とりあえず最初に行ったところで良いですか? と、相良さんと最初に行った日帰り温泉を示す。

「そうですね。 私が透の名前入力するので桜さんは鋼の名前入れてもらって良いですか?」

「分かりました」

そう言うと私はアイテムボックスからもう一冊カタログギフトを取り出した。

「おい。 話が見え全く分からねえんだが」

相良さんは倉敷さんからカタログギフトを取ると名前を入力した。

「お待たせ取り置いてた薬切れてたから新しいの持ってきたよ……」

私も名前を入力し扉から菅井さんが現れると同時にはいを押した。

「ぇえー……旅館……?」

菅井さんは変わった景色を見てキョロキョロしている。

受付を済ませるとすぐさま相良さん達がやって来た。

「で?」

で? とは?

倉敷さんは一瞬驚いてすぐに冷静になったみたい。

開口一番の言葉がそれであった。

「驚きとかはないんですか?」

「驚いた。 それで?」

「旅館のドアから出ると戻ります」

「分かった」

「温泉入らないの?!」

こちらで話をしていたら菅井さんはウェルカム玉コンニャクを発見してたみたいで皆の分貰ってきてた。

一串貰い咀嚼する。 ここの玉コンニャク美味しい。

倉敷さんは玉コンニャクに見向きもせずドアへ一直線だ。 なんと言う強者。

受付してた相良さんが合流し倉敷の姿が見えないので行方を尋ねられた。

そこですよとドアに向かってると教えてあげた。

倉敷さんが戻ると言って聞かないので皆んなで帰ることにした。

菅井さんは玉コンニャクを咀嚼しながら名残惜しそうに落ち込んでた。

「マジか」

元の工房に戻り魔力を見た倉敷さんの言葉である。

「マジですよー」

「どこ行っておったんじゃ! ……ん? それは?」

置いてきぼりのマッヘンさんには急に人が消えたように見えたらしい。

そして菅井さんが持っている玉コンニャクに興味を惹かれたみたいだ。

「久しぶりの温泉入りたかった……」

倉敷さんの分の玉コンニャクをマッヘンさんに渡す菅井さん。

マッヘンさんは恐る恐る口にしていた。

ぶよんとした食感に衝撃を受けたようだった。

「鋼も確認しとけ」

「何を?」

「魔力だ」

「魔力? あれ……? 魔力回復してる! なんで?」

「そうかそうか……こっちで貰うじゃなくあっちから持ってくる……こう言うことか」

倉敷さんは納得した様子だった。

「とんでもない魔法だな。 さっきは当たって悪かった」

意外と素直。

「いえいえどう致しまして」

「とは言えこれで魔道具作り放題だ。 鋼! 魔石だ」

興奮した様子の倉敷さんが菅井さんに魔石を要求した。

「よく分からないけど分かったよ!」
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

処理中です...