異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ

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第二章

100話目 灯里とシリウスさん

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春子さんは大丈夫だったのかな?

一度ネーアの街に戻りギルマスと話をし回収した魔獣を引き渡し門の近くの宿で部屋を取り仮眠を取る。

夜明けより少し前に目が覚めて早めの朝食を取りながらそんな事を考える。

と言うか魔法の威力凄かったな。

パンを千切り口に含みスープで流す。

夜明け前だと言うのに冒険者でそこそこ賑わっていた。

「そう言えば聞いたか?」

「何がだ?」

「西と北にある仮の治療場の事だよ」

「治療場? ポーションで足りてるから行ってないな」

「ポーションの大盤振る舞いのお陰で大怪我じゃなければ行かないもんな。 ……まあそれでよかったと思うぞ」

「なんだなんだ?」

治療場? 灯里さんが配属されてるところか?

冒険者達の声に耳を傾ける。

「シリウスさんが灯里ちゃんに追っ払われたんだ」

「シリウスさんを?! はー……灯里ちゃんもやるね」

「昨夜はそれはもう凄かったからな」

「お前見てたのかよ! 勇気あるな」

「まあな。 壁と化して乗り切ったぜ!」

「見逃してもらったのな……それでどうやって追っ払われたんだ?」

灯里さんがシリウスさんを?!

まあ……確かに温泉行った時の表情見たら限界近そうだったもんな。

頷きながら話に聞き入る。

「元々シリウスさんは北の討伐に配置されてたんだ……まあそれは当然だな。 特攻するには強くなくちゃならないしあの量の魔獣じゃ並の冒険者じゃ飲まれちまうし……

で、夕方になって割り振りが終わって休憩になったんだ。 まあいつもの事だが灯里ちゃんの所に直行したんだよ」

「お前よくシリウスさんの行動知ってるな」

「当たり前だろ! あの量の魔獣見ただろ! 率先して高ランクの魔獣狩ってくれるんだ。 近くに居れば死ににくくなるだろうが!!」

「確かにレッドオーガが群れで出た時は死ぬかと思った。 腕が一本やられたんだぜ……あれもシリウスさんに葬られてたな」

「だろ! キラーアントぐらいだったらまあ何とか相手出来るがAランクの魔獣は無理だって!!」

「それでどうなったんだ?」

「あ?ああ……灯里ちゃんもいつもなら苦笑いしながら放っておくんだが昨日は……叱っんだよ」

「叱った? 誰を?」

「シリウスさんをに決まってるだろ」

「はっ?! ……何て!」

「確か……「心配して頂けるのはありがたいですが、魔獣退治して身体を休めずに護衛されても困ります。 まずは休んで下さい」 って言ったんだっけかな? まあ、シリウスさん灯里ちゃんにゾッコンだから引かなかったんだよ……そしたら……」

「そしたら?」

「「ならば本宮様も休んで下さい。 こいつらはそこの神官にやらせればいい」 ってシリウスさんが言ってそれを聞いた灯里ちゃんがブチ切れた」

「あの灯里ちゃんが?!」

「「やらせれば良いって何ですか? あなたは何で私が絡むと思いやりが無くなるんですか? 慣れない現場に出て、気を失った怪我人に対し、魔力ポーションを飲み過ぎて気持ち悪くなりながらも懸命に治療にあたる優しい人達に向かってなんて事言うんですか!! 貴方だって見たでしょう? ここの人達魔獣が出る門の外で治療に当たったんですよ! ポーションを支給してくれたおかげでここに来る人達減ったから飲めない人の応急処置に行くって! 私だって行きたかった……でも行かせて貰えなかった。 私の代わりに頑張ってくれた人達に向かってやらせれば良いってなんなんですか!! 」 だったかな? で、出てって下さいって押し出されてた」

「いや……押し出すってシリウスさんを? 灯里ちゃんが? シリウスさんが自分で出てったんじゃないのか?」

「あれ? いや……灯里ちゃんが押し出してた……はず? でも灯里ちゃんとが押し出せるのか? あれ? いや外に出されてたしな……」

「それでその後どうなったんだ?」

「あ? ……あぁ……灯里ちゃんにそんな態度取られるの初めてだったみたいで扉の前で縋り付いてたが「治療の邪魔になるので部屋で休んで下さい」って追い討ちかけられ呆然としながら何処かに行ってしまったよ。 他のメンバーも灯里ちゃんに追い払われたって聞いたな」

「だからあんなだったのか……」

二人の会話に聞き耳を立ててたのは俺だけじゃ無かったらしくもう一人会話に加わった。

「「あんなって?」」

「魂抜けたような顔して何かぶつぶつ呟きながら彷徨ってたぜ。 焦点定まってなくて怖かったぞ」

灯里さんやるな。

残ったパンを口に含みスープで流し込むと門へ向かった。

今日は北門だ。

戦闘は休みなく続いているので門に近づくに連れ音が大きくなっていった。

「ん?」

人だかりが出来ている。

押し除けて前へ行く。

どうやら門の外で何かがあったらしい?

「すみません。 何があったんですか?」

「あ? あぁ……あれだよアレ」

「あれ?」

指し示された方を見ると城壁が一部凹みその前に人が倒れていた。

あれは……シリウスさん?

その横にはルーカスさんとルビーさんが居て慌てて声をかけているようだ。

そこから少し離れた場所には春子さんと桜さんが居た。

ギルマスと灯里さんも居る。

何があったんだ?
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