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第二章 変わりゆく日常
27話目 説明会
しおりを挟む時刻はお昼前
「じゃあ、私はこれからダンジョンに向けて説明会があるから行ってくるね」
「行ってらっしゃい、気をつけてね、お姉ちゃん」
そうして姉は政府が主催するダンジョン研修へ向かった。
取り残された私は手元に残った上級回復薬を見つめた。
「上級回復薬は作れたけど快復薬や解毒薬の道は遠いなぁ」
ため息が漏れた。
「ダンジョン……いいなぁ」
スライム祭りの後に学校が休校になってアルバイト三昧に勤しんだ。
日中も暇になってしまったんだもん。 しょうがないさ。 草むしりもめっちゃした。 町内会長さんに褒められちゃった。
母からは扶養外れちゃうから年間103万超えないでねと注意された。 月々4万ちょいしか稼いでない私には高いハードルだ。 越えられないから安心してほしい。
クーラーの聞いた室内でゴロゴロする。
「しょうがない、宿題でもするか」
あのスライム祭りの後休校続きで夏休み突入、宿題も渡されないやったー!! と思いきや、郵送されてきやがった。 先生そんな手間かけなくていいですよ。
封筒を開ける時の私のワクワクを返してほしい。
そんなことを思いながら宿題に取り掛かった。
「ただいまー」
「お姉ちゃんお帰りー」
きっちり2時間宿題に費やし夜ご飯を作る。
今日は暑いから冷やし中華に中華スープだ。 さっぱりした麺が美味しいよね。
「あー疲れた」
「お疲れさま」
姉が荷物を置きに自室に行っている間にご飯の用意をしておいた。
ちなみに今日は母が残業で遅くなると言う事なので2人で夕飯を済ませる。
「シロも食べてねー」
いつもの小皿にシロ用のご飯を置く。 がっつくシロを見ていたら姉が降りてきた。
「お、今日は冷やし中華? いいねいいね」
「さっぱりしたものが食べたかったんだー。 暑かったもんね」
「そうなの!! めっちゃ暑かった!!」
「えらく力強い返答だね」
「それがさー、優奈聞いてよー」
『まず、「モニュメント」 、「門」 と呼ばれている物について説明を行う』
通知を受け取った姉が向かったのは市内にあるビル。
持ち物は筆記用具。
「ここだここだ」
受付で名前を言うと入館証を貰い6階の一室を案内された。
エレベーターで6階まで行くとエレベーターホールに自販機や長椅子が置かれ、ちょっとした休憩スペースになっている。
そこを抜けると細い廊下があり左右にいくつか部屋があった。
「あそこね」
ダンジョン合格者説明会と立札が置かれた部屋がある。
ドアは開いており、中を覗き見る。
普通の会議室。
覗き見た扉は部屋の一番前だった。
右手にはホワイトボード、上の方にスクリーンみたいなのがある。
進行用の白い机が置かれており、その上にはマイクやパソコンが置かれている。
そこから人二人分くらいの距離を取り、司会用の机を基準に白い長机が左右に2つ、2列置かれている。 椅子の数は一つの机に対して3つ。 最大12名分の椅子が用意されていた。
……合格者全員を一度に研修する訳ではないんだ。
席にはすでに何人か着席していた。
「自分の名前が書かれた席にお座りください」
入り口横に居たスーツを着た男性にそう言われ、自分の席を探し椅子に座った。
……資料がある。
10枚ほどの資料をパラパラ捲る。 どうやらこれをもとに研修を行うらしい。
一枚目は表紙、その後はダンジョンの危険性についての説明がつらつら書かれ、最後の紙には守秘義務や、怪我や病気に対する許諾、要するに何があっても国を訴えませんと一筆書けと記載された同意書があった。
……まあそうだよね。 何かあって訴えられたら困るもんね。
迷うことなく同意書にサインをした。
まず、私が今回このダンジョンの探索に応募した理由は優奈にある。
もちろん私自身が気になったから、というのもある。
だが、今後のことを考えたら優奈の為に活躍しなくては。 あの子はお母さんに似てのんびりしてるから交渉とか出来無さそうだし、私が先に潜入して人を見極めないと。
幸いにも私は治療が自分で出来る。 怪我をしても多少のことは問題ない。 そしてレベルもそこそこ上がっている。 ならば次はダンジョン内について知らなければ。
お姉ちゃん頑張るからね。 と心で奮起し研修開始を待った。
最初はプロジェクターによる説明、政府が把握するダンジョン内についての説明がされた。 自衛隊が何階まで突入したか、突入の様子を見せてくれたのには驚いた。
どうやらダンジョンは何階かあるらしい。
1~2階はスライムのみ。
3~4階からスライムと羽の生えたウサギのような魔物。
5階はスライムと羽ウサギとでかいネズミのような魔物。
6階は狼みたいな魔物。
7階はゴブリン。
1階は一本道だが、2階からは迷路のように広くなっており、現状この期間で把握できてるのはここまでらしい。
……というか羽の生えたウサギ、可愛い。
あれ飼えないのかな? めっちゃ可愛い。
資料画像の羽ウサギは小柄な白いウサギに小さな白い羽が生えている。 ひょこひょこ動いてる、控えめに言って可愛い。
他の合格者も私と同じことを思った人が居たみたいで、羽ウサギに対してはでれっとしている。
「……この羽ウサギは見た目とは裏腹に空は飛べず、足の筋肉が発達しており、羽を広げ羽ばたくと同時に突進し岩をも砕きます。 実際に可愛さから油断した隊員が足の骨を折る怪我をしております」
羽ウサギの登場で油断した空気がその言葉で引き締まった。
……威力えげつない。 頭蓋強い……。
「このようにスライムとは違い、見た目にそぐわない攻撃力を持っています。 ダンジョンに入る際はくれぐれも注意してください。 続いてこのネズミのような魔物は……」
休憩を挟まず1時間ほどの説明。
えらくあっさり説明が終わったなと思ったら、その後なぜかバスに乗せられ、近くの自衛隊の駐屯地に連行されることになった。
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注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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