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第三章 進路とダンジョン攻略

51話目 ダンジョン後

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「疲れたー」

「遥お疲れさま」

「……お姉ちゃんお疲れさま」

姉が2泊3日のダンジョンアタックを終えて帰って来た。

無事だったのはテレビの中継を見てて知っている。
ただ、最近の態度を謝らなければならないと思って気恥ずかしさから小声になってしまう。

夕飯はお姉ちゃんの好きなお肉料理。
久しぶりの焼肉だ。
お母さんが奮発していいお肉を買ってきてくれた。
ご飯も多めに炊いたし、野菜も切り分けてテーブルに並べた。
サラダはスモークサーモンと玉ねぎのサラダ。
スープはテールスープに挑戦してみた。

「凄いご馳走だね!! 美味しそう」

「遥が無事に帰って来てくれたお祝いよ」

「うん。 ……お姉ちゃん最近態度悪くてごめんね」

「ん? どうした優奈、やけに下手に来るね」

姉はいつも通りにからかってくる。

「う……うん? そうかな?」

「最近はツンツンしてたのに。 心境の変化でもあった?」

「うん……態度悪かったよね……ごめんね」

「どうしたどうした? らしくないよ、良いからご飯食べよう。 ね」

久しぶりに食べた焼肉はとても美味しかった。


片づけをして私は部屋でくつろいだ。
姉はスーツケースの中身の片づけをしてから私の部屋に来た

「で?」

「で? って何?」

「最近どうした? 学校で何かあったん?」

「……何もないよ」

「そう? 私がテレビ出ちゃったときから態度変わったからなんかあったのかと思ったんだけど」

「んー……なんか今スランプ中なの。 学校でも進路について考えなきゃいけないし、なのに私将来何したいか分かんないし……なんでもできるお姉ちゃんが羨ましくなっちゃって意地悪してたんだ。 ……ごめんね」

「そう言う事か。 だから急に理系に進むって言いだしたのか。 ……まぁ気持ちは分からなくもないね、進路って難しいもんね。 自分が何やりたいかすぐには分からないし」

「お姉ちゃんはどうやって進路決めたの?」

「私? んー取りあえず教職課程は取っておこうかなって思ってた。 後は学校の雰囲気やカリキュラムの内容かな? 自分の興味惹かれたところに決めた感じかな。 もちろん自分の頭で行けそうな範囲でね」

「そうなの?」

「うん。 優奈はなんで理系に進みたいって思ったの?」

「え? えーっとね……せっかく錬金術が使えるようになったでしょ? それで適応で色んなもの変えられるようになったでしょ? それってどういうものなんだろうって思ったの。 草だってこっちの土じゃ育てられないし、あっちの土だと育てられるでしょ? その違いって何とか。 
作製で作った回復薬だって草からどうやって作り出すのか気になるし、調べるなら実験とか出来るところの方が詳しく調べられるかなって思ったの」

「頭の中錬金術まみれだね」

私がバーッとやりたいことを話したら姉に苦笑された。

「だって気になるじゃんかー」

「なら理系学部で研究機器が整っているところを口コミで探して決めたらいいんじゃない? あと、教授。 名前や専攻がHP見れば分かるでしょ? そこらへん調べてみると、今までの研究内容とか教えてる内容が分かるから、この人の下で学んでみたいと思えるところが良いんじゃないかな? それとオープンキャンパス言ってみると雰囲気も分かるよ」

「うん……うん!! 調べてみる!!」

「頑張ってね」

「ありがとう、お姉ちゃん」

姉の助言のお陰で漠然とした不安が晴れてくすぶっていたやる気が復活した。

助言通りに調べてみると、家から通いでは行けないけれど、いくつか候補を決めることが出来た。
直近のオープンキャンパスはすでに申込期限が過ぎていたので少し先の物に申し込みしておく。
ただ、直近のオープンキャンパスは参加できなくても、今は学祭が開かれるシーズンらしい。 
それに合わせて、雰囲気を確かめるためにいくつか足を運んでみることにした。


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