高校からの帰り道、錬金術が使えるようになりました。

マーチ・メイ

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第三章 進路とダンジョン攻略

88話目 そして

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「…………錬金術?」

「お姉ちゃんも聞いたよね!! 探索室室長からちゃんとダンジョン潜って良いって言質貰ったもんねー!! 私心置きなくダンジョン探索者になれるよ!!」

「よくやった優奈!! 室長にお墨付き貰ったから憂いが無くなったね。 私も肩の荷が下りたよ」

はーっと、肩を叩くしぐさをする姉。

「…………錬金術?」

いえーいと姉とハイタッチした。
亘理さんは固まっていた。

「ちょちょちょちょちょっと待て。 え? 職業なんて?」

「錬金術師です」

「錬金術師?!?! ……っ生産職か!!!! ……生産職でいいのか? 聞いたことないぞ……っって……待て、それはちょっと待て!! 話が違う!!!!」

「どう違うんですか? 職は職ですよ。 皆と同じ職持ちです」

「あ、亘理室長。 ちなみに私申告してませんでしたが治癒の結界、隔絶の結界の他に成長の結界も持ってますんで、それも内緒でお願いします」

へへんと胸を張る私と、片手をあげさらりと暴露する姉。
亘理さんのキャパを超えさせるんだね!! 流石お姉ちゃん。

「成長……レベルはそれが原因か?! いやそれも重要だがまて、括りの話ではない……あぁあああ!! もう待てぇぇええええい!!!!」

私と姉は全力で亘理さんを巻き込むことにした。
ダンジョンに潜らせてもらえないなら、有る事無い事全力で亘理さんのせいにするからね。

そんな感じで姉と一緒に全力投球でアピールしたら、亘理さんは帰る頃には疲れ切っていた。

爆弾を投げつけスッキリ爽快な私は、帰る亘理さんの見送りをするべく姉と一緒に玄関を出た。

門から出て行く亘理さんを、私と同じくすっきりした姉と一緒に笑顔で手を振っていると視界が暗転した。



「つっかまーえータ」



「……あれ?」


少女の声が耳元でしたなと思ったら、見たこともない知らない場所に移動していた。












「優奈……?」

隣で亘理室長を見送っていたら優奈が消えた。

辺りを見渡しても姿が見えない。

花壇を見に行ったのかと思えばいない。
物置にも姿はない。

家の中に先に入ったのかと思えば脱ぎ捨てられた靴もなく、姿も見えない。

ならば近くのコンビニに買い物に行ったのか? アルバイト先に行ったのか? とも思えば姿はない。

え……。

血の気が引いた。

慌てて駅までの道を走り亘理室長の姿を見つけると優奈が消えたことを話し戻ってもらった。

「優奈が……優奈が居なくなったんです!! 一緒に探してもらえませんか?!」

「落ち着いて橘君。 妹さん? 妹さん居なくなったのか?!」

「さっきまで一緒に並んで見送りしてたんです。 室内に戻ろうかと声を掛けようとしたら居なくて……優奈……優奈どこ行ったの?!」

「取りあえず落ち着こう。 隠れてるとかではないのか?」

それから母が帰って来るまで室長は家に居てくれた。
一緒に警察へ捜索願を出したが数日、数週間経っても優奈が見つかることは無かった。





「……あれは姉が所属しているダンジョン攻略室の室長?」

私達が鑑定の魔道具を持ち橘家が見える場所で善良ガール、橘妹が出てくるのを待っていると、笑顔の姉妹とダンジョン攻略室の室長である亘理が一緒に出てきた。

「なんであの男がここに?」

「それよりも鑑定、今がチャンスだぞ」

姉を監視する際に何度か目にすることがあった。
いつも寝不足からか不健康そうな顔色をした男。
今回の捜査から外れているので身辺調査はしていないが。

「……そうね」

亘理に気を取られていた頭を振り、鞄から鑑定の魔道具を取り出し、眼鏡をかけるように目元に装着した。

……!!

「鑑定はどうだ? 出来たか?」

同僚のアレクが興奮気味に話しかけてくる。

「えぇ……出来たわ。 予想通りよ……あら? ……アレク、あの子はどこに行ったの?」

表示された内容に驚き思わず対象から目を離したらあの子は消えていた。

「え? そこに……あれ?」

アレクも辺りをきょろきょろ見渡している。

さっきまでいたはずだ。
私達が見ている目の前で橘姉も妹が居なくなったことに気づいたらしい。
私達と同じように辺りを見渡していた。


「家の中に入ったんじゃないか? ここで見張っていればいいだろ」

「そうね……」

だが姉の様子が気になった。
先に家に入ったにしては妙に慌てている。

「そこで何をしている」

橘家を監視していると声を掛けられた。

「なんですか?」

観光客の振りをし、何度か声を掛けられてから、自分たちが言われていると気づかなかった風を装い振り返った。

そこに立っていたのは幾人かの日本の警察官だった。




***

次回から第4章になります。
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