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第一章 ブラッドフォード編
距離を縮めたい
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とうとう言ってしまった。
好きだと、そしてオズ様と。
私が、オズワルド様を特別に思っていることをこの百戦錬磨の男にどこまで伝わるのかわからないけど、言ってしまった。
「リディア、嬉しいよ。」
「…本当ですか?」
シーツから、オズワルド様を少しだけ覗くと、オズワルド様も少し頬が赤かった。
そして、優しくふわりと抱き締めてくる。
優しく抱き締められると、大事にされていると思ってしまう。
「リディア…少し距離を縮めないか?」
「き、今日みたいなのですか?」
「それもあるが…」
オズワルド様に抱き寄せられ顔が近付くと、気が付けば自然に目を瞑っていた。
唇にキスをされたのだ。
私にとったら初めてのことだ。
「リディア、アレク達が帰ったら仕立て屋を呼んでやる。好きなだけドレスを買え。その時にウェディングドレスも選ぼう。リディアに似合うものを作らせる。」
何度も唇にキスをされながら、私は、はい、と言うのが精一杯だった。
朝になり、オズワルド様の腕の中で目が覚めた。
夕べはキスまででそれ以上はまだ待ってくれている。
私を大事に思ってくれているのだと、実感しそうだった。
オズワルド様の寝顔を見ると、やっぱり男前だな、と思ってしまう。
「オズワルド様、朝です。起きて下さい。ウィルが来ますよ。」
ゆさゆさと、オズワルド様の体を揺らし起こすと、うつ伏せのまま私をギラッとみた。
何故睨む?
「リディア…オズと呼ばないのか?」
うっ、突っ込みますか。
何だか恥ずかしいのです。
「…オズワルド様の方が、オズワルド様らしいのです。」
すみません、夕べは雰囲気で言いました。
オズワルド様は、わかったと言いながら起き上がり、軽くキスをした。
「距離を縮めてくれたから、許してやる。」
「そ、それはどうも、」
そして、ドキドキしながらいつも通り部屋に戻り朝の支度をした。
鏡台に座り、髪をマリオンが結ってくれている。
「ねぇ、マリオン。」
「はい、何ですか?」
「私の経験値はレベル10ぐらいにはなったかしら?」
マリオンはそうですね。とわけがわからない様子で返答していた。
好きだと、そしてオズ様と。
私が、オズワルド様を特別に思っていることをこの百戦錬磨の男にどこまで伝わるのかわからないけど、言ってしまった。
「リディア、嬉しいよ。」
「…本当ですか?」
シーツから、オズワルド様を少しだけ覗くと、オズワルド様も少し頬が赤かった。
そして、優しくふわりと抱き締めてくる。
優しく抱き締められると、大事にされていると思ってしまう。
「リディア…少し距離を縮めないか?」
「き、今日みたいなのですか?」
「それもあるが…」
オズワルド様に抱き寄せられ顔が近付くと、気が付けば自然に目を瞑っていた。
唇にキスをされたのだ。
私にとったら初めてのことだ。
「リディア、アレク達が帰ったら仕立て屋を呼んでやる。好きなだけドレスを買え。その時にウェディングドレスも選ぼう。リディアに似合うものを作らせる。」
何度も唇にキスをされながら、私は、はい、と言うのが精一杯だった。
朝になり、オズワルド様の腕の中で目が覚めた。
夕べはキスまででそれ以上はまだ待ってくれている。
私を大事に思ってくれているのだと、実感しそうだった。
オズワルド様の寝顔を見ると、やっぱり男前だな、と思ってしまう。
「オズワルド様、朝です。起きて下さい。ウィルが来ますよ。」
ゆさゆさと、オズワルド様の体を揺らし起こすと、うつ伏せのまま私をギラッとみた。
何故睨む?
「リディア…オズと呼ばないのか?」
うっ、突っ込みますか。
何だか恥ずかしいのです。
「…オズワルド様の方が、オズワルド様らしいのです。」
すみません、夕べは雰囲気で言いました。
オズワルド様は、わかったと言いながら起き上がり、軽くキスをした。
「距離を縮めてくれたから、許してやる。」
「そ、それはどうも、」
そして、ドキドキしながらいつも通り部屋に戻り朝の支度をした。
鏡台に座り、髪をマリオンが結ってくれている。
「ねぇ、マリオン。」
「はい、何ですか?」
「私の経験値はレベル10ぐらいにはなったかしら?」
マリオンはそうですね。とわけがわからない様子で返答していた。
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