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快適な別邸
翌朝から、別邸に食事を運ばれるようになった。
ルノアが一人で朝食を運んでくるのは、リアムに「クライド様がお帰りになったら、毎朝部屋に朝食を運ぶのですから、今から練習のつもりで慣れてください」と決めたからだ。
だから、朝食はルノアが運んでくれて朝からゆっくりとしていた。
だけど、ルノアは怒り心頭だった。
「……もうっ! なんなんですかね!? あの女は! プリムローズ様をこんなところに追いやるなんて!!」
「……ルノア。ライラさんにそんな言い方をしてはダメよ」
「でも……プリムローズ様はこれでいいのですか?」
「クライド様のお邸にいることは間違いないないんだし、別に気にするほどのことじゃないわ」
「食事だって、ライラ様のほうが豪華ですよ? フルーツ沢山でしたし……」
それは、なんとなく気付いている。
昨日ライラさんとご一緒した時は、今朝のようなパンにサラダや卵だけじゃなかった。
「でも、フルーツを絞った飲み物もあるし同じよ」
「それは、リアムさんが絞ってくれたんです」
「……ということは」
「プリムローズ様には、フルーツが無かったのです……」
「そうなの? じゃあリアムに感謝しなくちゃね」
そう言って、搾りたてフルーツの飲み物を飲んだ。別にフルーツぐらいで、騒ぐつもりはないからだ。
「それにしても、この別邸は普段使ってなかったのかしら? 庭が荒れているわ。部屋も埃っぽかったし……今日は大掃除ね」
「でしたら、のちほどメイドたちをお呼びします。庭師もリアムさんに言えば、すぐに呼んでもらえます」
「自分でするから大丈夫よ。少し動きたいし……」
迷惑をかけているのは本当だし、私は出来ることはすればいい。
「……でも、一度プレスコット伯爵家と話すべきかしら?」
「いけません!! 絶対にお会いにならないでください!! 特にプレスコット伯爵はダメです!!」
「そうね……クライド様がいないし……お帰りになったらご相談しましょうか?」
「そうしましょう!」
一瞬で顔色が変わるルノアに首を傾げてしまう。それも、ジャンを指名してまで否定するのがおかしいと思えた。
疑問に思いながらも、以前のこともありルノアを追求する気になれず、朝食後には私とルノアは別邸の掃除を始めた。
天気が良いため庭の掃除をしている途中でリアムが様子を見に来ると、すかさず「おやめください」と私を止めてくる。
「別に貴族でも、温室の手入れしている人もいるし変じゃないわ」
「それは、本当の温室です! これでは庭の掃除ですよ! やっぱり、もう一度ライラ様に訴えます!」
「ほっとけばいいわ。私は気にしてないのよ」
ざっくばらんに落ち葉を拾い集めながら言うが、リアムは憤慨している。
「それより、落ち葉はいつもどこに捨てているの?」
「持っていきます! 私が持っていきます! ルノアもプリムローズ様にこんなことをさせないように!」
「すみません!」
「ルノアは手伝っているだけだから、怒らないでね?」
「侍女なら止めるべきです!」
私のせいでルノアまで怒られてしまった。だけど、ボーっと過ごすことは性に合わないでいる。
「仕方ないわね……リアムが教えてくれないなら自分で探すわ。どうせ、使用人が使う裏口のそばでしょう? 裏を探せばわかるわね」
よいしょ……っと、使ってない布に落ち葉を集めて肩から背負うと、リアムが冷や汗が出るほど止めて来る。
「おやめください!」
そう言ったところで、また馬車が来た。
「……あれは、ライラさんのお父様ね。昨日と同じ馬車だわ。よく来るのかしら?」
「クライド様がいないからでしょう……そして、行かないでください。勝手にお会いになればクライド様がお怒りになりますよ」
「落ち葉を捨てに行くだけよ。早くしないと昼からグリモワールの塔に行けなくなってしまうわ」
リアムと落ち葉のことで押し問答しても埒が明かないでいると、リアムがため息を吐いて諦める。
「わかりました。落ち葉はこちらで捨てます。ルノア、落ち葉を捨てに行ったついでにメイドを何人か呼んできてください。プリムローズ様にこのようなことをさせないように……」
「かしこまりました。すみません」
いきなりすることがなくなってしまい、どうしようかと悩んでしまう。
「お暇でしたら、お茶を準備します。ここは、今から掃除を致しますので、どこか邸の庭に出しましょう。庭園か湖のほとりか……」
「なら、湖のそばでお願いします。絵画がすごく綺麗だったから……」
「はい。ではすぐに準備します」
澄んだ湖は綺麗だった。太陽の光が水面に美しくきらめいており、そばにはガゼボもある。ガゼボを前にすると、クライド様に出会った時のようなガゼボにそっくりで、あの時にときめいたことが思い出してしまう。
そのガゼボにリアムと下僕(フットマン)がお茶の準備をしている。
「すごく綺麗ですね……」
「クライド様も、ここでよく休まれていました。あの方は、本を読むのがお好きですから……」
クライド様のお気に入りの場所だと、知ると嬉しくなる。
私は、彼のことを何も知らないのだ。
そのまま、ガゼボで温かいお茶を飲みながらクライド様を思い出していた。
ルノアが一人で朝食を運んでくるのは、リアムに「クライド様がお帰りになったら、毎朝部屋に朝食を運ぶのですから、今から練習のつもりで慣れてください」と決めたからだ。
だから、朝食はルノアが運んでくれて朝からゆっくりとしていた。
だけど、ルノアは怒り心頭だった。
「……もうっ! なんなんですかね!? あの女は! プリムローズ様をこんなところに追いやるなんて!!」
「……ルノア。ライラさんにそんな言い方をしてはダメよ」
「でも……プリムローズ様はこれでいいのですか?」
「クライド様のお邸にいることは間違いないないんだし、別に気にするほどのことじゃないわ」
「食事だって、ライラ様のほうが豪華ですよ? フルーツ沢山でしたし……」
それは、なんとなく気付いている。
昨日ライラさんとご一緒した時は、今朝のようなパンにサラダや卵だけじゃなかった。
「でも、フルーツを絞った飲み物もあるし同じよ」
「それは、リアムさんが絞ってくれたんです」
「……ということは」
「プリムローズ様には、フルーツが無かったのです……」
「そうなの? じゃあリアムに感謝しなくちゃね」
そう言って、搾りたてフルーツの飲み物を飲んだ。別にフルーツぐらいで、騒ぐつもりはないからだ。
「それにしても、この別邸は普段使ってなかったのかしら? 庭が荒れているわ。部屋も埃っぽかったし……今日は大掃除ね」
「でしたら、のちほどメイドたちをお呼びします。庭師もリアムさんに言えば、すぐに呼んでもらえます」
「自分でするから大丈夫よ。少し動きたいし……」
迷惑をかけているのは本当だし、私は出来ることはすればいい。
「……でも、一度プレスコット伯爵家と話すべきかしら?」
「いけません!! 絶対にお会いにならないでください!! 特にプレスコット伯爵はダメです!!」
「そうね……クライド様がいないし……お帰りになったらご相談しましょうか?」
「そうしましょう!」
一瞬で顔色が変わるルノアに首を傾げてしまう。それも、ジャンを指名してまで否定するのがおかしいと思えた。
疑問に思いながらも、以前のこともありルノアを追求する気になれず、朝食後には私とルノアは別邸の掃除を始めた。
天気が良いため庭の掃除をしている途中でリアムが様子を見に来ると、すかさず「おやめください」と私を止めてくる。
「別に貴族でも、温室の手入れしている人もいるし変じゃないわ」
「それは、本当の温室です! これでは庭の掃除ですよ! やっぱり、もう一度ライラ様に訴えます!」
「ほっとけばいいわ。私は気にしてないのよ」
ざっくばらんに落ち葉を拾い集めながら言うが、リアムは憤慨している。
「それより、落ち葉はいつもどこに捨てているの?」
「持っていきます! 私が持っていきます! ルノアもプリムローズ様にこんなことをさせないように!」
「すみません!」
「ルノアは手伝っているだけだから、怒らないでね?」
「侍女なら止めるべきです!」
私のせいでルノアまで怒られてしまった。だけど、ボーっと過ごすことは性に合わないでいる。
「仕方ないわね……リアムが教えてくれないなら自分で探すわ。どうせ、使用人が使う裏口のそばでしょう? 裏を探せばわかるわね」
よいしょ……っと、使ってない布に落ち葉を集めて肩から背負うと、リアムが冷や汗が出るほど止めて来る。
「おやめください!」
そう言ったところで、また馬車が来た。
「……あれは、ライラさんのお父様ね。昨日と同じ馬車だわ。よく来るのかしら?」
「クライド様がいないからでしょう……そして、行かないでください。勝手にお会いになればクライド様がお怒りになりますよ」
「落ち葉を捨てに行くだけよ。早くしないと昼からグリモワールの塔に行けなくなってしまうわ」
リアムと落ち葉のことで押し問答しても埒が明かないでいると、リアムがため息を吐いて諦める。
「わかりました。落ち葉はこちらで捨てます。ルノア、落ち葉を捨てに行ったついでにメイドを何人か呼んできてください。プリムローズ様にこのようなことをさせないように……」
「かしこまりました。すみません」
いきなりすることがなくなってしまい、どうしようかと悩んでしまう。
「お暇でしたら、お茶を準備します。ここは、今から掃除を致しますので、どこか邸の庭に出しましょう。庭園か湖のほとりか……」
「なら、湖のそばでお願いします。絵画がすごく綺麗だったから……」
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「すごく綺麗ですね……」
「クライド様も、ここでよく休まれていました。あの方は、本を読むのがお好きですから……」
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