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静かな城

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城では、マルクが不気味さを感じていた。
「リリー、この城何か静か過ぎないか?」
「この宮一角はリア様にお貸しくださったから、気を使い人が来ないのではないですか?」
「リリー、これを。」
マルクはリリーにシードを2つ出した。
「これは?」
「リリーの魔力だとどちらか一つしか使えないだろうけど、何かあればこれを使いリアを守るんだ。」
リリーは受けとると不安が押し寄せて来た。
「マルク様?何かあるのですか?」
「嵐の前の静けさと言うか、どうも静か過ぎる。少し様子を見てくるから、リリーは絶対にリアの元を離れないでくれ。俺の代わりにライザさんも部屋に入れるから。」
不安なリリーをおいてマルクは出ていった。代わりにライザが部屋で待機となった。

城の厨房では、夕食の支度で慌ただしくしていた。
「おい、新入り!スープ皿を並べておけ。客人のスープは、そっちに並べるんだ。」
新入りと呼ばれた少年は、クライスに頼まれ、潜入していたガイだった。
ワゴンに沢山の料理が並べられ、それとは別に、客人であるリアの料理は別のワゴンに並べられた。
(アクアマリンの陛下達と食事はとられないのか?別に取るとは聞いてなかったぞ。)
「お客様は、陛下達と晩餐はされないのですか?」
ガイは、コックに聞くと、アリーゼ様の指示だと言った。
その時、厨房にアリーゼがやって来た。
思わずガイは芋の沢山入った大きな樽のそばに隠れた。
「皆、今日は片付けはいいから料理が終わったら帰りなさい。」
アリーゼは、シードをだし命令すると、皆虚ろな眠そうな目になった。
アリーゼは命令すると、リアのスープに小瓶から薬をポトポトと入れ、去って行った。
皆無言で、料理を運びだし、待ってくれと、ガイが止めるも聞こえていなかった。
(くそ、リア様に薬を盛る気だ!そうだ。リア様は光のシードの時光の文字が見えた。もしかしたら、これで気付くかもしれない!)
ガイは、持っていたシードの欠片を運んでるスープに入れた。
運んでる下僕は虚ろな目で、ガイを止めなかった。
スープはパンプキンスープの為か、シードが入っているのが、見た目ではわからなかった。
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