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キースの条件

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クライスは眠ったままキースの水の檻に囚われ、アリーゼすら近付けなかった。
「キース!水の檻を解除して!」
アリーゼはずっとイライラしていた。
「だめだ。クライスは危険すぎる。」
部屋をうろうろするアリーゼに、キースは部屋に帰れと言い、アリーゼは怒って帰った。
リアは、キースの癒しの魔法が効いたのか、目を覚ました。
「リア、大丈夫か?」
「…頭が重い…」
「アリーゼの夢魔のシードのせいだ。ドラゴニアンシードを持っているから、他の奴らのように眠りに落ちなかったせいだな。」
リアはキースをいきなり引っ張ったいた。
「クライスはどうしたの!?」
「…閉じ込めてる。」
キースは下を向いて話した。
「クライスを返して!」
キースはリアの腕を掴み、リアを見つめた。
「条件を2つ飲むならクライスをテレーズに返す。」
「条件?クライスやマルク達にあんな事をして、これ以上何をするの!?」
「クライスもマルクも強すぎて手加減出来なかった。ああでもしないと俺がやられてた。」
「じゃあリリーは?リリーはメイドよ!」
「殺しはしなかった。」
「ふざけないで!」
キースはリアの言葉に、力任せに押し倒した。
「俺のものになれ、側にいてくれたらいいんだ。」
「…できない。」
「クライスがこのままでいいのか?」
リアはクライスの事を考えるとキースの手を払えなかった。
「それが条件の一つ?」
「そうだ。」
「もう一つは?」
「…国王陛下とアルフォンスをテレーズで保護してくれ。このままだと、アリーゼに殺される。」
キースの言葉にリアは絶句した。
「あなたとアリーゼ様は何なの?」
「条件を飲んだら話す。」
リアはどうすればいいのかわからなかった。
(でも、私のせいで皆を傷つけた。これ以上クライスまで何かあったら。)
リアは決断したように言った。
「クライスに会わせて。眠ったままでいいから。」
「…わかった。服を着ろ。今すぐ行く。」
リアはキースの出したショートドレスを着るとキースに連れられ先程の戦っていた部屋へ行った。
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