伯爵令嬢は狙われている

屋月 トム伽

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破滅竜の思い

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「やめろ!破滅竜!リアを悲しませるな!」

クライスの言葉は全く届かず、近づくクライスを爪で凪ぎ払うがクライスの風竜はスピードに長けていた。
だが、避けてばかりでは、リアに近付けなかった。

「風竜!破滅を止めるぞ!暴嵐の刃よ!」

クライスと風竜は、破滅竜の頭に向かい、攻撃した。

破滅竜は唸るが、周りの爆発は止まらない。

(あと少し!あと少しでリアに届く!)

「風の鎖よ!」

クライスの風が鎖のようになり、破滅竜を抑えた。

「風竜、抑えておいてくれ。俺はリアの元に行く。」

クライスは、風竜から飛び降り、破滅竜の右手に乗った。

リアを包んでいるオーブには、抵抗なくスッと入れた。

クライスはリアを抱き締めたがぐったりと冷たかった。

「リア、迎えにきたんだ。目を開けてくれ。」

その時、破滅竜はクライス目掛けて咆哮した。
だが、風竜がクライスとリアを包み守った。

その時、竜の声が聞こえた。


「リアに触れるな!」

「やめるんだ。破滅よ。リアにはクライスが必要だ。」

「リアと私を引き離そうとした!許せない!」

「俺のクライスがしたことではない。」

「ならば、あの人間を出せ!全て滅してやる!」

その時、水没している破滅竜の足元から、バキバキと凍っていった。

カイが水面を凍らせ立ち、破滅竜を止めようとしていた。

破滅竜は、怒りなのか、また咆哮し、爆発を起こした。

追い付いたマルクは飛竜に乗ったまま、光の拘束魔法で破滅を鎖で巻き抑えた。

「クライスとリアはどこだ!?」

リヒトが叫ぶとキースが水竜に乗り近付いてきた。

「あの緑のオーブの中だ!」

「風竜が二人を守っているのか!?」

クライスとリアを風竜が包み守り、破滅竜が持っている。
拘束しても咆哮は収まらない。
誰も近付けなかった。

破滅竜の唸りと共に、声が聞こえた。

「あの人間を出せ!もう戻れない!戻れない!!」

飛竜は破滅竜の言葉にリヒトに言った。

「リアがいなければ、もう破滅竜は戻れない。器が死ぬまで暴れ狂い、力つきシードになるまで止まらない。器であるリア以外破滅竜を抑えることは出来ない。」

そんな事になったら、クライスもリアも死ぬ。
ここら一帯も全て破滅する。
マルクもカイも抑えるので必死だった。

「…賢帝、やれるか?」

リヒトの言葉に賢帝は無言で目をつむった。


その時、凍っている大地にヒューゴが現れた。

「破滅竜、私がリアの中に戻してやる。」

ヒューゴは歩きながら破滅竜に近付いた。

破滅竜は、咆哮をやめ、爆発を止めた。

「命が欲しいなら私のをやる。破壊をやめるんだ。」

破滅竜はヒューゴをじっと見た。

「今こそ約束を果たそう。」

リヒト達は困惑した。
何故破滅竜は止まったのか。

「約束?何の話だ?」

リヒトは困惑し、口に出ていた。

「わかりません、何故破滅竜は咆哮をやめたのでしょうか?」

マルクにもわからない。

「リヒト!皆を下がらせろ!誰一人近付けさせるな!」

「ヒューゴ!何をするんだ!?」

「リヒト、クライスならリアを守れる。幸せになりなさい。と伝えてくれ。」

ヒューゴはただ静かに言った。

「…皆、下がるんだ。」

リヒトはヒューゴの決意を感じとり、下がることにした。

「…クライス達を失いたくない。許せ、ヒューゴ。」
「誰のせいでもない。私が破壊竜との約束を果たすだけだ。」

リヒト達はヒューゴを破滅竜の前に残し、離れた。
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