一流冒険者がVTuberになるそうです

1章 デビュー

ダンジョンと冒険者について

　作者です。このページは物語の設定を少しだけ述べさせて頂きます。

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その現象は社会に震撼を与えた。
　突如、地面に穴が空き、その穴はこれまで地球にいなかった生物等をもつ、新たな世界を形成していたのだ。
　その穴はフィクション世界のようにダンジョンと呼ばれる様になった。
　
　ダンジョン発生現象からわずか5年で民間人によるダンジョンへの立ち入りが認められた。

　世論が冒険者の誕生が新たな稼ぎになることを強く望んだのだ。

　ダンジョンから産出される魔石は新たな資源として期待された。

　魔石とは、ダンジョンの生物である魔物を倒した際に魔物の亡骸を解体すると見つけられるエネルギーを封入したジュエリー状の物質である。
内封されたエネルギーは地球温暖化に影響を与えず、電気エネルギーに変換可能であった。
　魔石は魔物によって形やサイズが異なり、同時に個体差もある。
　こうした背景から封入されたエネルギー量によって魔石の価格は決められることとなり、買い取りが始まった。
　勿論、上位の魔物ほど魔石の価格は上がる。
　しかし、魔石を新たな資源として、活用すると言えないのが現状であった。
　未だに産出量は確保されていないのだ。
　魔石の買い取り価格は封入されたエネルギー量が決め手であるため、命懸けで戦った結果として1000円も価値がつかない事が大半なのである。
　この1000円分の魔石に含まれるエネルギーは平均的な日本人が一ヶ月使う電気エネルギーに達する。
　これが示すことは、たった1000円分の魔石を得るために、膨大なエネルギーを蓄積した生物と戦わなければならないということだ。
　一般人なら間違いなく生きて帰れない世界である。
　
　この為、冒険者は魔物を倒すと魔物の亡骸から素材を剥ぎ取り販売することで収入を得るのだ。
　結果として、冒険者はレジャーや娯楽だと言われるようになった。
　冒険者は簡単な試験や必要書類、誓約書を書けば即座に誰でもなることが出来る。
　自衛官候補生の試験並みの難易度といえば分かるだろう。