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第3章 老害
第61話 ご褒美
しおりを挟む「んああ。寝たのになんか疲れたな」
時刻はまだ朝の5時を少し過ぎた所。
桜さんはまだ隣で気持ち良さそうに眠ってらっしゃる。
「思った以上に子供っぽい女神だったな」
あの後も神域でギャーギャーと言い合いをして、抱け抱かない論争が巻き起こったけど、俺はちゃんと手を出さず戻ってきた。
ロリのノータッチ精神は守らねばならぬ。
「報酬はとりあえず貸し一つになった訳だけど」
他に欲しいもんが無かった。お金とかも用意出来るって言われたけど、女神の報酬として貰うもんじゃない。稼ごうと思えば稼げるし。
「能力の制限緩和にしておけば良かったかなぁ」
「にゃにが~?」
「ん? 起きたか」
むにゃむにゃ言いながらも桜が起き上がる。生まれたままの姿がとても美しいですね、はい。
「地球の女神に会ってきたんだ」
「へ~。そうなんだ~」
驚く程に興味無し。滅茶苦茶どうでも良さそう。
神様に会うって凄い事だと思うんだけど。
「報酬保留にしちゃってさ」
「あれ~? ヤッてこなかったの~?」
ストレートに言いますね。もう少しオブラートに包むとかあるでしょうよ。
俺はかくかくしかじかと女神の容姿や体型について説明する。
「あははは~! ロリっ娘だったんだ~」
「そういう事で保留にして帰ってきた訳。『眷属ガチャ』の制限緩和も提案されたんだけどね」
「? 制限緩和~?」
「次のガチャ…つっても、後半年ぐらいは先だけど。その時にもう一人追加で出してやるって」
今考えたら制限緩和ではないな。これ、人一人プレゼントしますよって言ってるのと一緒じゃん。
いや、『眷属ガチャ』なんてしてる時点で一緒か。考えないようにしよう。
「それで良いじゃ~ん。なんで保留にしたの~?」
「いや、別にそんな人手いるかなって。年一で一人増えるだけで充分だと思うんだけど」
いるかね? これから面接もして、どんどん人は増えて行くんだよ?
「え~。あたし友達欲しい~! 眷属ガチャから出てきた人は新しく出来る予定の家に一緒に住むんでしょ~? 広く作ったんだし一人増えるぐらい良いじゃ~ん。この前『風神雷神』の子達と話してて女子トークも良いな~って思ってたんだよね~」
友達って。ガチャに頼るの? なんか悲しくない? ………俺も人の事言えないか。
「いや、ガチャしたからって女が出てくるとは限らないし、年齢も分からないぞ?」
女ばっかりも困るし。自分の家なのにアウェイ感が出てくるでしょ。
俺だって男の友達欲しいし。
「ほらほら~。もう一回寝てよ~。女神様にその報酬でお願いしてきて~」
桜さんの中では、もう決定事項になったらしい。
別に良いけどさ。お望みの人がガチャで出てこなくても怒らないでよ? ガチャなんだから、どんな人が出てくるか分からないし。
「まっ、とりあえずもう一回寝るか」
寝足りなかったし丁度いいや。
「クソガキめ」
おはようございます。二度寝をかまして、時刻は午前10時を少し回った所。
もう一回女神に会えるか分からなかったけど、しっかり神域に行く事が出来ました。
「何が「やっぱり抱きたくなったのかえ? 口では嫌々言ってても体は正直じゃの」だ。どうせ寝る前のやり取りは見てたくせによ」
だからすんなり神域に行けたんだろう。
からかいやがってからに。メスガキか。分からせてやりたい気持ちをグッと堪えて、報酬をお願いした俺は偉いと思うんだ。
あそこで手を出してしまっては、本末転倒だからな。ヤリたいとは思わないけど、分からせたいとは思ってしまう。メスガキとは危険な女だぜ。
「ちゃんとお願いしてきた~?」
「ばっちりだ…ぜ」
思わず二度見した。
起き上がって桜を見ると、俺のワイシャツを着てTVを見ていた。これが彼シャツ…っ! なんてそそられる姿なんだろうか。
「だんちょ~目がエロ~い」
「辛抱たまらん!!」
「わは~!」
朝から盛っても良いと思うんだ。明らかに誘ってたし、俺は悪くない。
桜さんなりのご褒美でしょうか。ありがたく頂きます。
「ふぃ~。老害なんてどうでも良くなったな」
「…zzz」
桜はダウンした。今回は完勝。KO勝ちである。
女神でお預けを食らってたからな。俺の猛攻撃に成す術も無かった事だろう。
「さてさて。老害の処理はとりあえず終わったし、これからはストレスフリーで楽しめるな」
取り調べで暗殺の事もゲロってるだろう。
刑務所には行かず、精神病院行きだが。
「こっからは人類育成フェーズだな。まずは今回、合同攻略したギルドから。後は自分のギルドも」
面接したり、学校に回ったり。海外にも行きたいし、日本の美味しい料理を食べて回りたい。
「これからがちょっと楽しみになったな」
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第3章終了でーす。
老害さんはいかがだったでしょうか。
作者の中で色々な始末のつけかたを考えてたんですけどね。
死亡endだったり、TVで公開処刑にしたり。
そして考えた結果、性癖暴露になりました。
何故こうなったのか。ありきたりな終わり方にはしたくないと思ったらこうなってました。
作者は他にも作品を更新してますので良ければそちらもご覧下さーい。
ではではまた次章で~。
応援ありがとうございます!
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