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第7章 生産者の底上げ
第143話 火山
しおりを挟むルーローハン美味でした。
もっと脂っこい感じかと思ったんだけどな。
何かが良い感じに中和してるのか、全然そんな事なかった。甘辛くて最高に美味しかったです。
そして翌日。
もっと観光したい気持ちをグッと堪えて、1級の狭間に向かう。
「おおー。屋台出てる。日本の真似なのかな?」
「だんちょ~が屋台で買い食いしてるのがニュースになってるからね~。忖度したんじゃないかな~」
冷静に考えて人が屋台で買い食いするのがニュースになるってやばいよな。
プライベートゼロ。もっとニュースにすべき事はあると思うけど。
「おはよーございます」
既に待ってた協会のカメラマンと四つのギルドに挨拶をする。顔が青いけど大丈夫だろうか。
「協会から依頼されたし、俺達も良い経験になんと思って了承したんですけどね。でも2級すら攻略出来てないのに1級に入場するって…」
いざ入るってなってやばい事をしてると気付いたらしい。ほんともっと早く気付くべきだったよ。
なら、スパッと攻略して終われたのに。だが、俺ちゃんはもう依頼を受けちゃったので。
ちきんと遂行させてもらいますよ。
「じゃ、入りまーす」
軽くインタビューに答えてからヌルッと入場。
「あっつ」
大阪の砂漠も暑かったけど。
台湾のこれは熱い。
「火山~? あれって噴火するのかな~?」
「がっはっはっは! どんな魔物が出るのであろうな!」
「また私とは相性が悪そうですねぇ」
「ほわー。私噴火って見た事ないですっ」
『シークレット』の面々は環境適応リングをつけてるから問題なさそう。俺は入ってすぐに『反転』させたしね。
「はい。今回はこれを貸し出しますよー」
しかし天魔君は抜かりない男。
こういう環境もありえるだろうと、しっかり環境適応リングを山田花子さんに量産してもらっておきました。あげないけどね。3級の魔石使ってるから結構高いし。
「うーん。火山って事はサラマンダーかなぁ」
俺は忠義に憑依して、すぐに結界を張れるようにしつつ、火山を歩いていく。
台湾ギルドはかなり緊張してるようで、動きがガチガチだ。これじゃあまともに戦えなさそう。
カメラマンもブルブル震えてるし。大村さんの最初の頃を見てるみたいだ。
うちのギルドは結構リラックス出来てる。
前回の攻略である程度慣れたってのもあるんだろう。やっぱり実戦経験は偉大だよ。
「むむ? 珍しい。ハーピーか」
サラマンダーだと思ってたけど、出て来たのは半人半鳥の魔物パーピーだった。
確かに山に棲みついたりしてる魔物だけど、火山に居るのは珍しいなぁ。俺も数える程しかお目に掛かった事がない。
「参ったな! 俺様の拳が届かんぞ!」
台湾のギルドには初戦闘って事でとりあえず見学をしてもらう。だから『シークレット』の面々に戦闘をお願いしたんだけど。
「公英は拳で衝撃波を飛ばしたり出来ないの?」
「出来ぬ!!」
遠距離への攻撃手段を持たない公英がおかんむりである。
なんだなんだ。その筋肉は見せかけか?
俺は憤怒に憑依したら、ビュンビュン飛ばせるぞ。身体への負荷は半端ないがな。
「ほら。これ使えよ」
俺はアイテムボックスからガントレットを取り出す。あんまり武器性能に頼るのは良くないけど、公英ぐらい馬鹿みたいにトレーニングする奴なら良いだろう。
「衝撃波を飛ばせるガントレットだ。本人の筋力に依存するけどな。公英にはピッタリだろ」
筋力に依存するってのがポイントだ。アイテムボックスの中に死蔵してたけど、思わぬところで役に立った。
「ほう! これは良い!!」
早速装着した公英はハーピーをどんどん撃ち落としていく。
「他は大丈夫そうだな」
桜は糸で、陽花は何かの液体で、神田さんはオオスズメバチの毒で。
それぞれ難なく対処出来ている。大阪の1級攻略の経験が出てますねぇ。よきかな。それでも一体を倒すのに時間が掛かってるが。
「じゃあそろそろ皆さんもやりましょうか」
後ろで眺めてた台湾のギルドの方々に声を掛けて実際に戦ってもらう。
若干及び腰になってるけど、戦い始めたらなんとかなるでしょう。
「よし。じゃあフォローはみんなにやってもらおうかな。余裕あるっぽいし」
一ギルド団長に一人つけて、フォローしながら戦ってもらうとしよう。これもまた経験。ちょっと余裕があるみたいだし、どんどん追い込んでいかないと。
勿論、本気でやばそうなら俺が介入するけどね。
そして地獄が始まった。
『シークレット』の面々がわりと簡単に処理してたから1級といえども、心のどこかで油断してたのもあったんだろう。及び腰でビビってた癖に、なんで舐めてしまうのか。
「お、織田さん。大丈夫でしょうか…?」
「うーん…」
カメラマンさんが心配そうに声を掛けてくる。
大丈夫っちゃ大丈夫なんだけど。流石に絵面がよろしくないかもしれん。
だってボッコボコだし。台湾の上位ギルドの団長達ボッコボコだし。それをフォローしようとしてる『シークレット』の面々もかなり厳しそう。
日本では俺にボコボコにされてる映像は既に配信されてるから、耐性はあるだろうけど台湾はどうだろうか。台湾でも俺の動画は見れるだろうけど、これはやりすぎかもしれん。
『シークレット』の面々も1級攻略で経験を積んだとはいえ、流石にフォローしながらだとまだきついか。これは1週間でどこまで伸ばせるか、俺の手腕が試されますな。
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