サイコパス、異世界で蝙蝠に転生す。

Jaja

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第二章 名も無き吸血鬼

第15話 作業

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 うーん。飽きる。

 外の世界に出て、森を探索し始めてから1週間程が経った。
 弱点になるかと思っていた日光も特にダメージを負う事なく、一点を除いて普通の3歳児とかわらない人間みたいだ。
 人間と違う点は、羽が生えてる事。
 コウモリの羽みたいなのが背中から生えてるんだよね。
 そして、普通に飛べる。
 重量的に無理だと思うんだけどなー。
 あまり気にしないようにしてる。

 で、ひたすら森を彷徨ってるわけだが未だに森の端を見つけられていない。
 富士の樹海かよ。
 大物も見つけられてないし、遭遇するのは狼とゴブリン、たまに蛇。
 もう、作業だよね。
 見つけては、殺して血を回収。経験値は極小。
 飽きるってんだよ。
 生物を殺しておいて飽きるとか畜生だけど、俺に倫理観的なのは期待しないでもらいたい。

 最初は魔法の色々な使い方の実験をしたりして楽しかったんだけどね。
 やる事が無くなってくると後は練度を上げるだけだから。
 心を無にして魔法を使ってる。
 【血液魔法】がえげつないんだ。
 切り傷とかでちょっとでも血を流してると、相手に触れてなくても血を根こそぎ回収出来る。
 これ、やばいよね?
 敵が血を流したら勝ち確なんだが。
 こんな魔法存在したらダメでしょ。

 「お? この反応は初めてだな」

 最近【音魔法】の練度が上がってきたのか、探知で魔物の種類が分かるようになった。
 あくまでも、知ってる魔物限定だが。

 「げぇ!」

 見つけた魔物はミミズだった。
 俺、大抵の虫は大丈夫なんだけどミミズとGは無理なんだよね。
 こいつからは、血すらも回収する気がおきない。

 『フォレスト・ハイワーム
  名前  無し
  【魔物能力】
  溶解液
  潜土
  悪食          』


 うへぇ。
 なんかまさにミミズって感じ。
 ミミズに【音魔法】って効くんかな。
 なんか、聴覚が無い説と体全体が鼓膜の役割果たしてるみたいな説もあった気がするけど。

 「ソニックランス」

 試してみたらわかるかと、とりあえず魔法を使ってみたけどかなりグロテスク。
 当たった瞬間に細切れになって弾け飛んだ。

 「うわぁ。グローい。威力強すぎたかな? それとも【音魔法】が特攻だったのか。って、経験値美味しいな!」

 もう会いたくねぇと思ってたけど、滅茶苦茶経験値を貰えるなら話は変わる。
 狼10匹以上の経験値は魅力的だな。
 【音魔法】で簡単に倒せるし。


 「そういえば、人型になったんだから武術も身に付けるべきかな? 習った事ないからどうすればいいかわからんが」

 万が一魔法が使えなくなった時の事を考えとかないとな。
 でもなあ。前世は運動音痴だったんだよね。
 この体のスペックはどうなんだろうか。
 吸血鬼は身体能力が高いと相場は決まってるけど果たして。

 「あ! 身体強化!」

 ボスゴブリンが使ってたっぽいやつ。
 あれやってみようと思って忘れてた。
 体を強化する事を意識して魔力を循環させる。

 「おお!? 凄い凄い! こんな簡単に出来るんだ!」

 やっぱり意識というか、イメージの問題だったか。
 ボスゴブリンに感謝だな。

 よし。じゃあ身体強化を常に意識しながら探索を再開しよう。
 息をするように身体強化出来るようにならないとな。
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