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第2章 抗争
第13話 合成魔法
しおりを挟む「凄いですね。こんな精霊達が積極的に協力してるのを初めて見ました」
「そうなの? 見えないからなんとも言えないんだけど」
隠れ家でいつものように魔法の練習中。
今は魔法を合成してみようと頑張ってる。
光と闇を合成すると、どうなるのかも気になったし。
で、試行錯誤しながら魔法を使っていると、一緒になって練習していたカタリーナが驚いたように俺の横辺りを見ている。そこに精霊さんがいるのかね。
「精霊は気まぐれで気に入った相手にしか力を貸しません。エルフならまだしも、ヒューマン相手に喜んで協力するなど…。興味深いですね」
おお。発言がエルフっぽい。なんか今ナチュラルにヒューマンを見下してたよね。
やっぱりエルフはこんな感じなのか? 俺相手には優しいというか、腰が低いんだけど。
「ふむ。やっぱりだな。ラノベ知識最高」
俺が試してたのは光と闇を合成すると、空間魔法とか使えないかなって事だった。結構な題材で光と闇を合成すると空間魔法になるよね。何故かは知らんけどさ。
もし、空間属性とかがあるならお手上げだったけど、カタリーナに聞いた限りでは属性は無を除くと6個しかないらしい。
四属性と光闇だな。それなら、魔法を合成するとどうなるかって思ったのが今回の趣旨でありまして。
「アイテムボックス」
俺がイメージして唱えると、目の前にモヤみたいなのが出てくる。
とりあえず俺はその中に魔石を放り込む。
「取り出しも可能と。光闇最強じゃん」
流石レイモンド。流石主人公。
もう絶対主人公。優遇されすぎだもん。
「なんですか? 初めて見る魔法です」
「これは空間魔法で--」
空間の概念とか俺も良く分かってないし、ふんわりと説明する。使えたら良いんだ、使えたら。
見えないけど、手伝ってくれた精霊さんに頭を下げておく。何をしてくれたのかは分からんけど。空間魔法を使えたのは精霊さんのお陰かもだし。
「レイモンド様は年齢の割に知識がかなり豊富ですよね? 私が知らない事もたくさん知ってらっしゃいますし。貴族の庶子等ですか?」
「まっ、その辺はもう少し落ち着いたら説明するよ。俺も良く分かってないし」
転生? 転移? よく分からんけど、なんで俺がこうなったのか自分でも理解してないし。
なんか使命とかあるなら、早めに神様的なサムシングからの接触がほしい。
好き放題やっちゃいますよ? 今もやってるけど。
「これでかなり盗みがしやすくなったな。保管の心配もしなくて良くなったし」
「私もレイモンド様に協力している精霊にお願いして空間魔法? の練習をしておきますね。アイテムボックスを覚えるだけでもかなり有用です」
異世界には必須だと思うんだよね。鑑定とアイテムボックスは。後は言語理解か。
どれも大体のラノベではほぼ標準装備されてるけど、破格すぎる能力だと思うんだよね。
鑑定とか特に。人の情報が分かるってやばいよね。
現代でこんな能力があったら、大体の事は出来そうだ。
「アイテムボックスのお陰で次の段階に進めるな」
「では、とうとう?」
うん。抗争が広まってきて、小さい組織が壊滅の危機にあっている。
俺はそこを襲撃して漁夫の利を得させてもらおうかと。
組織を潰しても資産やらを回収出来なきゃ、他の奴らに持っていかれるだけだしね。
「食べ物とかもいっぱいパクれるからな。もし有用な職を持った人が居たらスカウトしてくる」
食料さえパクれば何人か養える。
問題はこんなちんちくりんに従ってくれる人が居るのかどうかだけど。
一応、カタリーナからの情報では闇魔法を応用すると契約ってのが使えるらしい。
奴隷の首輪とかもそれを利用してるっぽい。
「私には効果がありませんけどね」
カタリーナ曰く、もし奴隷の首輪を付けられても精霊にお願いすれば簡単に解除出来るらしい。
精霊無敵説がいよいよ現実味を帯びてきたな。
「闇魔法って珍しいんじゃないの? 奴隷の首輪とか奴隷商人ならいっぱい持ってそうだけど」
「昔、大量に作られたみたいですよ。私が生まれるよりも遥に前らしいですけど。それを国が管理してるんでしょう。奴隷商人になるには、国からの認可が必要ですし」
「スラムで見かけた事あるような、ないような」
「どこにでも横流しする人はいますよ」
まぁ、人を奴隷に出来るアイテムなんて、みんな欲しいに決まってるよな。
特に後ろ暗い奴なら尚更。闇組織の人間にはさぞかし高く売れる事だろう。
「一応契約の練習はしたけど、果たして成功するかどうか。試してないしな」
「私にやってみますか?」
「意味無いんでしょ?」
「それは道具だからで、魔法は効くと思います」
なんだそれ。それならもっと早く言ってよね。
考える必要ないじゃん。
「でも良いの? 命令違反すると痛いらしいけど」
「私が命令違反する事などありえません」
なんで俺はこんなに信じられてるんだろうか。
たかだか一回命を救っただけなのに。
命の恩人でも平気で裏切れるのが人類だからなぁ。
「まっ、いっか。じゃあやってみまーす」
俺は闇魔法を行使する。
すると、黒い糸のような魔法がカタリーナの胸に当たる。
「んっ。なんかくすぐったいですね」
えっろ。思わずレイモンド君が精通するところだったぜ。
契約内容は俺に不利益になる事をしない事。
なんかふわっとした内容だけど最初だし。
どこまで契約で縛れるかは、もっとどうでも良い奴で試したい。
契約で呼吸をするなとか設定したらどうなるんだろうね。
「うん。契約が締結したっぽい」
「では、早速」
一応両者の合意がないと締結はしないらしい。
圧倒的実力差とかがあれば、覆せるのかもしれないけど。
カタリーナは俺に向かって、弱めの魔法を撃とうした。その瞬間、胸を抑えて倒れ込んだ。
「うぐっ」
「だ、大丈夫?」
どんな痛みなんだろう。カタリーナの表情を見る限りかなりやばそう。
顔が真っ青で汗が尋常じゃないほど出ている。
それは5分程で収まったけど、効果は実証されたな。
「痛いのも勿論ありますが、不快感の方が強いですね。魂を締め付けられてる感覚です」
魂とか言われましても。そんなの神様が扱う領分では?
気軽に使っていい魔法なのか、不安になってくるね。
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